L→R 吉田理幹(Pf&Vo)、佐々木陽吾(Gu&Vo)

L→R 吉田理幹(Pf&Vo)、佐々木陽吾(Gu&Vo)

【The Super Ball インタビュー】
“勝負”の時に放つ、究極のバラード

たとえ結果が出なくても、
いつか笑顔に変わる日が来る!

もちろんですよ(笑)。一方、カップリングの「夏の神様」は青森朝日放送『めざせ甲子園2019』のテーマソングということで、青森出身の佐々木さんと強豪校で甲子園を目指していた吉田さんには打って付けのタイアップですね。

佐々木
青森で野球をやってる人は、みんな観てる番組ですからね! 僕も中学まで軟式野球をやっていたんで、高校でバスケ部に転向してからも観ていました。なので、曲作りに際しても、青森に行って直接プロデューサーさんから番組に対する想いや青森の甲子園予選に懸ける想いを聞いてから、曲のイメージを膨らませていったんです。
吉田
僕も1年で一番楽しみな番組は『熱闘甲子園』だった人間なんで(笑)。ただ、高校野球ってすごく厳しい世界だし、簡単に背中を押せるような軽いものじゃないと僕は思うんですよ。自分の経験を振り返ってみても、正直言って苦しいことが9割、喜びは1割だし。だから、作詞では僕も味わってきた高校球児の現実を踏まえつつ、前向きに熱くなれるものを意識しました。例えば歌い出しの《叶えたい 応えたい》は、僕が高校の3年間で一番泣いた日から来てるんですよ。2年生の時に家族みんなが練習を見に来てくれたんですけど、まだボール拾いしかさせてもらえてない自分が悔しかったんですよね。家族の期待を受けて強豪校に入ったのに、まだ球磨きをしているっていうのが本当に苦しくて…まず、その時の想いから入りたいと思ったんです。“自分は悔しさに負けて泣いてしまったけど、そんな時に言われたいことって何だったんだろう”っていうのを考えて《押し返してみせるさ》って。

なるほど。応援歌にありがちなアップテンポにならなかったのは、当事者ゆえの苦しさを知っているからなのかもしれませんね。しかし、苦しいことが9割だったのに、それでも続けられたのはなぜだったんでしょう?

吉田
うーん…理由は人それぞれでしょうけど、僕は負けず嫌いで“このままで終われるか!”っていう気持ちが人一番強かったのと、やっぱり家族に喜んでもらいたかったから。“辞めたい”って頭によぎった時は、いつも“今、辞めたら、家族にどれだけ悲しまれるだろう”って考えてました。でも、あの3年間があったから、今の自分があると思うんですよ。特別な才能があるわけでもない僕が“もっと良い作品を作りたい、良い自分になりたい”って努力を続けられているのは、人間性がそこで培われていたからで。だから、今こうやってスパボとして頑張って活動できているとも思うんです。

それって球児からしたら、一番励まされるメッセージですよ。

吉田
高校野球でレギュラーになって良い結果を出せる人なんて、ほんのひと握りですからね。だから、“ここで頑張ったら、すぐに結果が出なくても何かで笑顔に変わる日が来る!”っていうことを、《たとえ苦い結末が運命(さだめ)でも》で始まる最後のブロックで伝えたかったんです。
佐々木
僕も野球をやっていた小学生からの6年間、夏休みは毎日朝6時半に集まって3キロを全力で競争したり、とにかく負けたくなくて頑張ってましたね。結局、最後は1回戦で負けちゃったけど、今考えても得たものはあったなぁ。高校のバスケ部でも全国大会を狙える試合で、青森山田高校にボロ負けしてしまって。この詞を見た時、当時の気持ちを思い出したんで、野球に限らず本気で部活を頑張ってる人には間違いなく刺さると思う。

OKMusic編集部

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