【インタビュー】First place、1stミ
ニアルバム完成「いろいろな恋愛と4
人それぞれの個性をギュッと」

First placeが6月5日、1stミニアルバム『L.D.Love』をリリースした。アニメ『名探偵コナン』エンディングテーマに起用された1stシングル「さだめ」から約10ヵ月、“平成最後の夏”にメジャーデビューを果たした4人組ボーカルグループから“新元号”となって届けられる新作は、さまざまな恋愛模様が詰まった“恋色多彩”なコンセプトミニアルバムだ。
2014年7月にKENTOとTAIHEIによって結成されたFirst placeは、以降、原宿や渋谷で800回を超えるストリートライブ開催。シンプルにしてストレートな歌声が幅広い世代に支持されている。ソロとしてはTAIHEIがファッション誌の『Popteen』イケメン総選挙で史上初の1000票超を獲得、1位に輝いたほか、KAITOは劇団ズッキュン娘主催公演『夢で逢いま笑』にて準主役を熱演するなど、活動展開も多彩。BARKSインタビュー初登場となる今回は、結成から現在までを振り返り、4人が『L.D.Love』に込めた想いをたっぷりと語ってもらった。

   ◆   ◆   ◆

■お巡りさんから“集団A”という呼び名を(笑)
■4人の人間性も鍛えられたストリートだった

──First placeは約5年前の2014年7月にKENTOさんとTAIHEIさんによって結成されたそうですが、当時はどんな活動を?

KENTO:僕がまだ19歳か20歳くらいで、TAIHEIが18歳とかで。なにせ若かったから、その頃はまだ夢も漠然としてました。原宿とか渋谷を中心に路上ライブを始めたんですけど、当時はそんなにやってる人がいなくて結構人だかりができてたんですよ。

TAIHEI:ボーカルグループっていうのも珍しかったのかな。その翌年にRYOMAさんが入ったんだよね。
▲RYOMA

KENTO:TAIHEIと組んで初めて出たライブにRYOMAがソロで出演していたんですよ。“歌が上手いイケメンいるなぁみ”たいな。楽屋でコミュニケーションを取る中で仲良くなって。もっと多くの人に僕たちのことを知ってもらうために何かできないかな?と考えていた時期だったので、RYOMAを誘ったんです。

RYOMA:「一緒にやろう」って言われて、勢いで「わかった!」と即答しましたね。その時の共演者の中でも彼らは一番お客さんを呼んでいたし、このメンバーならイケるな!と思って。

──その後、しばらく3人で活動を続け、KAITOさんが加入して現在の4人編成になったのが2017年のこと。

KENTO:TAIHEIがインフルエンザにかかって僕とRYOMAの2人で出たライブに、KAITOも出演していたんですよ。その時ってKAITOは高3だったっけ?

KAITO:そう、高3。

KENTO:「あいつの声、ヤバいな! なんていう声してるんだ!」ってRYOMAと話したのを覚えています。僕よりRYOMAのほうがKAITOの声に惹かれていたよね、「あの年であの声はスゴい!」って。

RYOMA:うん、直感でいい!と思いました。

KENTO:KAITOが組んでいたグループが、その日で解散するっていうことを楽屋で聞いて、ライブ後に一緒にゴハンに行ったんですよ。信号待ちしている時に僕が、勢いで「次のアテがないんだったら入る?」って声をかけたという。

──いきなりですか(笑)!?

KAITO:はい(笑)。

TAIHEI:インフルエンザで休んでいた僕はその翌日、「KAITOが入るかもしれない」って聞かされて驚きました(笑)。

KENTO:KAITOはもともと俳優もやっていて、グループ解散後は俳優をやるか、歌をやるか迷っている時だったみたいなんですけど。
▲KENTO

──勧誘の決め手になったのは何ですか?

TAIHEI:歌を聴く前は、そんなに期待しないでおこうって思っていたんですよ(笑)。でも、その対バンライブで彼らの歌を聴いた時“上手っ!”と思って。顔が良くて歌が上手い人って強いなと思ったし、輝いて見えたんですよね。加入することが決まってからは楽しみでしかなかったですね。

KENTO:僕とTAIHEIはわりと声が似ているんです。その中でも僕はちょっと中性的で、TAIHEIは透明感がある高い声。RYOMAとKAITOは力強い声で、RYOMAはエモーショナル、KAITOがハスキーなんです。4人とも声質が違うので、一曲の中で4度楽しめるみたいな。声のバランスがすごく良くなるはずと思ったのも誘った理由のひとつです。

──これまでに800回を超えるストリートライブを行ってきたそうですが、印象に残っているステージはありますか?

RYOMA:ライブを重ねていくうちに聴いてくれる人もどんどん増えて。ファンの人が暑い時には冷たい飲み物をくれたり、寒い時にはカイロをくれたり。そういうことは本当に嬉しくて、よく覚えていますね。

KENTO:言っていいのかわからないですけど、あまりにも人が集まり過ぎて、お巡りさんが止めに来たんですよ。僕らお巡りさんから“集団A”という呼び名をつけられてたようで(全員爆笑)。

──“少女A”ならぬ、“集団A”(笑)!! 犯罪者じゃないんだから(笑)。

KENTO:そうですね(笑)。

RYOMA:でも、警察の方も応援してくれていたんですよ。

──ストリートのライブで得たものもやはり多いですか?

TAIHEI:ライブハウスとは違って、ストリートは通りすがりの人の足を止めなきゃいけない。そういうときにどうするかというと、目を見て歌うと自分たちの心が届くのか、立ち止まってくれるんですよ。そういう力をすごく養うことができましたね。4人の人間性も鍛えられたストリートだったと思います。

RYOMA:人が集まると、それは同時に自分たちの自信にもなりましたし。
■互いのプラスポイントを足し引きしながら
■いろいろ挑戦できた7曲です

──ファンの方々も昨年8月のメジャーデビューはすごく喜んだんじゃないですか?

KENTO:そうですね。実はデビュー発表は、僕ら自身もサプライズだったんです。自分たちで渋谷duoを押さえて、そこで事務所所属を発表するためのライブを企画したんですね。

TAIHEI:アンコール前だっけ? スクリーン上で“事務所所属”を発表した次の瞬間、“そして……メジャーデビュー決定!”ってボーンと出て。

KAITO:事務所スタッフさんが僕たちへのサプライズとして用意してくれていたみたいなんです。その瞬間、4人ともステージ上で泣き崩れて。

RYOMA:信じられなかったです。夢なんじゃないかなって。

KENTO:メジャーデビューしたいという夢を持ちながら路上ライブをやっていたから、本当に夢と現実が交差して何が起こっているのか分からない感じでしたね。

TAIHEI:泣き過ぎたことで、ライブが30〜40分ぐらい押しちゃって、後で怒られた気がする(笑)。
▲TAIHEI

──そしてデビューから10ヵ月、1stミニアルバム『L.D.Love』がリリースされます。本作はいろんな“LOVE”が詰まった“恋色多彩”なコンセプチュアルミニアルバムだそうですが。

KENTO:タイトルの“L.D.Love”は“Long Distance Love”の略で、“遠距離恋愛”の意味があるんです。いろんな恋愛の曲がぎゅっと詰まっていて、4人の個性も存分に生かした作品になっています。

KAITO:First placeらしさのある曲から、今まで歌ったことがないような曲にもチャレンジしているんですよ。

──今回のミニアルバムのレコーディングはどうでしたか?

RYOMA:自分のダメなところや苦手なところが明確に見えたレコーディングだったなと思います。

──というと?

KAITO:自分の声を客観的に聴くことで謙虚になれるというか。それに一人ずつ録っていく中でメンバーの良いところも苦手なところもわかる。だから、お互いのプラスポイントを足し引きしながらいろいろ挑戦できましたね。レコーディングが一番、歌が上手くなるなと思います。レコーディングって楽しいよね?

TAIHEI:楽しいね! 永遠にレコーディングしていてもいいなって思ったぐらい楽しかった。

KENTO:うん。デビューシングルから成長したと思ってもらえるように頑張って取り組んだので、聴いてくれた人の反応が楽しみですね。
▲KAITO

──それぞれ特に思い入れのある曲やお気に入りの曲はありますか?

RYOMA:強いて挙げるとすると僕は「青」かな。マスタリングを終えて最終段階のものを聴いた時に“すげえいいな!”と思ったんですよ。どこか懐かしく心にグッとくるような感じ。ぜひ卒業式の合唱曲として歌ってもらいたいくらいの曲になりましたね。

KENTO:苦労したという意味では「ending dream」で、一番好きな曲は「My Girl」ですね。「ending dream」はAメロからKAITOと一緒に歌っているんですけど、スピード感あって言葉数も多いから、つまづいちゃうところがあったんですよ。しかも2人で歌うから、1人がミスるとKAITOにも迷惑かけちゃう。そこはすごく苦労したんですけど、自分とKAITOの声は全然違うのに重なるとすごく良くなるっていう発見もできました。

──そして一番好きな曲は「My Girl」。

KENTO:First place初のサマーソングなんですよ。メロディがキャッチーでハッピーで、気持ちをアゲてくれる曲になりました。

KAITO:そうだね。サマーソングだけど、そこまでぶちアゲ曲ではなくてオシャレな雰囲気だよね。First placeらしい曲の伝え方ができているなと思います。

KENTO:「My Girl」の聴きどころは最後のサビですね。転調するんですけど、KENTOとTAIHEIが一緒に主メロを歌っていて、KAITOは裏メロ、リーダー(RYOMA)はひたすらフェイクをしている。4人の声がガッと合わさって盛り上がっている感じがすごく楽しいです。

──ライブでも盛り上がりそうですね。KAITOさんの思い入れのある曲は?

KAITO:「Be the Fighter」は僕が作詞したんですけど、このミニアルバムの中では唯一の応援ソングなんです。“Be the Fighter”って、“戦え”とか“戦士になれ”っていう意味で、恋愛の曲として捉えてもらってもいいし、仕事とか趣味とか夢に向かって一つの大きな目標がある人にも届けばいいなと。恋愛がコンセプトの作品の中にこういう曲があっても面白いですよね。この曲には“本末転倒”や“取捨選択”という四字熟語をパワーワード的に入れてみました。
■聴く人それぞれ、自分の恋愛と
■照らし合わせながら聴いてもらえたら

──TAIHEIさんのお気に入り曲は?

TAIHEI:もちろん全部お気に入りなんですけど、まだ挙がってない曲で言ったら、KAITOが作詞してる「L.D.Love」ですかね。First placeではやったことないタイプのパーティーチューンで、KAITO先生がすごく前向きな歌詞を書いてくださって(笑)。本当にノリがよくて歌いやすいし、ライブで披露するのが楽しみです。

──歌詞はどんな気持ちで書かれたんですか?

KAITO:遠距離恋愛の歌詞なんですけど、悲しいとかつらいとかっていうマイナスな感情じゃなくて、“2人で頑張って乗り越えていけばいいじゃん! こういうスパイスもあったほうが恋愛って燃え上がるじゃん!?”みたいな前向きな内容なんです。たとえば“愛の挑戦状”とか“恋愛優秀賞”とか“愛の持久走”とか、パワーワードもいろいろ入れてみました。「瞬間≒FOREVER」も遠距離恋愛の曲ですけど、「L.D.Love」とは違う捉え方で聴ける曲になっているので、照らし合わせていただけたら面白いと思います。

TAIHEI:「L.D.Love」はコーラスが少し変わっているんですよ。みんなで曲を聴いてる時に、「この曲は、沖縄でミュージックビデオ撮ったらめっちゃいいよね!」っていう話になって、そうしたらボーカルディレクションの方が「沖縄っぽいコーラス入れてみようよ」って沖縄民謡みたいなメロディーコーラスを作ってくださったんです。歌ってみたらすごくハマっていて、採用になりました。

KENTO:さっきの“俺とKAITO君の声”の話じゃないけど、コーラスで曲の雰囲気が変わるんだなっていう発見がありましたね。

──では改めて、『L.D.Love』は聴く人にどんなふうに届くことを願っていますか?

RYOMA:“恋色多彩”がコンセプトのミニアルバムなので、聴く人それぞれ、自分の恋愛と照らし合わせながら聴いてもらえたらいいかなと思います。

KAITO:自分たちが今まで歌ってこなかったような曲も盛り込んでいるので、いろんな世代の人に届けたいミニアルバムになったと思います。

TAIHEI:聴いていて絵が浮かぶ曲が多いと思うんです。トラックはもちろん、コーラスや自分たちの声をミックスしたり工夫して完成してるんだよ、っていうこともファンの方には知ってほしいなって。それを知っていただくことでより歌が届くのと思うので。

KENTO:1stシングル表題曲「さだめ」も収録しているんですけど、これは『名探偵コナン』のエンディングテーマに起用されたものであり、僕たちにとってすごく大切な曲なんですね。初回限定盤Bのほうに「さだめ」のミュージックビデオと、デビュー当時のリリースイベントやワンマンライブの映像、あとフォトブックレットも入っているので、ある意味では2018年の思い出が凝縮されているんですよね。もう一方の初回限定盤Aにはできあがったばかりの「瞬間≒FOREVER」のミュージックビデオとメイキングが入っているので、デビュー当時と今現在の成長具合を比較しながら楽しめるかなと。通常盤も含めて3枚ともジャケットが違うので、ぜひファンのみなさんにはコンプリートしてほしいですね。

取材・文◎牧野りえ
■1stミニアルバム『L.D.Love』

2019年6月5日(水)発売
【初回限定盤A (CD+DVD)】
JBCZ-9100 2,500円+税
DVD:「瞬間≒FOREVER」Music Video(新曲)+Making
【初回限定盤B (CD+DVD+PHOTOブックレット※28P予定)】
JBCZ-9101 3,241円+税
DVD:「さだめ」Music Video+First place 2018映像
PHOTOブックレット:『First place2018 さだめの軌跡』
※PHOTOブックレットをWEBで楽しめるシリアルコード入り。写真数点の中から1点DLいただけます。
※三方背ケース
【通常盤(CD)】
JBCZ-9102 1,944円+税
▼収録楽曲 ※全7曲収録 ※曲順不同
・瞬間≒FOREVER
・さだめ ※読売テレビ・日本テレビ系全国ネット放送『名探偵コナン』エンディングテーマ
・L.D.Love
・My Girl
・ending dream
・Be the Fighter
・青


■ライブ&イベント情報

▼<SWISH TOUR 2019 〜Spring Edition〜>
4月06日(土) LIVE ROXY SHIZUOKA
4月20日(土) 仙台Rensa
4月29日(月)名古屋ダイヤモンドホール
▼<Good Night Kiss vol.3>
4月09日(火) Shibuya duo MUSIC EXCHANGE

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