ゴリゴリの重厚なサウンドで攻める
リヴィング・カラーの
デビューアルバム『ヴィヴィッド』は
ブラックロックの
代表的なアルバムのひとつ
ブラックロック・コーリション(連合)
BRCはニューヨークを拠点とする黒人アーティストの権利を守ったり差別をなくしたりするなどの活動の他、“黒人が生んだロックを黒人のために発展させる”という使命も持っている。そもそもロックはブルースやジャズと同じく、アフリカ系アメリカ人である黒人が生み出したものであり、“白人のビル・ヘイリーやエルヴィス・プレスリーはそれらを模倣したにすぎない”という主張をしている。この主張を証明するためのツールとしてヴァーノンたちはBRCを作ったという側面もあるのだ。それだけに、BRCに所属する初期のブラックロックのアーティストたちは、ブルースを極力排した、より白人っぽいロック(パンク、ヘヴィメタル、オルタナティブなど)を演奏することが多い。
リヴィング・カラーの結成
力強いことにミック・ジャガーが CBGBでの彼らのライヴを観て大いに気に入り、リヴィング・カラーは89年に始まるストーンズの『アーバン・ジャングル・ツアー』のオープニングアクトとして、ガンズ・アンド・ローゼズとともに選ばれることになったのである。ミックは特にヴァーノンのギターが好きで、彼のソロ作『プリミティヴ・クール』(‘87)に参加させているほどだ。これが縁でレコード会社の目にとまり、88年にレコードデビューすることが決定する。他にもヴァーノンは同じニューヨークで活動していたパブリック・エネミーのデビュー作『YO ! BUM ラッシュ•ザ・ショウ』(’87)にも参加している。