「Fairy gone フェアリーゴーン」市
ノ瀬加那&前野智昭 ベテラン声優陣
がみんなラスボスに見えてくる

 P.A.WORKSがアニメーション制作、小説家の十文字青がシリーズ構成・脚本を担当するオリジナルアニメ「Fairy gone フェアリーゴーン」の放送が、4月7日からTOKYO MXほかでスタートする。同作の舞台は、不思議な力を持つ妖精をその身に宿した“妖精兵”が華々しい戦果をあげた戦争から9年後。妖精に関連する事件を捜査・鎮圧する違法妖精取締機関「ドロテア」第一部隊に配属された、凄惨な過去をもつ少女マーリヤ・ノエルと、かつて妖精兵として戦争に参加した「ドロテア」第一部隊隊長代理フリー・アンダーバーの“戦後”を描いていく。マーリヤ役の市ノ瀬加那とフリー役の前野智昭に、同作の魅力や収録の裏側を聞いた。
――「Fairy gone フェアリーゴーン」は完全オリジナル作品ということで、ファンも「どんな作品なんだろう?」と気になっている方が多いかと思います。まずは、おふたりから作品を紹介していただけますか。
市ノ瀬:戦争が終結した後の世界が舞台ということで、根本はシリアスなお話です。妖精を用いたバトルも、単純に正面から激突するだけではない頭脳戦もあり、後半になるにつれてどんどんおもしろくなっていきます。一方で、日常会話などにはコミカルなシーンも盛り込まれている、バラエティ豊かな作品だと思います。オリジナル作品ということで、演じている私たちにも先のストーリーが知らされておらず、まったく先の展開が読めないのですが、そこに“キャラクターと一緒に歩んでいる感”があります。キャラクターと、その時々の感情を共有できるのが、役者としてとても楽しいです。キャラクターひとりひとりが個性的で、演者さんたちのお芝居もとても“濃い”ので、相乗効果でどんどんおもしろい作品ができあがっていくのを実感しています。
前野:“妖精を兵器として使役し戦う”というところはファンタジーですが、謀略が絡み合う人間ドラマでもあり、さまざまな角度から楽しんでいただける作品です。市ノ瀬さんが言われたように、演者も次週の展開さえ読めないので、キャラクターとリアルに向き合ったお芝居が、その回ごとにできているのではないかと思っています。
――おふたりが演じるマーリヤとフリーはどんなキャラクターなのでしょうか。また、演じるにあたって心がけていることはありますか。
(c) 2019 Five fairy scholars / フェアリーゴーン製作委員会市ノ瀬:人間描写がリアルな作品なので、私自身も“どこかにマーリヤが実在する”ように感じられるお芝居ができたら、と日頃考えています。本来のマーリヤは明るくて愛らしい子ですが、過去の悲痛なできごとを、まだ心の中で消化しきれていません。そこを突かれると、ひょっとするとバランスを崩してしまいかねないような危うさも、意識して演じています。コミカルな会話シーンなどでは、子どもっぽい一面を見せながらも、バトルシーンでは大人びた顔つきにもなる。戦い慣れしているわけではありませんが、過去の経験から、修羅場への対応力は備わっているんです。そんな、さまざまな一面を見せてくれる女の子なので、演じる私としても、幅広く表現するお芝居ができるのが楽しいです。
 また、作中に何度か登場する過去のシーンでは、現在のマーリヤよりも“無垢”であることを意識しています。マーリヤにとってはとてもつらい経験をした時期で、そんな時をともに過ごしたヴェロニカ・ソーンとの会話シーンは、過去でも現在でも、いつもより砕けた感じというか、妹気質が出せればいいなと思って演じています。
(c) 2019 Five fairy scholars / フェアリーゴーン製作委員会前野:フリーは、レーダーチャートをつくったら、どの項目も高いバランスでキレイな図形が描けそうなキャラクターです。美女を見つけたら自然と顔がほころんでしまうような人間らしい一面をもち、しゃべりもフランクですが、戦闘では獰猛(どうもう)な一面を垣間見せることもあります。任務に実直な一方、ムチャを言ってくる上司に対して皮肉交じりの軽口を叩くこともある。どこにでもいるような、気のいいお兄ちゃんですね。それぞれのシーンを丁寧に演じることで、例えば軽妙な会話シーンならば重厚なバトルシーンが、というように対照的なシーンがより映えるようになると思うので、演技の振り幅を大きく定めたお芝居ができるのがとても楽しいですね。序盤の展開では、追い詰められても悲壮感を顔に出さないフリーですが、今後絶体絶命のピンチが訪れたときに、どんな表情を見せてくれるのか、僕自身もとても楽しみにしています。大変な目にあうフリーには申し訳ないのですが(笑)。
――クレジットはされていませんが、フリーがその身に宿した妖精“レッドフッド”の声も前野さん自身が担当されているのでしょうか。
前野:人間パートを収録したあとに、妖精パートとして収録しています。うなり声が多いので体力は使いますが、僕自身が演じることによって、フリーと“レッドフッド”の一心同体感が出せるのかなと思っています。“狼のような獰猛さと俊敏さ”が、レッドフッドを演じる上でのキーワードです。ちなみに、ウルフラン・ロウ役の細谷佳正くんが、妖精“フィッチャー”を演じるときには“怪鳥”をイメージしているそうですよ。
――収録現場間の雰囲気はいかがですか。
前野:ダミアン・カルメ役の子安武人さんとは、席が近いこともあり、最近のゲーム事情などで盛り上がっています。市ノ瀬さんとも「花粉症つらいよ」なんて他愛ない話をしています。とても和気あいあいとした現場です。
(c) 2019 Five fairy scholars / フェアリーゴーン製作委員会市ノ瀬:ヴェロニカ役の福原綾香さんとは、スタジオでの席が離れているんですよ。私がシャイなこともあって、これまでガッツリとお話させていただく機会がなかったのが少し残念です。でも、ストーリー上のマーリヤとヴェロニカの立ち位置からしても、今はしかたがないのかなと。ストーリーが進めば、マーリヤとヴェロニカの関係性も変わっていくのかなと思っているので、その時を待っています。
――今作では、先ほどお話にのぼった子安さんをはじめ、キャリア豊富なベテラン声優陣が多数出演しています。共演されての手応えはいかがですか。
市ノ瀬:毎回の収録で、「キャラクターがそこにいる」という存在感に圧倒されます。かけ合いをしていると、こちらの感情をどんどん引き出してくださるんです。それは役者冥利に尽きる楽しさなのですが、時として「もっとうまく返せたんじゃないか」と、不甲斐なさを感じることもあります。日々すばらしい先輩方に囲まれていることを実感しつつ、自分のセリフがないときも、かじりついて勉強させていただいています。
前野:ベテランのみなさんは、やはり存在感と圧がすさまじいので、変な勘ぐり方をしてしまうんです。というのも、先の展開が読めないから、みんながラスボスに見えてしまう(笑)。ベテランの方それぞれが演じること自体に意味が生まれているんです。津田英三さんが演じるレイ・ドーンはもちろんのこと、子安さんのダミアンだって怪しい。大塚芳忠さんのマルコ・ベルウッドも、麦人さんのカイン・ディスタロルも……。ラスボス級の方がズラリと集まっていて、「このキャラは裏切るのでは? いやいや、まさか……」なんて妄想ができるのも、本作のおもしろいところだと思います。収録現場では、空き時間のたわいないお話の中からも、さまざまな角度から物事を見て、それを表現力に落とし込んでいくという姿勢がにじみ出ているのを感じ、とても有意義な時間を過ごしています。
――まもなく放送がスタートする「Fairy gone フェアリーゴーン」の見どころを教えてください。
前野:まずは「妖精VS妖精」「人間VS人間」という構図のバトルシーンに注目していただきたいです。また、回を重ねるごとに、徐々に人間関係が明らかになっていく物語ですので、継続して見ていただけるとうれしいですね。アクションと人間ドラマが共存する「Fairy gone フェアリーゴーン」、ぜひお楽しみください。
市ノ瀬:日常のドラマも、妖精による迫力ある戦いも楽しめる作品で、とにかく見どころばかりです! 個性豊かなキャラクターがたくさん登場し、なおかつそれぞれにしっかりとした背景があります。誰もがそれぞれの正義や信念をもって動いているので、マーリヤたち「ドロテア」メンバーの視点から見た後は、周囲の人々の思惑にも注目して、何度も繰り返しご覧いただけるとうれしいです。音楽もとてもすばらしいので、ぜひ耳を澄ませてみてくださいね。

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