【千歌繚乱インタビュー】AMBEEK、「
“何をやる”よりも“誰がやる”」

3月25日に池袋EDGEで開催されるBARKS主催のヴィジュアル系ライブイベント<千歌繚乱vol.20>に、2018年12月に始動したAMBEEKが出演する。
AMBEEKは、2006年に解散したヴィジュアル系バンド・MASKのMINAMIを中心に結成されたバンドで、“みんなと音で囲った中で騒ぎたい”という造語を冠している。2月11日に始動ライブを終え、初のイベントライブ出演が、<千歌繚乱vol.20>になる。

この<千歌繚乱vol.20>で初めて彼らのライブを見る方も多いと思うが、その公演前に彼らのことを知ってもらおうと、BARKSではインタビューを実施した。

  ◆  ◆  ◆

──AMBEEK結成に至ったいきさつは何ですか?

MINAMI(Dr):結成の発端は僕とギターのつかさなんですけども。まぁありがちですけど、長く続けていけるバンドがやりたいっていうのが一番だったかな。自分自身あまり長く続くバンドをやってこれなかったんで、じっくり続けていけるバンドをやりたくて。そこから人の和を大事にできるメンバーを探して順々に決まっていった感じですね。

銀也(B):それぞれ音楽性が違うのは当たり前だと思うんで、音楽性よりも人間性を重視っていう。

MINAMI:“音楽的に優れていれば人間性なんて関係ない”っていう人もいたし、自分もそう考えてた時期もあったんですけど。結果バンドとしては良くないことのほうが多かったんですよね。人とのつながりを大事にできるほうが、結果いいものがステージで出せるなっていうことに気づいたので。
▲KEKE(Vo)

──この5人が揃うまでにどのくらいかかったんですか?

MINAMI:最初に僕とつかさで話をしたのが確か2017年だから……2年くらい前だと思います。そこからいろんな人に会う中でtakuma.とKEKEと知り合ったんですけど。それがいつだ?

KEKE(Vo):2017年の7月だね。

──今のV系シーンって流れが早いので、バンドを始めようと思ったらなるべく早く形にしたいなっていう気持ちになりませんでした?

MINAMI:僕個人としてはこの先、何度もバンドをやるつもりはないので、焦りたくない気持ちのほうが強かったですね。

──全メンバーが揃うまでに曲作りは進めていたんですか?

銀也:俺は去年の5月くらいに出会ったので半年ちょっと前なんですけど。“曲は今どの状況まで進んでるの?”って聞いたら、“いや何も決まってないよ”と。その時点で実際、何も決まってなかったんですよ(笑)。

MINAMI:決まったコンセプトに乗っかれる人を探してたわけではなくて、メンバー5人の色が合わさった時にウチの色になるから。後から一色入ってきて色が変わるんだったら、メンバーが決まってから具体的に進めようっていうところでしたね。
▲takuma.(G)

──でも早くやりたくてしかたなかったですよね?

KEKE:そうですね、うずうずしてました(笑)。

──現メンバーに決まって約10ヶ月になりますが、実際に活動を行っている中でこのバンドの楽しさや魅力ってどんなふうに感じてますか?

銀也:AMBEEKって音楽性が決まってないんですよ。ギター2人と僕が曲を作ってるんですけど、それぞれ持ってくるものが全然違うんですね。自分にはないアイデアを2人が持ってきてくれるので刺激になってるし、逆に俺も2人にはないアイデアを出せるし。いろんなものを取り入れながら楽しんで曲を作れてますね。

MINAMI:僕は“何をやる”よりも、“誰がやる”っていうことのほうが大事だと思ってて。アウトプットされたものよりも、どういう人間が発信するのかっていう。そこがちゃんとしてれば作曲段階でどんなものがこようが、アウトプットされた先はしっかりしたものになると思ってるので。だから音楽的なコンセプトなんていらないかなって。

takuma.(G):俺は1人1人のキャラクターが際立っているところが面白いなと思いますね。

つかさ:普段はみんなでワイワイやってるんですけど、音楽のことになると妥協せず真剣に取り組むんですよね。そのメリハリがあるところがいいなと思います。
▲つかさ(G)

KEKE:それ俺が言おうとしてたやつじゃーん!

銀也:絶対ウソ!(笑)。

KEKE:ホンマやって!今つかささんが言ってた通り普段はふざけてたり、ブッ飛んだことを言うやつもいるんですけど、バンドの話になったらメリハリが……(笑)。

銀也:笑ってもうてるやん!(笑)。

KEKE:始動ライブの映像を何回も観たんですけど。メンバーそれぞれがお客さんにちゃんと届けたいっていう熱い気持ちが映像からも伝わってきて。歌詞を口づさみながら演奏してるのを観ても曲に対しての愛があるんだなってすごい感じましたね。…どうこのコメント?何点?

銀也:92点までいったね!なかなか良かったよ(笑)。

──その2月9日に渋谷REXで行われた始動主催ライブですが、初ライブとは思えないくらいの盛り上がりでしたね。

銀也:お客さんは全曲、初めて聴くわけやないですか。それでもみんな乗ってくれてて。自分たちの音楽が伝わってるなっていう感覚はありましたね。

つかさ:曲の後半にはノリがしっかりしてて、お客さんって天才やねって思った(笑)。1回聴いただけでちゃんと対応できるってスゴイよね。

takuma.:俺はライブをやったことによってAMBEEKという音楽を自分自身が理解できたところがあるんですよね。あとメンバー間のまとまりも増したと思います。たとえば全然知らない人でも一緒にお酒を飲んだら仲良くなりやすいみたいなことってあるじゃないですか。俺らにとってはそれがライブだった、っていう。

MINAMI:僕は、初ライブなのでお客さんのノリがどうであってもきちんと受け止めようと思って臨んだんですね。そのお客さんの反応も低く設定してたんですけど、全然それを超えてきてくれたんですよね。結果、周りの仲間や関係者からもいい評価をもらえたので、成功できたのかなって。もちろん改善点は多々あるので、2本目以降はさらにより良いものになるようにブラッシュアップしていこうと思ってます。

KEKE:僕はちょっとみんなと違って、お客さんに助けられたライブだなと思ってて。みんなが言ってた通りお客さんの盛り上がりがあったからこそ、いい評価がいただけたんじゃないかなと。これからもっともっと自分が引っ張っていけるように頑張らなきゃいけないなと思いました。

つかさ:改善点は多々あるにせよ、“このメンバーで良かったな”って思えたから。それはすごい大きな収穫だったなと思います。なんか解散ライブみたいだね、“この人たちで良かった”って(笑)。

──リリースなど今後の予定は決まってますか?

KEKE:夏前くらいに音源を出せたらいいなと思ってて。リリックビデオになってる「存在証明」と、あともう1曲どれにしようかなっていう話をしてます。
──今後当然ワンマンもやるでしょうから、新曲もどんどん作っている状況ですか?

KEKE:さっきつかっち(つかさ)が言ってた通り、曲に対していろんなアイデアが出てきたりディスカッションがあったりで、1曲にかける時間がすごい長いんですね。始動ライブでやった曲たちに関してももっと詰めたいなって思う部分も出てきたし。新しく曲を作るよりも、今ある曲たちをブラッシュアップしているところですね。

銀也:次のライブでもっといいライブができるように。

KEKE:自分たちが“もういいよっ!”って思うくらいちゃんと曲と向き合いたいなって。ただ、向き合い過ぎるのがこのバンドのダメなところでもあるんですけど(笑)。

takuma.:全然進まない(笑)。

──ちなみに歌詞ではどんなことを伝えていきたいと思ってますか?

KEKE:僕自身、心に闇を抱えてて……。

銀也:その闇を出してくるんですよね。メンバーで“いやその闇はやめとこっ!”みたいな。
▲銀也(B)

──だいぶ闇が深いんですね?

つかさ:深過ぎるので。もう少し最後は明るく終われんかなあって(笑)。

KEKE:だいたいどの歌詞も闇の部分が入ってるんですけど、最終的には明るく未来に向かってる感じを意識して書いてはいるんですけど。嘘や偽りのない、良い部分も悪い部分も歌詞に出していけたらいいなと。

──現時点ではYouTubeで「存在証明」のショートリリックビデオが試聴できますね。

つかさ:そのリリックビデオは一番のサビで終わってて、歌詞もわりと暗いんですよね。闇を持った人間が書いているので(笑)。ライブに来るとフルで聴けるので、一番に出てくる主人公が最終的にどうなったのかっていうのも楽しみに来てもらえるといいかなと。

──3月25日に池袋EDGEで開催される<千歌繚乱vol.20>に出演されますが、始動主催ライブに続いて2回目のライブとなりますね。

KEKE:自分らの主催ではない対バンイベントなので、そこでAMBEEKの今の本当の実力が観られるんじゃないかなって思ってます。

つかさ:始動ライブからギターもいろいろアレンジを変えて臨むので、どっちかというとまた初ライブみたいな感覚ですね(笑)。

takuma.:音源ではなくライブなので、楽しむことを目標にステージに立ちたいなって思ってます。

銀也:自分たちがどこまでやれるのか、自分たちでもわかってないから。ただただ楽しみですね。
▲MINAMI(Dr)

──では最後にAMBEEKとしての今後の目標を聞かせてください。

KEKE:初ライブをした渋谷REXさんは僕からしたら大きい箱なんですけど。シーン自体がちょっと大きい会場を押さえる傾向があるし、周りの友達からも“もうちょっと大きい箱でもよかったんじゃない?”って言われて。でも僕はちゃんと地に足をつけて、小さいライブハウスから一歩ずつ確実にやっていきたいなと思ってるんですよ。大きな目標よりかは小さな目標の積み重ねかなと。どう?何点?

銀也:いや良かったよ。俺もそう思ってたもん。100点はいってないけどな(笑)。やっぱ積み重ねよね!

MINAMI:単純に“売れたい”っていう願望は5人全員あると思うんですけども、まだ未知数な分、目標設定ができないというか。たとえば今僕が“武道館を目標にしてます!”って言ったら、自分自身“はあ!?バカじゃねえ?”って思っちゃうんですよ。現実味がなさ過ぎて。自分たちの身の丈に合ってない目標を設定することで、踏み外して違う方向にいってしまう場合もあるから。明確なものを設定して断定するまではもうちょっと時間がかかるのかなと思ってますね。

取材・文◎牧野りえ

   ◆   ◆   ◆

AMBEEKが出演する<千歌繚乱vol.20>は、3月25日(月)池袋EDGEにて開催。チケットの購入は
から。
<千歌繚乱vol.20>

2019年3月25日(月)池袋EDGE開場 17:00 開演 17:30

出演
ARTiCLEAR/AXESSORY/AMBEEK/K/Ruiza solo works

料金 ※ドリンク代別途
一般チケット 3,800円/当日券 4,000円

チケット
3月1日(金)12:00~3月24日(日)
購入ページ:https://eplus.jp/sf/detail/2847400001-P0030001


AMBEEK ライブ情報

<Takadanobaba AREA presentsコスモタウン〜40min〜>
2019年4月10日(水)高田馬場AREA

<ever lasting>
2019年5月25日(土)渋谷REX

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