嫉妬されてるのにされるべきだなんて…コレがヒッキーのマイ・ウェイ

嫉妬されてるのにされるべきだなんて…コレがヒッキーのマイ・ウェイ

嫉妬されてるのにされるべきだなんて
…コレがヒッキーのマイ・ウェイ

ミスマッチの先にあるもの
マスコミ試写室で映画「パラレルワールド・ラブストーリー」(Kis-My-Ft2の玉森裕太主演)を見て参りました。単刀直入で言うなら、この主題歌は映画の内容と楽曲の空気が全く合っておらず、ミスマッチだと感じさせられてしまった。
当然ながらオファーがあって、ヒッキーは了解したのでしょうが…。今回は、書き下ろし曲ではなく、既発曲を差し出してしまった形です。
しかし、彼女には映画の内容は当然分かっていたはず。それに、今作は東野圭吾の原作ミステリー作品。この種の映画で言われる「映像化できないのではと」という常套句が駆使されている作品。
そもそもこういった楽曲提供の場合ほとんどが、曲提供アーティストが仕上がった映画を見ていない段階で、曲を提供するというのが一般的でセオリーになっています。
だから、ヒッキー的には、映画の原作か台本を見て、映画に合っていそうな曲をチョイスし、提供するハズなのですが…。
究極のラブストーリーにこそふさわしいこの楽曲『嫉妬されるべき人生』は、東野圭吾原作ミステリー映画とはどうしてもかみ合わない内容になってしまっています。
ヒッキーと東野圭吾のサプライズ
東野圭吾ミステリーと言えば、福山雅治が主演した「容疑者Xの献身」を見るまでもなく、本格ミステリーです。
SF系のスタイルを採っているとはいえ、論理的に決着するタイプのミステリーです。では、彼女は内容を吟味することなく、ただ単にありあわせ・間に合わせの曲を適当に提供したのでしょうか。
いや、それは違うと思います。
本人に聞いてみないことにはもちろん分からないんだけど、映画の主人公の心理に入ってみて、考察したことはあるかもしれない。主人公は、歌詞のこんなところを、理想としていたのではないかと見られるのです。
嫉妬されるべき人生
詠み込んだのは、愛だ!しかし、映画を結末まで見れば、映画と主題歌の間にかなりの差異が見られます。
でも、まあ、そんなことどうでもいいじゃんと、見過ごせる方が多数でしょうから、余計なくちばしは挟まずに横に置いておきまして、歌そのものを見ていきましょう。
ヒッキーのソングライティングとしては、初めて母(藤圭子)の死が出てきます。
ヒッキーが大ブレイクしたことは、誰もが知っています。大ブレイク後の楽曲をどう作り出していくのか、売れたプレッシャーとはまた違ったスタンスが求められる、厳しい立場にいたことでしょう。
そのイロイロや悩みは、大ブレイク後、私生活や音楽活動においても、ココロのブレや揺れがいくらか見受けられました。しかし、この歌でのヒッキーは、ある種の悟りとも言うべき境地に達しており、歌詞でも下記のように示しています。
老成された人生観。こんなのを若くして詠い込んだアーティストは、ビリー・ジョエル以外はおらず、彼女だけだと思う。
愛を歌に詠み込む
そして、おのが人生にまで言及している。愛の普遍的なフォーエバー性にも言及。愛に帰結するラブソングの在り方が、歌ものの王道かもしれない。しかし、愛には多彩な括りがある。
愛だけを語る歌ならいくつもあった。けども、彼女の人生は、晩年を迎えてるわけじゃないんです。あくまで人生半ば前。これからの方が長いんですよ。
映画主題歌提供も、そのほんの一過程にすぎない。元夫が監督した映画「キャシャーン」でも、メッチャなミスマッチぶりの主題歌提供をしたヒッキーなだけに、むしろ本曲の方が曲提供の正統派ぶりを示していたように思います。
愛を歌に詠み込むゆるぎない想い。そんなキモチがひしひしと伝わってくる歌でした。
Text 宮城正樹

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