L→R 大澤実音穂(Dr)、福永浩平(Vo)、山崎康介(Gu&Syn)

L→R 大澤実音穂(Dr)、福永浩平(Vo)、山崎康介(Gu&Syn)

【雨のパレード インタビュー】
今の状況込みで前へ進んで
愛してもらえるような曲を

1年振りの新曲となるシングル「Ahead Ahead」をリリースする雨のパレード。蔦谷好位置を共同プロデューサーに迎え、新しいサウンドプロダクションに挑んできた彼らからの新章への誘いと言える作品だ。今回に至る経緯も含め、福永浩平(Vo)に訊く。

レコーディングの前の段階から
やりたい音が作れるようになった

時系列で今回の「Ahead Ahead」までの流れをおうかがいしてもいいですか?

もちろんです。僕ら、今まではDAW(Digital Audio Workstation、デジタルで音声の録音、編集、ミキシング、編曲などを行なえる一体型のシステム)で曲を作っていくっていうスタンスみたいなものにあまり挑戦してなかったんですね。それはセッションでやってしまうほうが早かったからで、必然的に手の本数分だけの音に限られる作り方をしてたんです。その良さもあったんですけど、今回DAWで作ってみて、あえていろいろ重ねて録るっていう遊び心みたいなところもすごく勉強になったので、まさに新しい挑戦をしている曲ですね。

蔦谷さんにはどういう経緯でプロデュースしてほしいと思ったんですか?

もともと僕らのスタンスとして、あまりプロデューサーに頼らないというか。別にプロデューサーを入れることに関して嫌悪感があったわけではないんですけど、“自分たちでできる”と自負してやっていて。ただ今回はプロデューサーを入れるという選択があるなら、何年後かというよりは今かなっていう感覚があったんです。で、ディレクターに“蔦谷さんはどうだろ?”って言われたんですね。最初は同年代の仲間みたいな奴らとやろうと思ってたんですけど、僕たちのような音楽を広めていくためには、いろんなことを経験してる人、メジャーの音楽シーンできっちりと結果を出している人とやってほしいという意向もあったりして…しかもインディーの頃にメンバーだけで話してる時、“蔦谷さんとは一緒にやってみたいよね”って話も挙がってたりしてて、そこに対してはシンクしてたというか。なので、このタイミングで一緒にやってみるっていうのが、僕にとって運命的な感じだったんです。

その話が進んでいる中で、是永さんの脱退があって。ベースが抜けると、そこからまたサウンドデザインも再考しなきゃいけなくなりますよね。

そうなんです。だから、デスクトップで作る面白さに目覚めたタイミングでもあって。蔦谷さんがすごくいい教科書になってくれたというか、“最前線の人もこういうやり方をしてるんだ”という納得の仕方もあったり、“こういうものを使えばああいう音の感じが出せるんだ”ってすごく勉強にもなって。例えば今回の2曲目の「/eɔ:/」(読み:エオー)は自分たちだけで作ったんですが、蔦谷さんとの作業でいろいろな刺激を受けて、より自分たちのやりたい音がレコーディングの前の段階から作れるようになったというのは、バンドにとっていいことだなと思ってます。

そんなシングルの表題曲が「Ahead Ahead」に決まった理由は?

昨年、曲作り合宿をやって結構な曲数を作ってる中で、この曲を含め3曲ぐらいがかたちになったんですね。そこから選んだ曲のひとつです。なので、他にも蔦谷さんとは制作してます。

山崎さんのギターフレーズ始まりで、大澤さんのフロアタムなどドラムもフィーチャーされてるし、3人で進んでる印象をすごく受ける曲なのですが、それは詰めていく中でそうなっていったのか、それとも大きな柱として決まっていたのでしょうか?

僕らが出したものに対して蔦谷さんが返してくれたものが、そのギター始まりだったんです。で、フロアタムのこういうビートは僕が好きなんで、蔦谷さんが“こういうビート、合うかもしれない”ってやってくれて。“進んで行く感じ”というのは、確かにそうですね。

“Ahead Ahead”、つまり“前へ前へ”ですからね(笑)。

(笑)。実は合宿の時は歌詞がなくて、デタラメ英語みたいなのを乗せてたんですけど、その時になんとなく“アヘアヘ”って入れるのが楽しくて。ちょっとアフリカっぽい掛け声だなと、その時は思ってました。

英語の“Ahead”は当てたんですね。

そうですね。しかも、めちゃくちゃ状況に合うし。タイトルはすごい迷ったんですけど、最初はカタカナで“アヘアヘ”っていう仮タイトルだったんで、そこも生かして“Ahead Ahead”にしようかなと。

アフリカンビートのイメージはあったんですね。

前回のアルバム『Reason of Black Color』では意外とやってなかったと思って。他のデモではやってたし、ライヴのインタールードではよく使ってたビートなんですけど、曲としてやってなかったから、このタイミングでできたのは良かったです。

歌詞はトラックができてからということですが、今の雨パレの状況そのままなのではないでしょうか?

ははは。なんかやっぱ…SNSでファンに何か言うよりも、曲で言ったほうが僕はいいと思うし。今の状況も込みで、それでも前に進めるように、愛してもらえるような曲になったらいいなぁという想いで書きました。

以前よりもむしろ生音とエレクトロニクスの分離を感じない仕上がりですね。

この曲に関してはかなりそうですね。今までよりもさらにレンジ感が広がりました。音数で言えば、「1969」(2ndアルバム『Change your pops』収録曲)はベースがコード的な立ち位置で、ギターの単音のフレーズを活かしたり、ドラムにはサンプリングパッドでTR-808(ローランドが1980年に発売したリズムマシン)のカウベルの音を出させて。それでも手が増えるわけではないから、何かの代わりにそれを打っているという曲だったので、この曲と音数だけを比べるのであれば、ほんとに雲泥の差がありますね。そういう意味ではライヴの爽快感みたいなものを、ぜひ生で聴いてみて実感してほしいです。
L→R 大澤実音穂(Dr)、福永浩平(Vo)、山崎康介(Gu&Syn)
シングル「Ahead Ahead」【初回限定盤(DVD付)】
シングル「Ahead Ahead」【通常盤】

OKMusic編集部

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