R&B・ソウル界の希望、Nao Yoshioka

近年の欧米音楽シーンを客観的に見たとき、最も大きな変化のひとつは「アジア人に対する門戸の広がり方」でしょう。メインストリームではBTSがビルボード総合チャート1位を獲得し、アンダーグラウンドなシーンでは88risingの面々が大活躍中です。実力さえあれば、もはや世界は遠くない。日本人アーティストで言えば、starRoが第59回(2017年)のグラミー賞でノミネートされていますね。

オーセンティックなR&B・ソウルシーンにおいて、いま最もグラミーに近い日本人アーティストがNao Yoshiokaでしょう。3枚目のフルアルバム『The Truth』のリリース以降、彼女はアメリカに拠点を移し、現在も精力的に活動しています。『The Truth』はアメリカでも高く評価され、収録曲「I Love When」がビルボードのUrban Adlut Contemporaryチャートで最高32位を記録しました。
Nao Yoshioka – 「I Love When」

更には米国版ローリングストーン紙のレビューで「非の打ちどころのないネオソウル」と評価され、同ジャンルの日本人としては異例の評価を受けています。“ネオソウル”というとディアンジェロやマックスウェル、ジル・スコットなどが想起されますが、この界隈で日本人がグローバルに表立った評価を受けるのは極めて稀。実際、今までのところR&B・ソウルの部門で日本人がグラミー賞を受賞した例はありません。ノミネートすらも未踏の領域です。それゆえ、ローリングストーン紙クラスの権威に“ネオソウル”として評価されるというのは、快挙・オブ・快挙なのであります。シンガーならば誰もが崇拝するエリカ・バドゥやディアンジェロの背中が見えてきた。ちなみに以下はUrban Adlut Contemporaryチャートにランクインした時のラインナップ。
…半端ない。上を見るとThe Weeknd、下を見るとジョルジャ・スミス。週替わりで変動するチャートとは言え、この並びに入る難易度たるや。Nao Yoshioka本人の功績として立派なのは言うまでもありませんが、この事実は後続の日本人アーティストにとっても非常に意義深いことだと思います。

ここまで来たからには、本気でグラミー
を狙いたい。

最高峰が見えてきたとあっては、登らない手はないわけです。Makuakeで、3月26日から5月30日までの期間で、Nao Yoshiokaの新作制作のためのクラウドファンディングがスタートしました。Co-ProducerやSongwriterの形で裏方として楽曲の制作に関わることにも注目されている(Spotifyが楽曲のクレジットを公表するなど)現在、その延長に不特定多数から支援を募る方法論があるのは自然なことではないでしょうか。たとえば今年の3月にリリースされたSolangeの新譜『When I Get Home』は、そのような他者性を最大限活かした作品だと思います。内容がそもそも年間ベスト級の素晴らしさでしたが、クレジットされている名前(Panda Bear、デヴ・ハインズ、ファレル・ウィリアムス…etc)でも界隈は大盛り上がりであった記憶があります。つまり、姿を見せずに他者の作品へ介入する(される)ことがステータスとして認められるケースは、近年増えてきているのではないかと思うわけです。実際、自分が支援したアーティストが全世界に注目される超絶ステージに立つことを想像すると身震いしませんか。“and the Grammy goes to…”の後に、愛するアーティストの名前が続く未来。…死んでしまうかもしれない。

クラウドファンディングのリターン内容や諸々の詳細はコチラからご確認を。以下は2016年のUSツアーの模様です。
Nao Yoshioka US Tour 2016 Short Documentary

ここまで読んでくださった方はきっとこの動画も観てくれるに違いない。どうぞご覧ください。余談ですが(余談でもないですが)、こちらは「Capital Jazz Fest 2016」の映像です。同フェスにはレイラ・ハサウェイやマーカス・ミラーといった、まさしくグラミー受賞者も多く出演しています。今年はグレゴリー・ポーターやジョージ・クリントン(!)もラインナップされていますね。グレゴリー・ポーターは観たいですねぇ。
Gregory Porter – 「Holding On」

話を戻しましょう。Nao Yoshiokaのグラミー受賞。絵空事でなく、リアルな未来として想像できる段階までは来ていると思います。個人的な願望を言わせてもらえば、本会を果たしたあかつきには今よりも更に海外のフェスティバルやライブイベントに呼ばれ、あわよくば日本で大々的な凱旋イベントを開催していただきたい。何人かゲスト(グレゴリー・ポーター級ならなお良し)も引き連れて。


■ Nao Yoshiokaプロフィール
NY仕込みのパワフルなヴォイスと表現力、ヒストリーに根ざしながらもレイドバックとは異なるモダンなテイストを兼ね備えた現在進行形ソウル・シンガー。2011年から単身NYへ渡りアポロシアターのアマチュアナイトで準優勝など実績を重ね日本に帰国。2013年の1st『The Light』はスマッシュヒットを記録し2015年には全米でもリリース。日本では同年2nd『Rising』でメジャーデビューを果たした。更に2016年にはアメリカの「Capital Jazz Fest」で2万人規模のメインステージに出演し、同年9月リリースの3rd『The Truth』ではアリシア・キーズらを支えた名プロデューサー/ライターたちと共作。2018年には米国のブッキングエージェンシー「Maria Matias Music」と契約し活動拠点をアメリカに移転すると『The Truth』を全米を含む世界でリリース。収録曲“I Love When”は、ビルボードUrban Adlut Contemporaryチャートにて32位を獲得するなど、世界標準のシンガーとして活躍中。

[関連URL]
・Makuakeプロジェクトページ「目指すは初のグラミーノミネート!Nao Yoshiokaのニューアルバム制作!」
https://www.makuake.com/project/naoyoshioka/

・Nao Yoshioka メッセージムービー「Nao Yoshioka 4th Album Crowd Funding Project」

Nao Yoshiokaが切り拓くグラミー賞への道はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。