LM.C 最新アルバム『FUTURE SENSAT
ION』ツアー完遂、今秋のツアー開催
を発表

LM.Cが、最新アルバム『FUTURE SENSATION』に伴う全国ツアーの第二弾『TOUR 2019 NEW SENSATION』のファイナル公演を5月26日、白金高輪SELENE b2にて開催。そのオフィシャルレポートが到着した。

眩しいほどに鮮やかで、どこまでも純粋な音たちが、今宵その空間にはとめどなく鳴り響いていたのだった。
先だって、5月25日~26日にわたり白金高輪SELENE b2での2デイズ公演をもってしめくくられたのはLM.Cによる『TOUR 2019 NEW SENSATION』である。3月末から始まっていたこのツアーは、彼らが昨夏に発表した最新アルバム『FUTURE SENSATION』にともなう“ふたまわり目”のツアーで、彼ら自身にとってはもちろんのこと、参加するオーディエンス側にとっても、より深いかたちで『FUTURE SENSATION』の世界へ没入していくことが出来る場、となっていったと言えるはず。
ちなみに、あまりの盛り上がりぶりから急遽フロントマン・mayaの独断により予定外の3曲までもが追加演奏されることになったという、前日公演の興奮がまだまださめやらぬ中で行われたこの“本当のツアー最終日”は、LM.Cがここ1年ほどをかけて追求してきた次なる未来のかたちが、いよいよ具現化されたライブとなっていたように思えてならない。
なにしろ、アーティストとしての限りなくリアルタイムな意思が詰め込まれている「In Future,New Sensation」でmayaがポエトリーリーディングを展開しながらこの夜のライヴを幕開けさせたあと、LM.Cがその次の一手として持ってきたのはなんとミッドテンポの中で人と人との出会いと別れが交錯するさまを描いた「Intersection」だったのだ。
いわゆる定石からいけば、ライブの冒頭セクションではアッパーなタイプの曲たちで景気付けをすることも多いLM.Cが、敢えて『FUTURE SENSATION』の中でも“聴かせる系の楽曲”をいきなり持ってきたという事実は、彼らが今ツアーを経ていかにライブバンドとしてのさらなる自信と説得力を獲得してきたのか、ということを意味していたように感じる。
LM.C
「Tokyo、今日は2日目でツアーファイナルです。楽しむ準備は出来てますか! 俺たちを楽しませてくれる準備も出来てる? 最高の瞬間を重ねていきましょう。共に〈最高の冒険体験〉をしに行きましょう!」
と、歌詞の一部を組み込んでの曲紹介を受けて始まったのは、ギタリスト・Aijiが牽引するかたちでLM.Cとしてのヘヴィネスサウンドを新たに開拓した「Virtual Quest」で、本来であれば相反しそうな“いなたさ”と“疾走感”を絶妙に同居させながら聴かせるこの曲もまた、今現在のLM.Cだからこそ体現できるものであったと筆者としては確信する。
また、今ツアーについては曲によりBGVが効果的に駆使されていた点も演出面での新機軸といえ、聴覚のみならず視覚の面からも『FUTURE SENSATION』が内包する熱量をダイレクトに感じられた点は、受け手側にとってよりライブに対しての没入感が増していた印象が強い。

LM.C
さらに、今回のツアーではライブ中盤にて2010年にシングル曲として発表された「GHOST†HEART」と、最新作『FUTURE SENSATION』に収録されている「Hollow Hotel」という、LM.C流の新旧ファンタジックゴシックホラーチューンが連打された一幕も実に興味深く、ここでは彼らがここまでに変わってきたところと、良い意味での相変わらずな部分の両方をそれぞれに楽しむことが出来た。
かと思えば、胸に迫るようなメランコリズムが切々と炸裂する「Nothing」や、スケール感と深さのある音像で描かれる秀逸なバラード「Twinkle Star」では表現者・LM.Cとしての本領がいよいよ発揮されることとなり、ただ騒いでハシャげればOKというラフな次元とは全く別の、心ゆくまでLM.Cの世界に耽溺することの出来る完全空間がそこには拡がってくことに。
LM.C
ただし、LM.Cのライブといえば居合わせる全ての人々が最終的にはハッピーでポジティヴな気持ちになれる場であることも間違いない事実で、「We are LM.C!!~The Anthem of Strong Pop~ 」を皮切りとした後半戦での畳みかけ方にも尋常ならざるパワー感が音にもパフォーマンスにも目一杯漲っていたと言っていい。『FUTURE SENSATION』の中におけるリードソング「ChainDreamers」しかり、近年のライブを通して無敵の鉄板曲へと成長した「The BUDDHA」しかり、極彩色ダンスナンバー「Chameleon Dance」しかり。 LM.C の呈示する音には、臨する者の心身を解放するような魔法が宿っているのかも…?
「楽しいなぁ! これだから、LM.Cがどんどん大好きになっちゃう(笑)。今夜はもう1曲ここでやらせてもらいたいんですが、この曲を世に放ってから10年が経ちました。このあいだ、打ち合せがあったんですけどね。そこではここから15周年の節目にかけてやりたいことを、全部言ったんですよ。ちょっと気が早いかな?でも、そうやってあれもやりたい、これもやりたいって思える現実が10年前、あるいはLM.Cが始まった当初の13年前から続いていることが本当に幸せだなと思います。というわけで、そろそろ15周年というものが見えてきたので、ここから皆でそこに向かって行きましょうね。これからも、よろしくお願いします!それじゃあ、今やリリースした頃以上にLM.Cにとって凄く大切な曲をやらせてもらいます。俺たちの志!「PUNKY▼HEART」!!」(※▼=ハートマーク)
LM.C
<煌めく思い出と変わらない想いは 時が過ぎても色褪せることはない>
10年前に発表された楽曲でありながら、今このタイミングで聴いても“ここからに向けたひとつの宣言”としてこの曲を聴けるという事実が意味するものは、おそらくLM.Cと彼らを愛する人々にとって相当大きいのではなかろうか。
なお、7月30日にはmayaの降誕祭ライブ『mayaの王様ナイト』が2年ぶりで渋谷・TSUTAYA O-EASTにて行われるほか、秋からはリリースなどに縛られない自由なスタイルの『LM.C Club Circuit'19 -Autumn-』も控えているというLM.C。mayaとAijiのふたりには、これからも眩しいほどに鮮やかで、どこまでも純粋な音たちを、思い切り自由なかたちでとめどなく鳴り響かせ続けていって欲しい。
文=杉江由紀

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