英国ロイヤル・オペラが4年ぶりに来
日 『オテロ』『ファウスト』を総勢
300名で上演

2019年9月、ロンドンに拠点をおく英国ロイヤル・オペラが4年ぶりとなる来日公演を行う。総勢300名を引き連れ上演されるのは、『オテロ』『ファウスト』の2作品だ。
英国ロイヤル・オペラは、世界五大歌劇場の一つ。年間300回をこえる公演回数を誇り、オペラもバレエも、その公演はほぼ毎回ソールド・アウトとなるほど、観客の支持を集めている。
英国ロイヤル・オペラ外観
その勢いの中心にいるのは音楽監督を17年にもわたってつとめているアントニオ・パッパーノ。パッパーノは生粋の“劇場育ち”の指揮者で、現在のオペラ界では珍しく、歌手のリハーサルでは自らピアノ伴奏をつとめるなど、音楽作りへの徹底したこだわりは定評がある。そのため歌手からの信頼も厚く、アンナ・ネトレプコやヨナス・カウフマンといったトップ・スター歌手も彼のことを「トニー」と呼び、「トニーが振ってくれるなら何でも歌う」と全幅の信頼を寄せている。
アントニオ・パッパーノ(英国ロイヤル・オペラ音楽監督)
今回の来日公演で上演されるのは、『オテロ』『ファウスト』の2作品。
『オテロ』はシェイクスピアの戯曲に、歌劇王ヴェルディが忠実に作曲した作品だ。このオペラは演奏の難度が高く、指揮者と一体になれる高水準のオーケストラと合唱がなければ成立しない。今回はパッパーノの17年間の集大成として満を持しての選定となったという。
主役のオテロはテノール最難関の役にあげられるほどの難役で世界でも歌える歌手が限られている役である。日本公演に主演するのは大ベテランのグレゴリー・クンデ。クンデは今年だけでパリ・オペラ座をはじめ世界5か所で同役を歌うことになっているほどオテロ役に定評があり、ロンドン現地の公演でも喝采をあびた。そしてオテロの愛する妻デズデモナを演じるのはアルメニア出身の若き歌姫フラチュヒ・バセンツ。美貌と美声を誇り、ヨーロッパの主要な歌劇場に次々とデビューを重ねている今注目のソプラノだ。今回の舞台が日本デビューとなる。
『オテロ』より

『オテロ』より

もう1作はフランス・オペラの大作『ファウスト』。あまりにも作品の規模が大きいため、全曲上演は日本でもこれまでほとんど例がなく、特に英国ロイヤル・オペラのような世界有数の歌劇場が日本で上演するのは今回が初めて。カットされることも多いバレエの場面も含めて演じられるという。出演者には、ヴィットリオ・グリゴーロ、イルデブランド・ダルカンジェロらが名を連ねる。デイヴィッド・マクヴィガーの演出はロマンスとファンタジーにあふれた華やかな舞台で、悪魔が魔法を使う場面には様々な工夫がされており、目にも鮮やかで楽しい仕掛けが随所に隠されているという。
『ファウスト』より

『ファウスト』より

初日は2019年9月12日(木)、東京文化会館(東京・上野)で開幕する。

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