裏切りだらけの世界でも生き続けたい。家入レオの今までとこれから

裏切りだらけの世界でも生き続けたい。家入レオの今までとこれから

裏切りだらけの世界でも生き続けたい
。家入レオの今までとこれから


17歳現役高校生シンガーとして、2012年にメジャーデビュー。
その年の「第54回日本レコード大賞」での最優秀新人賞をはじめ、多くの新人賞を受賞しました。
その後はドラマやアニメなどの主題歌を担当し、デビュー5周年の時には日本武道館公演を成功させています。

自身の作詞から共作、楽曲提供へ
デビューしてから1stアルバムまでは、全ての作詞を彼女自身が行っていました。
2ndアルバムからは、彼女が通っていた音楽塾ヴォイスの主宰・西尾芳彦さん、元Superflyの多保孝一さん、jamさんとの共作曲が加わるようになります。

そして、日本武道館をきっかけに「全部、誰かに委ねたくなった」と語り、尾崎雄貴さん、杉山勝彦さんからの楽曲提供による活動も増えています。

自身作詞曲は、深い洞察力で描く
迷いのない視線と、凛とした佇まいが印象的ですが、強さだけではない達観した視野を持っていることが、彼女の作詞曲から知ることができます。

「サブリナ」

画像引用元 (Amazon)

デビュー曲「サブリナ」は、「本当の愛」がテーマの楽曲で、アニメ「トリコ」のエンディングテーマでした。
サブリナは、彼女が幼少期に観た映画「麗しのサブリナ」に由来していて、歌っている際に口からでた「サブリナ」も、この楽曲のテーマと似ていたため、そのまま使われたのだそう。

人を信じることが怖くなる。
そういう経験をしたことがある人は少なくないでしょう。
傷付くたびに自分を守る殻は分厚くなり、誰も信用できなくなる人もいるでしょう。

この曲の主人公・サブリナもまた、裏切られて心をすり減らしていきます。
ただ、彼女はそれでも、愛を求めることを止めません。
ひたむきな彼女の姿に、現代社会のリアルさを感じます。

家入レオさんは中学3年生のときに、同級生の言葉をきっかけにこの曲を作詞したそうです。
物事を俯瞰して見る冷静さを、この頃からすでに持ち合わせているんですね。
そして、「サブリナ」という人物を登場させることで、その同級生のことだけを歌ったのではなく、同じ想いを抱える人みんなの歌であるというメッセージも込められています。
みんながあなたの味方という表現をするところに、思いやりの深さを感じます。

「TOKYO」

画像引用元 (Amazon)

昨年にリリースされた5thアルバム「TIME」の収録曲です。
主人公の生きている世界は、「サブリナ」の頃とさほど変わりません。
騙されたり、愛されなかったりして傷つく「私」がいます。
しかし、デビューして6年が経ち、社会を見てきた彼女の結論は、とてもポジティブなものでした。

「東京」と明確な言葉で世界を表現することで、主人公の意志の強さを感じることができますね。
▼UtaTenでは、アルバム「TIME」リリース時のインタビューを掲載しておりますので、こちらもぜひご覧ください。
【インタビュー】家入レオ5枚目のアルバム『TIME』は “愛”とは何かを教えてくれた。

提供曲を歌うことで、深みを増した
デビュー5周年を迎えた2017年に行った日本武道館公演をきっかけに、全部を誰かに委ねたくなったと語る彼女は、ボーカルに徹する楽曲をリリースすることになります。
▼詳しくは、UtaTenで行ったインタビューをご覧ください。
【インタビュー】ニューシングルは深い恋愛ソング!本人と一緒にいろんな角度から家入レオを楽しんで!
「もし君を許せたら」

画像引用元 (Amazon)
昨年のドラマ「絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜」主題歌に起用されたこの楽曲は、すでに13thシングル「ずっと、ふたりで」などでタッグを組んでいる杉山勝彦さんが作詞を担当し、作曲はJazzin'parkが手掛けています。

愛していた人と別れた後の喪失感は、幸せだった分その反動は大きいです。
その人と過ごした時間がぽっかりあいてしまうと、何かで埋めないと自分を保てない。
そうなったとき、すぐ埋められるものは憎悪。
あんなに愛していたのに、自分の時間を犠牲にして一緒にいたのに、といった気持ち。
でも、それには終わりがありません。
その憎しみや悲しみを整理しないことには、どこにも行けないからです。

この曲の主人公は、たくさん愛し、悲しみ、憎み、暗い場所で自分の時間を止めたあと、ようやくひとつの光を見つけます。

愛していた人のことで頭がいっぱいだった日々が終わり、誰かを愛せる日がくるだろうかと思えるようになった。
そのあとに再び「どうしてまだ…」と苦悶してしまいますが、一度、未来を垣間見ることができたなら、一歩前に踏み出せる日はそう遠くないのではないでしょうか。

▼なお、UtaTenにて当時のインタビューを掲載中です。こちらもぜひご覧ください。
【インタビュー】家入レオ、愛と復讐心の間で生まれる“虚無”を歌った『もし君を許せたら』を語る
「この世界で」

画像引用元 (Amazon)
この曲は、今年2月に公開された映画「コードギアス 復活のルルーシュ」のオープニングテーマです。
彼女にとって初の映画タイアップ曲となりました。
作詞・作曲は、尾崎雄貴さん(ex Galileo Galilei、現Bird Bear Hare and Fish)が担当しています。

「コードギアス」は、特殊能力「ギアス」を手にしたルルーシュ・ランペルージが、世界唯一の超大国「神聖ブリタニア帝国」への反逆を行うロボットアニメシリーズ。
ガンダムシリーズなどで知られるアニメ制作会社・サンライズによるオリジナル作品で2006年から2008年まで放送され、9年後の2017年に劇場版3部作として、新規アフレコによる再編成により制作、公開となり、その続編として新しく制作されたのが、映画「コードギアス 復活のルルーシュ」になります。

この曲でも、主人公は周囲に騙され傷けられます。「サブリナ」では町中の人に、「TOKYO」では東京中に、「もし君を許せたら」は愛していた人に、そして「この世界で」では世界に裏切られてしまいます。
しかし、この曲にあるのは、絶望でも、憎しみでもなく、一種の切なさのように感じるのは、「愛」というワードが入っているからかもしれません。


欺かれたのはあくまで「世界」であって、身近には自分を愛してくれる存在がいる。
だから、傷付けられても、立ち向かっていける。
そんなメッセージが込められているのではないでしょうか。

彼女はこれからも歌い続ける
5月からは全国ツアー「家入レオ 7th Live Tour 2019 ~DUO~」がスタートし、ますます活動が拡大していく彼女のこれからに期待です!
家入レオ 公式サイト
TEXT 和泉茉莉

UtaTen

歌詞検索・音楽情報メディアUtaTen

新着