『ビクターロック祭り2019』、
12,000人を大熱狂させて終幕
続いて「COLOR」(昨年の11月にリリースされたミニアルバム『?WHO?』に収録されている。連続ドラマ『プリティが多すぎる』主題歌)、「Samantha」(2007年)が披露された後に迎えたインターバル。「どうも、木村カエラです! 今年はデビュー15周年。もう15年も経ってしまって、どうしたものか(笑)。続けてこられたのは、聴いてくれる人がいて、自分ががんばって、支えてくれる人たちがいたから。今日は、かわいい曲たちをいろいろ歌ってみたいなと思っています。さっき歌った「Samantha」のサマンサってわかります? 『奥さまは魔女』にハマってる時に作って。ぜひ観てみてくださいね。6月には15周年のお祝いが日比谷野音であるので、遊びに来てください。じゃあ、15周年ということで、この歌を。知ってる人は一緒に歌ってください」――MCを経て届けられたのは「Butterfly」(2009年)。大合唱しながら掲げた腕を穏やかに揺らしていた観客は、心底幸せそうだった。
「ここからあっと言う間に上がっていこうと思います! あっと言う間に盛り上げますんで、ついてきてくれますか?」と観客に呼びかけて突入した後半戦は、パワフルなナンバーの連続だった。力強いビートにのりながら歌っていたカエラが、とても楽しそうであった「TODAY IS A NEW DAY」(2014年)。煌びやかなダンスビートに刺激された人々が、勢いよくバンザイをしながら開放的に踊っていた「BANZAI」(2009年)。そして、「あなたの笑顔が見たいという曲です。ジャンプして楽しみましょう!」という言葉を添えたラストの曲は「Magic Music」(2006年)。様々な時期の曲の魅力を改めて噛み締めさせられたと同時に、今後の彼女の活動への期待も大いに高まるライブであった。
Text by 田中大
<セットリスト>
M1 Whatever are you looking for?
M2 COLOR
M3 Samantha
M4 Butterfly
M5 TODAY IS A NEW DAY
M6 BANZAI
M7 Magic Music
サウンドチェックの段階から「音いいなあ」とつくづく感心しながら聴いていたが、本編の1曲目「It's Who We Are」が始まるとその感心が鳥肌に変わって全身を覆うような感覚に陥る。1曲終わるたびに周囲から「かっこいいねー」「すごいいいねー」と、初めて観るらしき人たちの感嘆の声がきこえる。よくわかります、何度か観ていてもこうして鳥肌立っているわけなので。
「よかったら一緒に歌ってください」とJQが呼びかけた「On and On」では、オーディエンス、「On and On!」コールで応える。そして続く「Kiss You Back」では、サビですさまじい多幸感がステージから降ってきて、フロアを覆い尽くす。すごい。耳の贅沢。曲終わりの拍手と歓声、それまでよりもいっそう大きくなった。
「じゃあ、踊る感じのやつを」という言葉で始まった5曲目「Zero Gravity」からダンス・チューンが並ぶ構成だったが、フロア前方はわからないけど、真ん中から後ろの人たちは、身体を少し揺らし、ただただうっとりと聴き惚れていた、放たれる音像の美しさに。なお、ラストの「Almost There」で、もう一回すごい多幸感が降ってきた。最後にJQ、「やりきったわ。へへっ」と笑ってから、ステージを下りた。
Text by 兵庫慎司
<セットリスト>
M1 It's Who We Are
M2 VOICE
M3 On and On
M4 Kiss You Back
M5 Zero Gravity
M6 ain't on the map yet
M7 Almost There
HARUNA(Vocal & Guitar)の鋭いカッティングを機に「プラットホームシンドローム」でスタート。4ピースサウンドはキリッと締まっていて、続く「テイクミーアウト」では、連打するRINA(Drums & Vocal)を筆頭にバンドのボルテージが急上昇する場面もあった。演奏には4人の漲る気合いが表れていたが、その理由はMCでHARUNAが語った通り。本日はSCANDALにとって2019年初のライブであり、「せっかくビクターに仲間入りしたんだから、初ライブは『ビクターロック祭り』と決めていました」とのことだ。
後半に突入しても、勢いは収まるどころか加速する一方。「LOVE SURVIVE」のありあまる爆発力には驚かされたし、HARUNAがイヤモニを外し、観客の歌声を確認したあとにとびきりの笑顔を見せていたのも印象的だった。
ラストに演奏されたのは3月27日に「her」から第一弾シングルとしてリリースされる「マスターピース」だった。HARUNAによって「私たちの新たな始まりの歌です」と紹介されたこの曲を演奏する時、ツインテールを揺らしながらピョンピョン跳ねるMAMI(Guitar & Vocal)も、その場でくるくる回ったりしているTOMOMI(Bass & Vocal)も、笑顔で歌詞を口ずさむ姿がスクリーンに抜かれていたRINAも、バンドで音を鳴らすことを心から楽しんでいるのがよく分かる。重厚だがフレッシュな音を鳴らすSCANDALは、今、キラキラと輝いている。とても魅力的なバンドに育ったのだなあと、何だかグッときてしまった。
Text by蜂須賀ちなみ
<セットリスト>
M1プラットホームシンドローム
M2テイクミーアウト
M3恋するユニバース
M4会わないつもりの、元気でね
M5 LOVE SURVIVE
M6瞬間センチメンタル
M7マスターピース
と思っていたら2曲目に歌われたのは《思い出してごらんよ あの日のロックンロール》という歌詞が出てくる「Are you ready?」。渋い選曲。でも最高だ。目をつむってミュートさせたコードをかき鳴らす斉藤和義に熱視線が注がれる。「なんか、ひとりは寂しいです。盛り上げてね」という言葉に拍手が起き、「ずっと好きだった」へ。ギターソロを弾いて「幕張!」と叫ぶ。続いてドラマ主題歌としてリリースされた新曲「アレ」を披露。音源ではリズムマシンを駆使したちょっとレトロなビートが印象的なこの曲だが、こうしてギター1本になると、緊張感のあるコードに乗せて放たれる切れ味の鋭い言葉の数々によって曲のテーマがぐっと強調される感じがある。
ここでがらっと雰囲気を変えて、楽しげな手拍子の中で歌われたのは「歩いて帰ろう」。さらに美しいアルペジオから「歌うたいのバラッド」へとつなげていく。BARK STAGEに集まった多くの人が固唾を呑んでその歌に耳を傾けているのが伝わってくる。歌い終えた斉藤に降り注ぐ万雷の拍手。そこにとぼけた声で「ありがとねぇ」と返すのが彼らしい。そして4月からの弾き語りツアーを告知したあと、ラストはこれまた名曲「空に星が綺麗」をシンプルに。「ありがとう、またね?」。小さくピースサインをして帰っていきました。
Text by 小川智宏
<セットリスト>
M1やさしくなりたい
M2 Are you ready?
M3ずっと好きだった
M4アレ
M5歩いて帰ろう
M6歌うたいのバラッド
M7空に星が綺麗〜悲しい吉祥寺〜
「50だろうが80だろうが40だろうが中2だろうが、おめえは今から青春真っ只中!」と鳴らされた「青春狂騒曲」でも、「全員優勝」コールを巻き起こした「ミラクルをキミとおこしたいんです」でも、ライブを観に来た全員のことを四の五の言わずに肯定する。昨年同じステージで彼らを観た時にも思ったが、サンボマスターのライブはいい意味で変わらず、灯台のように私たちを照らしていてくれる。ここが小さなライブハウスだろうとも、ここが大きなフェスの会場だろうとも、今日も山口は「他の誰でもない、おめえとやりにきたんだよ!」と訴えかけるのだ。
ラストに演奏されたのは「輝きだして走ってく」。くだらない日常ではなく今このライブの中にある美しさこそが真実なのだと語り、そんな空間を作る観客へのリスペクトを絶やさないこのバンドだからこそ、唄うことのできる曲である。「また一緒に笑ってくれる人―?」と山口が投げかけると、フロア一面手のひらの海に。いつか挫けそうになる日が来たとしても、ここで結んだ約束の存在が私たちの心を支えてくれるだろう。
Text by 蜂須賀ちなみ
<セットリスト>
M1世界をかえさせておくれよ
M2青春狂騒曲
M3ミラクルをキミとおこしたいんです
M4できっこないをやらなくちゃ
M5世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
M6輝きだして走ってく
「ここからは3曲はみなさんにも参加してもらいたいと思います」とKREVA。といいつつ「3月からロックフェスを楽しんでいる我々は、曲の中で成長できると思っています!」とあえて細かい注文はしないと宣言。「不可能を可能にしましょう!」と「ミッション・インポッシブルのテーマ」に合わせて銃を構えるポーズを決めると、レゲエのリズムが多幸感を演出する「OH YEAH」へ。コール&レスポンスもばっちり決まり、笑顔を見せる。続く「Have a nice day!」では掲げた一本指をゆっくり左右に振るアクションを、「イッサイガッサイ」ではハンドウェーヴと手拍子を。ここにいるひとりひとりが主役となって、幸せなステージが展開していく光景は感動的だ。
「祭りを楽しめるときは思いっきり楽しんだほうがいいと思うんですよ、後の祭りにならないように。そういうことでしょ?」と言うKREVA、そんなお祭りにとっておきの曲を持ってきてくれた。今から15年前の9月8日にリリースされたメジャーデビューシングル「音色」の2019年ヴァージョンだ。ドラマチックな歌とラップがますますメロウに艶めき、KREVAは美しいファルセットをも響かせてみせる。そして最後の曲「Na Na Na」へ。お客さんを巻き込んでの《Na Na Na》のコーラスがこの広い会場に広がってフィナーレを彩ってみせた。
鳴り止まない拍手に応えて再びステージに戻ってきたKREVA。いきなり「どの音楽サブスクリプションサービスを使っているか?」というアンケートをお客さんに取り始めて何かと思ったら、昨日3月15日にストリーミング配信がスタートした3曲のなかから1曲やるよという前振りだった。その1曲とは「アグレッシ部~2019 Ver.~」。どこか優しい感じも受けるバンドサウンドに乗るKREVAのラップが、このあと家路に着くひとりひとりの背中を押すように響いた。
Text by 小川智宏
<セットリスト>
M1パーティーはIZUKO?
M2基準〜2019Ver.〜
M3ストロングスタイル〜2019Ver.〜
M4 OH YEAH
M5 Have a nice day!
M6イッサイガッサイ
M7音色 〜2019Ver.〜
M8 Na Na Na
ENアグレッシ部
アーティスト
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