崎山つばさが、時代の過渡期に”粋”
な生きざまを魅せる~舞台『幕末太陽
傳 外伝』ゲネプロレポート

舞台『幕末太陽傳 外伝』が4月18日(木)、東京・三越劇場にて開幕した。「川島雄三監督生誕100周年プロジェクト」の一環として、1957年公開の名作映画「幕末太陽傳」のストーリーを基に、なるせゆうせいの脚本・演出で描かれた舞台化作品。ここでは初日直前に行われたゲネプロと、主演の崎山つばさらが登壇した囲み取材の模様をレポートする。
物語は映画同様、古典落語『居残り佐平次』の要素を引き入れて展開する。冒頭、語り部の柳亭小痴楽(春風亭昇々とWキャスト)のユーモラスな口上の最中、どこからともなく佐平次(崎山つばさ)が登場。文久2(1862)年、幕末の世へ観客たちを導いていく。
舞台『幕末太陽傳 外伝』ゲネプロより
舞台となる品川遊郭の老舗女郎屋「相模屋」には、さまざまな事情を抱えた一癖も二癖もある人間が集う。お染(愛原実花)とこはる(武藤十夢)は、板頭(筆頭女郎)の座を巡り、火花を散らす日々。とある計画を企てた、高杉晋作(入江甚儀)が率いる攘夷派の志士たちも潜伏している。
舞台『幕末太陽傳 外伝』ゲネプロより
舞台『幕末太陽傳 外伝』ゲネプロより
ほかにも父親の借金の肩代わりに使用人としてけなげに働く女中のおひさ(中野あいみ)を気に掛ける相模屋の跡取り道楽息子・徳三郎(小松準弥)など、騒動の火種があちこちにくすぶっている状態だ。
舞台『幕末太陽傳 外伝』ゲネプロより
友人と相模屋を訪れて以来、とある事情を抱えて“居残り”を続けている佐平次。あるときは自分に降りかかる火の粉を華麗に振り払い、またあるときは周りで巻き起こる騒動に首を突っ込み、持ち前の機転で切り抜ける。そのたびに発される、芯の通ったまっすぐな言葉。さらに、豪快な所作とぶっきらぼうな“べらんめえ口調”が、粋でいなせな佐平次の男気を加速させる。
舞台『幕末太陽傳 外伝』ゲネプロより
家族、色恋、野望、嫉妬――絡み合う人間模様は、物語が進むにつれ重みを増していく。それでもどこか軽やかに惹きつけられるのは、随所に光る軽妙なやり取りと笑いを誘うアドリブの数々によるものだろう。散りばめられた歌や楽曲、踊りにも心躍らされる。
一筋縄ではいかない、出会いと別れ。平成の世を生き、令和という新たな時代を迎える今だからこそ、燃え続ける陽の温かさのような佐平次の生きざまは胸を打つものがあった。
舞台『幕末太陽傳 外伝』囲み会見より
ゲネプロ終了後には囲み会見が行われ、キャスト6名が登場。崎山は「歴史上の人物の高杉晋作と、歴史上に存在しない佐平次の夢の掛け合いを見られるのはこの舞台だけ。千秋楽まで調子よく、飄々と生きていきたい」と意気込んだ。入江も「高杉の野望は当時の日本の未来を見据えた行動。同じく先見の明を持つ佐平次との違いを舞台上で表現していけたら」と見どころを語った。
本作への出演について、愛原は「(原作の「幕末太陽傳」は)大好きな映画なので参加できてうれしい」と喜びを語った。武藤は「花魁役は緊張しますが、周りの方が心強いので最後までみんなで楽しんでやれたら」と話し、中野も「初の舞台出演で緊張していますが、全力で楽しみます!」と意気込んだ。小痴楽は「噺家はいつも一人なのですが、舞台ではみなさんに手取り足取り教えていただいています」と結束の強さをのぞかせた。
質疑応答では、初主演作としての意気込みを問われた崎山が「僕は“ついてこい”というタイプではない。キャスト全員とは初共演でしたがそれが逆に良かったのでは。一致団結してこうしてここに立てているのはキャスト、スタッフのみなさんのおかげ」と述べ、「この舞台が、「幕末太陽傳」があと100年先も語り継がれていくような作品となるよう、座組一丸となって最後まで頑張ります」と締めくくった。
(c)日活/ADKクリエイティブ・ワン
取材・文・撮影=潮田茗
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