【ライブレポート】T-BOLAN、「夏の
終わりに、お逢いしましょう!」

2019年9月からスタートした23年ぶりの全国ツアー<T-BOLAN 30th Anniversary LIVE Tour『the Best』~励~>のファイナル公演が6月15日、東京・昭和女子大学人見記念講堂で行われた。先ごろ公開した同公演のオフィシャルレポートに続いて、新たな写真を追加した詳細レポートをお届けしたい。
6月15日。昨年2018年9月から始まった約23年ぶりとなる本格的全国ツアー<T-BOLAN 30th Anniversary LIVE Tour「the Best」〜励〜>も、ここ昭和女子大学人見記念講堂でファイナルを迎える。
ほぼ定刻通りに客電が落ちると、ステージを覆っていた紗幕に映像が映し出された。人が持つそれぞれの個性をイメージさせるような、さまざまな色が白い背景に描かれていき、ときにそれらが混ざりあう。そして最後に、メンバー4人をイメージした色を中心に“励”の文字が彩られた。今回のツアーの発端であり、テーマとなっているその一文字でバンドの想いを伝えると、紗幕が切って落とされ、ライブは「Only Lonely Crazy Heart」で勢いよくスタートした。

青木の渾身のドラムに、五味の表現力豊かなギター。森友の歌とパフォーマンスは圧倒的な磁力があり、あっという間にオーディエンスを惹き付け、ひとつにしていく。1曲目にして早くも会場に大合唱が沸き起こる。間髪入れずに2曲目は「Bye For Now」。楽曲は時空を超える。それはこの日どの曲にも感じたことだが、1992年にリリースされたこの「Bye For Now」も全く色褪せることなく強い輝きを放っており、名曲、スタンダードの強さというものを改めて思い知らされた。
「逢いたかったぜ! ようこそ! 全国ツアーも今夜でラストです」──森友嵐士

森友が挨拶すると、“ラスト”という言葉に反応した会場から“終わらないでほしい”という願いを込めた「えー!!」という悲鳴が上がる。それに対して「いや、また次があるから。もう終わらない! 止まらない!」と森友。「去年の9月からスタートして、ここまであっという間でした。みんな集まってくれて、ありがとう! 今回いろんなところを廻りながら、再会の喜びを感じることができて、最高の時間を過ごすことができました。でも、俺達の再会の旅はまだ始まったばかりで、これからもずっとずっと続いていくから、どうぞよろしく!」。そして、こんなふうに続けた。「“励”、つながる力。上野も今、楽屋でスタンバってる。のちほど出てくるから、心配しないで」。
MC明けの「じれったい愛」では、先日テレビで企画・放送された番組『TTT-BOLAN』を本家本元の森友が実演。“じれったい”を“じれってぃー”、“うざったい”を“うざってぃー”と歌うたびにステージ上のダンサーと客席がTの字を表現する。こんな名曲でこんなに遊んでいいのか!? いや、楽しいからいいのだ。何より、20年以上待ち続け再会してくれたみんなを全力で楽しませたい、というバンドの気持ちがそこに溢れていて、“てぃー”に笑いながら、グッと来た。

アッパーな「悪魔の魅力」、情感たっぷりに届けられた「LOVE」と緩急つけながら、中盤では新曲「京恋唄」も初披露。揺らめくようなピアノから始まるこの曲は、切なく繊細で、なおかつスケール感もある壮大なバラード。音源化が待ち遠しい。
五味のギターと向き合うように歌い絆を感じさせた「Hold On My Beat」、アコースティックバージョンでじっくり聴かせた「マリア」を経て、五味がギターソロで会場を魅了……すると、客席にピンスポットが当たり、そこにはブルースハープを吹く森友の姿が! 彼は客席をゆっくり歩きながら、差し出されたたくさんの手にできるだけ多くハイタッチしていく。そんなサプライズにも森友のファンに対する感謝の気持ちが色濃く滲んでいた。

後半、「OK! ここで奇跡の男の登場です。最高に大きい拍手で迎えてやってくれ。T-BOLAN on BASS上野博文!!」。そんな森友の呼び込みで、上野がステージに現れた。「ヒ〜ロフミ!」というコールに手を振って応える上野。「みんな知ってると思うけど、くも膜下出血で一時は生死をさまようような状況でした。でも病院に担ぎ込まれてから1年。こいつは俺達の前に帰ってきてくれました!」。森友がこう言って、そこからは上野とともに曲を届けていく。
「Happiness」は文字通りハッピーな曲。青木が明るくパワフルなリズムを叩き出すと、上野は以前と変わらず少し足を開いた直立不動スタイルでベースを鳴らし、五味のギターは躍動感に溢れ、森友の歌はオーラを放ちながら、会場のテンションも温度もさらに上げていく。「刹那さを消せやしない」「SHAKE IT」で加速して、ラストスパート。本編ラストの「My life is My way」まで駆け抜けた。

アンコールでも上野とともに演奏。昨年リリースされた「Re:I」では石ノ森章太郎の作品「サイボーグ009」とコラボしたミュージックビデオがバックに流され、独特の世界観を生み出す。最後の「離したくはない」では客電が点く中、みんなが左右に手を振り、この日何度目かの大合唱となった。
改めて4人は感謝を伝え、T-BOLANのオフィシャルホームページ(ROAD MAP)用動画を森友のスマホで撮影し、ステージを後にしようとした4人。それでも拍手とアンコールは鳴り止まない。そこで急遽、バンド再始動にあたって4人で再会したとき最初に音を鳴らしたという曲「いじけた視線を君に送るより 光をみたい」を、五味のギターで森友が歌うという予定外のアンコールまで! 最高にして最幸の景色が広がった。

解散、再結成、活動休止を経て2017年に再び動き出し、そこから繋がった今回の約23年ぶりとなる本格的な全国ツアー。加えて、インディーズデビューから数えて30周年という節目でもあり、ツアータイトルにも“the Best”の文字があるように、名曲や大ヒット曲が惜しげもなく並ぶ、まさにベストな内容。それらはともすれば懐古的になる要素も持ち合わせているが、ライブは懐古的どころか終始、新鮮だった。それは楽曲達が今の彼らの気分に合わせてリアレンジされていたというのもあるだろう。が、それ以上に、メンバー自身、バンド自身が現在進行形で、前を見据えながら今を突き進んでいるからなんだと思う。
森友はアンコールで「Re:I」を歌った後、このように想いを伝えた。

「この旅はずっとずっと続けたいと思っている。そして、おまえらとはずっと再会し続けるからな。行けるよ、きっと、その先に…。この9月には2年ぶり、<夏の終わりに>ツアーを開催します。アコースティックでラブソングだけをやろうと今のところ思っています。また発表するから、夏の終わりにお逢いしましょう!」──森友嵐士 / 青木和義 / 五味孝氏 / 上野博文

T-BOLANの旅は、これからもずっと続いていく。

取材・文◎赤木まみ

■<T-BOLAN 30h Anniversary LIVE Tour「the Best」~励~>セットリスト

01. Only Lonely Crazy Heart
02. Bye For Now
03. じれったい愛
04. 悪魔の魅力
05. LOVE
06. わがままに抱き合えたなら
07. 京恋唄 ※新曲
08. Hold On My Beat
09. マリア ※Acoustic ver.
10. あこがれていた大人になりたくて
11. 愛のために 愛の中で
12. Happiness
13. 刹那さを消せやしない
14. SHAKE IT
15. 傷だらけを抱きしめて
16. My life is My way
encore
en1 Re:I
en2 離したくはない
W.encore
EN3 いじけた視線を君に語るより 光を見たい

▼T-BOLAN
森友嵐士(Vo)、青木和義(Dr)、五味孝氏(G)、上野博文(B)
【ツアーサポートメンバー】
人時 (ex. 黒夢 / B)、坪倉唯子 (ex. B.B.クィーンズ / Cho)


■<T-BOLAN LIVE HEAVEN 2019 夏の終わりに「Love Songs」〜Acoustic Live Tour〜>

9月5日(木) 広島・BLUE LIVE HIROSHIMA
open18:00 / 開演19:00
(問)夢番地 TEL082-249-3571(平日11:00~19:00)
9月6日(金) 大阪・Zepp Namba
open18:00 / 開演19:00
(問)サウンドクリエーター TEL06-6357-4400
9月16日(月・祝) 東京・Zepp DiverCity
open17:00 / 開演18:00
(問)ディスクガレージ TEL050-5533-0888
▼チケット
全席指定 10,000円(税込)
※全会場シーティング・全席指定
※未就学児入場不可
※入場時ドリンク代 別途必要
※チケット発売スケジュール等の詳細は後日発表


■番組『T-BOLAN 30th Anniversary LIVE Tour「the Best」〜励〜』

2019年8月放送予定
収録日:2019年6月15日
収録場所:東京・昭和女子大学 人見記念講堂
番組サイト: https://www.wowow.co.jp/t-bolan/

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