ニューアルバム全曲披露!TrySail L
ive Tour 2019 "The TrySail Odysse
y"初日!会場からライブレポ

2月23日、千葉・幕張メッセ イベントホールにてTrySailのライブ・ツアー“The TrySail Odessey”が行われた。このツアーは7月まで続くグループ最大のサーキットであり、同時に翌週にリリースされるニュー・アルバム『TryAgain』を伴うツアーでもある。またアルバム・リリース前となるこの日は、いわば最新のその先を行くライブということで、ツアー初日のワクワク感がさらに輪をかけて会場を包んでいるような印象だった。

ニューアルバムを引っ提げてのライブツアーは
初披露の曲で新しいTrySailのパフォーマンスが繰り広げられた

ステージ上に不規則に立ち並ぶ、3人のイメージカラーを配したカラフルな階段つきの舞台上に麻倉もも雨宮天夏川椎菜の3人が立ち、そのまま「WANTED GIRL」のロッキンなイントロが鳴らされてライブは軽快にスタートを切った。
それぞれ色違いのチェックのあしらった衣装に身を包んだ3人がエネルギッシュにパフォーマンスすれば、観客も3色のペンライトを振って「1! 1、2! 1、2、3!」の大歓声で応える。
「最初から飛ばしていくよ!」
という夏川が叫んだあとはダンサブルな「CODING」へ。ドシンとしたキックとベースとに乗ってクールな3人のボーカル、両腕を生かしたダンスがかっこいい。中盤の「オイ!」の掛け合いもバッチリ決まった。
そして、ここでいよいよニュー・アルバムからの新曲が初披露となる。まずはポップでジャジーな「未来キュレーション」。随所に盛り込まれた掛け合いや振りがキュートな印象だ。序盤からロッキンに、クールに、キュートにと、TrySailが持つさまざまな魅力を見せつけるハイ・ボルテージなステージとなった。
MCで「私たちにとっても“Try”がたくさん詰まったツアーになると思います!」(夏川)、「みなさんと楽しい楽しい一日にしたい!」(麻倉)、「みなさんとの時間を思いっきり楽しみたい!」(雨宮)とそれぞれ語ったあとは、ソロ・コーナーへ。麻倉、夏川、雨宮とそれぞれのチャームを存分に発揮したステージで会場を盛り上げる。
そのあと白い衣装に着替えてからの中盤は、しっとりとしたセットに。「今回は“楽しむ”だけではなく、“魅せる”“聞かせる”アルバムでありツアーになっています」という麻倉のMCのあとに披露されたのは、『TryAgain』収録の「またね、」。ピアノ・サウンドをバックにしたしっとりとした応援歌的バラード。ステージ上にある舞台の階段に腰掛けて歌い上げる3人の姿が印象的だった。

続くアコーディオンの音色がノスタルジックな「散歩道」では、その階段を昇って舞台の頂上に立つ。今回のステージは、この舞台装置が効果的で、これまでの前後左右という動きに高低差を加えることでまたフレッシュな見え方となる。従来のダンス・フォーメーションだけではなく複雑な立ち位置をこなすステージングに、TrySailのさらなる進化を見た印象だ。これはぜひとも実際に生で目撃してほしい。
かと思えばステージ前面に躍り出ての「Make Me Happy?」では、軽快なモータウン・ビートに乗せて自然体なキュートさを見せるなど、こうした柔軟なパフォーマンスを見せるあたりも彼女たちの充実ぶりが伺える。

ここのパートは座って彼女たちの歌に聴き入っているようだった観客だったが、直後の「オリジナル」「バン!バン!!バンザイ!!!」では立ち上がって一気に客席もヒートアップ。熱のこもった会場のなかで雨宮が「今までとはちょっと違ったハーモニーをお届けします」と告げ、ライブ恒例となるハモり曲へ突入する。毎回既存の楽曲に3人のハモりを前面に聴かせるアレンジを施すハモり曲、今回選ばれたのは「コバルト」。これがまた素晴らしく、3人による分厚いハーモニーは圧巻で、原曲と3人の歌唱にあらたな魅力を打ち出したバージョンとなった。

ここからは彼女たちのかっこいい一面が見られるパートへ移行。スタンド・マイクを立ててのファンキーな新曲「Take a step forward」から、奥行きを使ってフォーメーションもめまぐるしいダンスを見せる「Truth.」、白の衣装から黒と青のシックな衣装に早着替えてからのロッキンな新曲「Believe」と、サウンド・アプローチはそれぞれ異なりながらも、ダンスに歌唱にとパワフルな彼女たちのパフォーマンスが展開されていく。特にヘヴィーなギターが前面に出た「Believe」では、新曲にも関わらず観客も力強くレスポンスする光景が印象的だった。
続いては、すでにファンの間では話題になっているようで、タイトル・コールの時点で大歓声が起こった新曲「Sunset カンフー」。冒頭のドラの音からしてオリエンタルなサウンドで、またカンフーを模したちょっとコミカルな振り付け、それでいながらキリッとかっこいい3人の歌唱というギャップも面白い。これからライブの定番になりそうな一曲だ。

このように新曲が多いセットでありながら大きな盛り上がりを見せているこの日、そんな観客にとどめを刺すように、今度は彼女の代表曲を一気にメドレーで聴かせるという驚きの展開に。耳をつんざくような歓声と3人のエネルギッシュなパフォーマンスをもって、ライブはクライマックスを迎えた。「TrySail史上最大の長旅になるんですけど、そのなかでこの新曲たちが成長していってくれたらなと思います」と麻倉が語ったあと、切ないポップ・ナンバー「azure」で本編を締めくくった。

発表前の新曲を数多く披露し、アンコールも含めてTrySailでは初めての試みが随所に見られたこの日のライブ。最後のMCでも、それぞれがライブ前にドキドキした想いを抱えていたが、観客の反応で自信に変わったと口にしていた3人。最後もニュー・アルバムのリード・トラックである「TryAgain」であっという間のツアー初日が幕を閉じた。
ポップでキュート、それでいてクール、アグレッシブ。そんなみんなが知る彼女たちのほかに、この日はたしかにまだ誰も知らないTrySailがいた。この日初めて披露されたアルバム『TryAgain』からの楽曲というあらたな魅力が加わったことで、その存在感はより強固に、大きくなっている。また『TryAgain』がリリースされ、ライブを重ねたあとのツアー・ファイナル、7月のFINALではそのトライアングルがどれだけ大きくなっているのか、今から楽しみだ。
なお、明日2月24日(日)の幕張公演2日目では、会場でニュー・アルバム『TryAgain』を予約すると、特製クリアファイルがもらえるとのこと。開演前にぜひともゲットしてみてほしい。

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