L→R リウ(TALBO-2)、シャラク(VOICECODER)、フクスケ(TALBO-1)

L→R リウ(TALBO-2)、シャラク(VOICECODER)、フクスケ(TALBO-1)

【メトロノーム インタビュー】
メトロノームをずっと見てきた人も
驚くことがしたいと思った

21年目も踏まえて
“先に進んで行くんだぞ!”って

ちなみにミュージックビデオはどんな映像になっていますか?

フクスケ
能の舞台で撮影しました。神聖な場所なので舞台には白足袋を履いて上がらないといけないんですよ。柱にも触らないようにとか、管理の方にすごく圧を掛けられました(笑)。動き回ったり、踊ったりするには、床を傷付けないように赤い絨毯を敷かないといけなかったんですけど、赤は使いたくなかったから“あまり動きません。物も置きません”って。

能の舞台で足袋を履いて演奏するメトロノームが見られるんですね。

フクスケ
ライヴの時は白足袋じゃないですけどね(笑)。なんか色が付いた足袋だといけないそうで。

黄色は許されなかったんですね。

フクスケ
はい。“塗っても駄目ですか?”って訊いたら、すごく嫌そうな顔をされていたので(笑)。
シャラク
厳しいとは聞いていたものの、当日は厳格な雰囲気を肌で感じましたね。舞台の後ろのほうに柵みたいなものがあったんですけど、ヴォーカルの本能として、つい足を掛けたくなるんですよ。

モニターに足を掛ける感覚で。

シャラク
そうです。でも、絶対に駄目なんだろうなって我慢しました。
フクスケ
当日の注意を聞いていたのが僕だけだったんで、そういう話を知らないものだからリウが演奏しながらたまに足で床をドンッてやるんですよ。それを見ながら“おいっ!”って(笑)。
シャラク
ドンッって音がすると能楽堂の方が見に来るんです(笑)。
リウ
YouTubeで能を観てたんで“こうやってやるんだ”って真似しただけなんですけど(笑)。
フクスケ
そんなシーンがありつつ、和だけではなくメトロノームらしい仕上がりになっているので楽しみにしていてほしいですね。

では、カップリングについても教えてください。タイトルからして和な「さくらん」についてはどうでしょう?

リウ
メトロノームの曲は幅広いんですけど、その中のメタルやハードコアな要素がある曲を新しいかたちで出せたらなと思って、ベースはかなり歪ませています。ローチューニングで弾きたかったので5弦ベースで録りました。和のテイストはあとから足したものなんです。和の音階を使ったり、シンセのフレーズとユニゾンするかたちで三味線の音を薄く足したりとか。歌詞もあとから書いて。

桜の花をイメージさせる歌詞は3曲の中で一番日本的ですね。

リウ
自問自答している時に“これってお化けと話しているみたいだな”と思って“亡霊”という言葉を使いたかったんです。最初は“Ghost〜”とか英語のタイトルにしようと思っていたんですけど、“満開の花”という言葉が出てきたので、桜を匂わせる歌詞にしたかったというか。
フクスケ
メトロノームの中でこういう曲調を作れるのはリウだけなので、その雰囲気を崩さないようにってのは意識しました。あと、歪んだ音が多いから、ギターソロは単音がきれいに聴こえるように。
シャラク
サビの切ない感じがいいですね。

「楽観ばっか」はどうでしょうか?

フクスケ
自分の好きなギターリフばっかりを入れて作りました。イントロにはよ〜く聴くと、能の声や鼓の音が入っているんです。ソロはギターではなくてテルミンを使っていて、琉球音階を取り入れています。そこだけなぜか南国に行っちゃう感じですね。

《バカになれないバカがバカになっちゃって》という歌詞が出てきますが、タイトルは“楽観”と“バカ”をかけてるんですか?

フクスケ
それもあります。世の中、楽観してる人ばっかでバカだなと思うんですけど、自分も楽観するほうがいいなって。自分のこともバカだなと感じるし、自問自答してるのかなって。

まさに自問自答のシングルじゃないですか(笑)。でも、なぜか「楽観ばっか」は聴いていると気が楽になります。

フクスケ
良かった! 後ろ向きな言葉もいっぱい入ってるんですけど、基本的には前向きな性格なので、メトロノームの21年目も踏まえて“先に進んで行くんだぞ!”っていう想いも込められています。
シャラク
メロが難しいんですけど、サビで一気に開放されるので、歌っていてもキャッチーだなと思いましたね。

最後に、自問自答した時に心に言い聞かせる言葉は?

リウ
歌詞にも書いたんですが、迷ったら誠意ある行動をとろうって。そう思うようになりました。
フクスケ
つい自分の目線で物事を見がちになるので、“自分の見ている世界だけじゃないぞ!”って思うようにするとか。メトロノームを全ての角度から見れる人になりたいですね。
シャラク
性格的には悩みがちなんですが、楽しいと感じる時は忘れて楽しもうって言い聞かせてます。

取材:山本弘子

シングル「Catch me if you can?」2019年4月24日発売 KING RECORDS
    • KICM-1938
    • ¥1,400(税抜)

『メトロノーム ・ワンマンツアー2019 寂滅ヰラクyAtrA』

5/02(木) 東京・TSUTAYA O-EAST
5/04(土) 宮城・仙台darwin
5/12(日) 愛知・名古屋ReNY limited
5/18(土) 大阪・ESAKA MUSE
5/19(日) 大阪・ESAKA MUSE

メトロノーム プロフィール

メトロノーム:1998年結成。東京を中心に活動開始。メンバー全員が黒/黄の衣装を着用しており、音楽性はテクノポップの影響下にある独自のサウンドをプレイ。ニューウェイヴやパンクロックからの影響も感じさせる唯一無二の個性を放つJ-ROCK/POPバンド。09年5月31日の渋谷C.C.Lemonホールでのライヴを最後に無期限活動停止となったが、16年9月19日、チケットが瞬殺となった満員のZepp Tokyoワンマンライヴで再起動(活動再開)。18年に結成20周年を迎え、21年には再活動5周年を迎え、同年12月にライヴベスト+新曲の2枚組スペシャルアルバム『5th狂逸インパクト』をリリース。そして、翌22年8月にはオリジナルアルバム『阿吽回廊』を発表した。メトロノーム オフィシャルHP

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