【短期連載 #2】杉本善徳 [Waive]、
“解散中”というキーワードについて

どうも、杉本善徳です。初めての方は、現在ここBARKS内にて不定期でありますが連載をしておりますので、過去のものも読んでみてもらえると嬉しいです。
さて、久々の更新になりました。我々Waiveは全国ツアー<Waive TOUR「Wave to Waive」>の真っ最中。折り返し地点を過ぎ、いよいよ佳境に差し掛かっている、というところです。

あと、2月終盤にワンマンツアーとはまた別の公演としてですが、横浜BayHallにてGIGりましたので、それも記載しておきますね。
▲<決戦!! wyse vs Waive>2019年2月23日(土) @横浜 Bay Hall


そして3月に入り、改めて“仙台” “福岡” “京都”公演に向けてのスタジオリハーサルを行いました。
2月に行った“柏 (千葉)”と“さいたま”の公演を経て、若干のセットリストの変更が加わったりしました。特に今回のツアーは、各会場でレア曲(?)というか何というかの披露をしており……。いや、まぁ解散してるバンドなんで全部レアなんですけどね(笑)。とは言え、他の呼称も思いつかないので、やはりレア曲としか言いようがないんですが、ともかくそういった企画めいた部分もあって、とにかくリハーサルが結構大変でした。
▲スタジオリハーサル


そんなこんなでリハを重ね、迎えた3月17日。Waiveにとって解散ツアーから14年ぶりの仙台公演 (超満員ありがとうございました)。

久々に仙台でライブできたこと、とても嬉しかったです。今ツアーで最も会場のキャパに対する申し込み数のバースト率が高かったのが、この公演で、ありがたいながらも申し訳なさもあり(落選者が出ることもだし、場内がすし詰めになることも)。自分の理想とするのは、会場のキャパ設定に対して95〜99%ぐらいの券売率なので、チョイスミスを少し反省しています。ただ、Waiveは解散ツアーの仙台公演も同じ会場だったので、そこには意味があるのかな、とか思ってます。また何らかの形で来れたらいいな、と。

とりあえず、当日入り/当日帰りのスケジュールだったので、ゆっくりできなかったのだけが心残りですが、イベンターの方が帰りの新幹線で食べる用の牛タン弁当を用意してくれていたので、嬉しかったです(笑)。

関係ない話になるけれど、人生で初めて仙台に行ったとき (Waiveの「そっと…」のキャンペーンか何かだったと思う)、これまた、帰りの新幹線に乗るときに用意していただいた“はらこ飯”と思われるものが、めちゃくちゃ美味しかった記憶があり、あれをまた、どこかで食べたいと思っているまま、18年ぐらいが過ぎてしまいました(笑)。
▲<Waive TOUR「Wave to Waive」>3月17日(日)@仙台HooK


翌週。まずは23日、福岡公演。この日も当日入りだったので、早朝に空港へ。同じ便に乗るチームは、搭乗口前に集合する流れになっていたのだが、ニノカタが道を間違って間に合わず、彼だけを置いてフライトすることに。さらば、ニノカタ。君のことは忘れない……† (1本後の飛行機で来ました)。

福岡公演もWaiveにとっては14年ぶり。要するに解散ツアーぶり。この日も完売公演に。ありがとうございます。

会場のルールというか何というかで、スタッフが仕込みに入ることができる時間とメンバーが会場入りする時間とが同じにしかできなかったのもあり、会場入りしてから準備が整うまで、少しの時間ができたため、単独で明太子を買いに街へ……。

一目散に“稚加榮”へと向かう私。個人的に最も好きな明太子のブランドなのです。“なかなか買えるところがないからな〜”なんて思いながら、自宅に送ってもらう分と、メンバーたちにもあげようと楽屋で食べる分を持ち帰りで買って帰ったのだが、食べた田澤くんが「美味い!」と気に入り、その場でオンラインで購入していて「通販あるんかーい!」となったわけです。
▲稚加榮


そんなこんなしているうちに仕込みが進んでいったのですが、なんと私のギターアンプが突然死してしまいまして……。急いでスタッフに、楽器屋やら電気屋なり何なりに行ってもらってヒューズを交換したりしてみたものの、やはりどうやっても復帰できず。リハの時間が削られていく一方だったので、途中で断念して会場の機材でライブをすることに。

先述の通り、今回のツアーは各地で違ったセットリストで行っているというのもあって、音作りやら持ち込まないとダメな機材やらの量が結構多めなのに、こんなことになってしまい、急な対応をしないといけない曲などが出てきてしまって大変でした。

なんだかんだトラブルだらけではあったものの、なんというか懐かしさのあるライブハウスというか……うまく言えないけれど郷愁に駆られる感じというか、タイムスリップ感のある公演に個人的にはなりました。
▲<Waive TOUR「Wave to Waive」>3月23日(土)@福岡DRUM SON


翌日、京都公演。解散ツアーには京都公演がなかったので、Waiveにとっては、実に15年ぶりの京都公演でした。

15年前、当時所属していたプロダクションを辞めて独立し、上京以降はアナログな生活をしていた私も、必要に駆られて仕方なくまたパソコンを購入。当時のツアー初日だった京都公演の際に、物販の在庫量や売高などをこの会場の楽屋で入力したのを覚えています。Waive史上、一番本数の多いツアーだったのもあり、メンバーやスタッフが首から下げるラミネートパスを作ったのも、ここの楽屋だったな……。

この日も完売。またしてもすし詰め状態ですみません。でも、ありがとう。ステージ上は、蒸し風呂のごとく暑かったです。


この日、MCの流れの中で少し触れることになったWaiveが掲げている“解散中”というキーワードについて。

正直、意味のわからない言葉遊びみたいなところもあると解釈されているだろうとも思うし、それ自体間違ってるわけでもないというか、おそらく正解はないというか……各々の思うソレが正解なのでは?とさえ思っているのだけれど、自分なりの見解があるにはあるので、それをここに記しておこうと思います。

世間的にどうかとか、若者にとってどうか、ということは一切無視の主観で書くが、20世紀の終わりから21世紀の初頭にかけての俗にいう“バンドブーム”は完全に終焉したと思っていて。そのあとのバンド……例えばWaiveも然りなんだが、それらはもうブームの産物というか、遺産でしかないと考えていて。

勿論、そんな中でも活動を続けているバンドや、新たに誕生したバンドもあるわけですが、やはりどれも“ブーム”とはもう別の何かだと思うので、語弊を恐れずにいうと“バンド”という形態自体が、もうイリュージョンというか(笑)、化石のようなもんだと思ってるんです (一応、フォローさせてもらうと“化石”だからといって、それが“悪い”と言ってるわけではない)。言ってしまえば自分も含め、我々は骨董品大好きマンなんじゃないのかな、と。

そんな“終焉”の時期から10年ほどが過ぎ、古のバンドなどが数多く再演をしたり、活動を再開しだして、2010年にWaiveが最初の再演をしたときも言われましたが、今度は“バンドの復活ブーム”みたいな感じになっていて……。でも、気づけばその頃から、さらに10年にもうすぐなっちゃうんですね。恐ろしや……。

“10年ひと昔”と言いますが、やはりそれぐらいの年月が過ぎると色々な背景が変わっていて、ひと昔前に“復活”が特別なもののように感じていたのに、今では普通になってきているというか、数多くの復活劇が存在したお陰か、バンドの解散って“一時的な別れ”みたいな風に見えるようになってきたというか……。勿論すべてがそうなワケじゃないにせよ、その昔よく使われた便利ワードの“無期限活動休止”と“解散”の境界線が曖昧になってきている気がするんですよね。これまた、別に悪いことではないと思うんです。取り立てて“良いこと”でもないと思うので、強いていうなら“どっちでもいいこと”という感じです。

時代って変わっていくし、そんな中で環境も考え方も、なんなら心の中身も変わっていきます。変わらないこともあるけれど、どうしても時間は過ぎちゃうんだし、仕方がない。時間が止まらない限り、すべてが変わらないということはないんですよね。

我々だってそうで、2005年にバンドが解散したときと今じゃ全然違っているんです。でも、やっぱり変わらないこともあるわけで……今こうやってツアーをしようが何をしようが、解散した事実は変わらない。「やっぱ解散してなかったということで!」と公言したとしても、その事実がなくなるわけじゃないというか……わかりますよね?

そう考えると、Waiveは何があっても解散中だと個人的には思うんですよ。でも、僕はどうしてもひねくれ者だから……他の誰かと同じ解散もイヤだし、復活もイヤなんです。だって、やっぱりエンタメですから。どこかに自分なりのアイデンティティーが入ったものを披露したいんです。それがちっぽけな場合もあるし、反感をかうこともあるだろうし、万人に楽しめるものではないとしても、やはり自分が考えたことが、些細でもいいから息吹となって動いていくものを共有してもらいたい。そう思うんです。

Waiveは、昔から変なバンドで……(もしかしたら、それ自体が自分のせいで、メンバーたちは本当は普通でありたかったかもしれないけれど(笑))、どうしても何か違和感というか、他で見たことや体験したことのないことを提供したいし、それが自分の持ち味というか、武器なんじゃないのかな〜と思っているというのもあり。何度かの再演を経ていく中で、“解散中”という一見ふざけたキーワードを掲げつつ、できることなら、世の中にある“解散”というものへのイメージや概念を払拭できるような、そんな活動を見せたいな!と考えています。

これはメンバーやスタッフとも話し合ったことではないので、あくまで個人的な見解で、先述の通り、各々の中での解釈があっていいし、そのどれもが正解であり間違いでもあるんじゃないかな、と。

ま、そんな感じで、ツアーも残すところ大阪と名古屋のみ。名古屋は完売、大阪は未完売(Waiveの故郷なのにね!!)。来てね。

そしてツアーを終えると、4月30日のZeppTokyo公演と、翌日の追加公演であるリキッドルーム公演。できれば少しでも同じ時間と空間の中で、いろんなものを感じ合いたいね。

では最後に、スタジオの窓から隠し撮りしたニノカタの背中を見ながら、今回は締めさせてもらいます。
さよなら、さよなら、さよなら。
■<Waive TOUR「Wave to Waive」>
※終了した公演は割愛。
4月06日(土) 大阪BIGCAT
Open16:15 / Start17:00
4月07日(日) 名古屋Electric Lady Land
Open16:15 / Start17:00
▼チケット
¥6,500 (税別・ドリンク代別)
(問)Zeppライブ 03-5575-5170


■CD付<TOUR 2019 Wave to Waive>パンフレット

▲パンフレット画像


▲CDジャケット画像


価格:¥5,000
仕様:A4 / オールカラー全32ページ
※各メンバー インタビュー掲載 / シングルCD付属
▼CD収録曲
M-1. BRiNG ME TO LiFE
M-2. バニラ(2019再録ver.)


■<Waive GIG「サヨナラ?」愛しい平成よ>

2019年4月30日(火) Zepp Tokyo
Open17:15 / Start18:00
▼チケット
前売料金:1Fスタンディング ¥6,500(税込・Drink代別)
※入場者全員に新録「Dear」のCD音源をプレゼント
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888


■<追加公演 GIG「まだ見ぬ“令和”へと駆け抜けてく」>
5月01日(水・祝) 恵比寿LIQUIDROOM
open14:15 / start15:00
▼チケット
スタンディング ¥6,500(税込・Drink代別)
一般発売:4月6日(土)
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888

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