【奥華子 インタビュー】
奥華子がより濃く出た
アルバムになっている
誰かを引き立てる奥華子ということで
“KASUMISOU”をタイトルにした
そして、「一歩前に」はフルマラソンを経験したからこその曲ですね。
そうですね。自分の経験を曲にして…でも、応援する側の人の気持ちを歌ってるんですよ。これは実際に私が思ったことというか、マラソンって誰かが応援してくれるからこそ走れるんだなって。42.195キロを体育館の中でひたすら走れって言われても絶対に無理だと思うんですよ。沿道に人がいて、“頑張れ!”ってずっと言ってもらえるから走れる。
自転車で並走してくれたりもしたそうですね。
そうなんですよ。ファンの人もそうですし、まったく知らない人も応援してくれて、そこに感動しましたね。だから、“一歩前に”っていう。疲れてくると辛いし、足が石のように重くてまったく動かなくなるんですよ。でも、“みんなが応援してくれているから、ここで終わるわけにはいかない!”っていう想いで一歩前に進めたんで。
この曲は疾走感のあるバンドサウンドになっていますね。
生ではなくて、打ち込みなんですけど…ギタリストの森本隆寛くんアレンジで、彼とは「キミの花」(2017年2月発表の17thシングル)とか何度も一緒にやっているので、私のことを分かってもらえているから、思い切きりさわやかで疾走感のある感じにしてくれて。すごくイメージ通りにできたと思ってます。
個人的に印象深いのが「素顔」だったのですが、これは奥華子ファンの心を掴む曲だなと。
それは嬉しいです。弾き語りだからというのもあるんですかね。この曲と「一歩前に」だけ、恋愛ソングじゃないんですよ。あと、この曲は歌詞が先にできたんです。詞先って過去にも数曲しかないんですけど。
それだけ言いたいことがあったと?
はい。まるまるワンコーラス分の歌詞がノートに書いてあって。それを言いたいがために曲を作ったというか、それも最後に。で、ミックスも自分なんですよ。
奥華子ファンの心を掴むというところで、そういうのも影響しているかも。臆病な子に寄り添うような曲ですし。
うんうん。でも、本当は自分に向けた曲なんですけどね。自分が臆病だし…もう歌詞のままです。
奥華子ファンはそういう言葉を言ってもらいたいんですよ。
なるほど。「絶対」は20代だからこそ書けた曲で、逆に「素顔」は今の年齢だからこそ書けた曲なのかなって思いますね。大人になればなるほど素顔じゃいられなくなる…厚塗りになっていくみたいな(笑)。そういう想いが曲になってますね。
その「素顔」が最後にできた曲とのことですが、アルバムを締め括る「カスミソウ」が最後にできたのかなと思ってました。ライヴの最後を飾る曲になりそうだし。
「カスミソウ」はもともと違うタイトルだったんですけど、アルバムのタイトルが“KASUMISOU”だし、そういう曲があってもいいかなと思って。そもそもアルバムのタイトルを“KASUMISOU”にしようと思った理由は、今回って提供曲とタイアップ曲を多く収録しているので、それを表せる言葉を探していて…かすみ草っていろんな花に合うじゃないですか。だいたいの花束に入っているんですよ。周りの花の引き立て役になっているし、でもかすみ草だけでも十分にきれいだし。で、提供曲って誰かのための曲だから、誰かを引き立てる奥華子ということで、ぴったりだなと思って。で、かすみ草の花言葉を調べたら“純真”や“幸福”みたいな意味合いだったから、“この曲、かすみ草っぽいな”と思って後付けで“カスミソウ”というタイトルにしたんです。
では、曲を作っている時は“この曲が最後かな”とかもなく?
そうですね。失恋ソングじゃなく、ハッピーなラブソングを作りたかったくらいです。