【速レポ】<MUSISION FEST>浜端ヨ
ウヘイ、「今日は大きな声で歌おうと
思います!」

サウンドチェックのときから楽しげに、観客とのコール&レスポンスを繰り広げていたのは、浜端ヨウヘイ
今年1月に、寺岡呼人プロデュースによるシングル「カーテンコール」でメジャーデビューを果たした彼は、ギターもピアノも奏で歌う、シンガーソングライターだ。そして、身長192センチという長身は、こうした野外での大きなステージでも抜群に映える。

アコギをつまびきながら「いい風ですね。のんびりやりましょう」と1曲目に選んだのは、「ただそれだけのうた」。角のないソフトな歌声が、午後のひと時を包む。エモーショナルな高音ボーカルが、風にのって会場の外にまでも広がっていき、心地いい。大きく、遠くまで響くような歌声であるけれど、同時に言葉やメロディのひとつひとつをとても大事に抱きしめるようにも歌ってもいる。その彼の真摯な歌を、観客は前のめりになって聴き入っている。
続く曲は「タイトル未定」。もともと別の曲をセットリストに入れていたが、会場の雰囲気を見て急遽、こちらの曲に変更したという。イントロのギターをかき鳴らすと、会場から自然に手拍子が起こり、そのノリに合わせるように浜端は表情豊かに歌を歌う。狭い部屋で生まれたこの曲が、あの空の向こう側の君の街まで届くようにという内容の歌だが、野外ライブという空の下(屋根はあるものの)で歌うのにピッタリだ。続いての曲「無責任」は、ピアノでの弾き語り。歌詞に込めた思いやビブラートを活かし、寄り添う伴奏で、“大丈夫さ、だから笑っていて欲しい”と何度も何度も繰り返すこの曲に、徐々に観客もヒートアップして大きな歓声を巻き起こした。

会場を嬉しそうに眺めた浜端は、「どうもみなさん、あれ(アルコール)がまわってるようですね。僕も盛り上がっていきたい」と言って鍵盤に指を滑らせて、陽気なフレーズの乾杯ソング「BELONG-BELONG」で、観客をさらなる熱気に巻き込んでいく。浜端も椅子から立ち上がってダイナミックに演奏しながら、コール&レスポンスを煽るなど、会場と盃を交わすように掛け合いが見事だ。
「ミュージシャン同士で集まると、誰かがギターを弾き出したり、すぐに歌がはじまるんです。だから防音の部屋で暮らすのは夢ですね」というMUSISION FESTにちなんだMCも忘れず、「今日は大きな声で歌おうと思います!」と宣言してからの、アグレッシヴな「スーパーマン〜ミラーボール」のメドレーに会場の歓声も最高潮となった。

終盤は語りかけるように歌う「MUSIC!!」、そしてメジャーデビュー曲「カーテンコール」を披露。「令和へと変わった、こういうタイミングを機に、いろんなことがはじまっていけばいい。ひとつの時代の終わりは、新しい時代の幕開けですという曲があります」と歌った「カーテンコール」は、儚くも愛おしい人生を感じさせる、抑揚のあるボーカルがドラマティックだ。観客はその歌を体に染み入らせるように静かに聴き入って、拍手喝采で彼を見送った。

【終演直後の楽屋裏ミニインタビュー】

──まずはステージを終えての感想を聞かせてください。

浜端ヨウヘイ:想像以上に気分が良いですね。屋根があるおかげで日差しもさえぎられて、時折気持ちいい風が吹いてきて。「気持ちいいわ」と思いながら演奏していました。お客さんも一緒だったらいいなあ、と。

──今回は野外ライブということで、セットリストはどういうイメージで組みましたか?

浜端ヨウヘイ:2曲目に演奏した「タイトル未定」は、もともとちがう曲を準備していたんですけど、今日会場に来てみて変更をしたんです。のんびりした曲なので、ここに合うかなと思いましたね。周りにかっこいいバンドがたくさんいるので、今回はあえてアコースティックでゆったりめで聴いてもらおうかなと思ったんですけど。お客さんも多分気持ちよく飲みながら聴いていたと思うので、意外とノリノリになってたところもあって。持ち上がりすぎたかなと(笑)。

──そんなことないですよ。こうしたイベントだと初めて観るお客さんも多いと思うのですが、お客さんと掛け合いややりとりをしながら盛り上げるのがとてもお上手ですね。そういったコミュニケーションは、どうやって培ってきたのでしょうか。

浜端ヨウヘイ:とにかくライブは、小さいライブハウスから大きな会場までたくさんやってきたと思うので。今日みたいに顔が見える距離にお客さんがいたら、ついイジるじゃないですけど、触れ合うことで一緒に演奏している気持ちになるかなと思うんです。今日はそういうライブになったらいいなと思いながらやっていたので、予定通りと言いますか。みなさんビール片手に、酔っ払って盛り上がってくれたり。子どもたちも途中で踊りまくったりしてくれたりと、嬉しかったです。音が鳴っている環境って大事ですよね。例えばこれがコンサートホールやライブハウスだったら、子どもたちはあそこまで元気に踊ったりできなかったかもしれない。こういうオープンな場所でのライブだからこその時間だったかなと思います。

──デビューシングル「カーテンコール」をこうした場所で、しかも音源とはちがった弾き語りという形で聴いて、改めていい曲だなと思いました。野外で歌うとやはりご自身の感触もちがうものですか?

浜端ヨウヘイ:野外は声がどこまでも飛んでいくような気がしていて、声をついつい張っちゃうんですけど、今日は飛んでいってもいいやと思ってのびのびと歌わせていただきました。

取材・文◎吉羽さおり
写真◎釘野孝宏

セットリスト
1.ただそれだけのうた
2.タイトル未定
3.無責任
4.BELONG-BELONG
5.スーパーマン~ミラーボール
6.MUSIC!!
7.カーテンコール
<MUSISION FEST 2019>
2019年5月25日(土)
@上野恩賜公園(うえのおんしこうえん)
自由席 4,000円(税込)・当日4,500円(税別)
開場/開演:12:00/13:00
出演(順不同):The Cheserasera音速ライン浅草ジンタ、浜端ヨウヘイ、関取花、kitri、フラチナリズム、MAISON“SEEK”

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