【インタビュー】ましのみ 恋愛・日
常・人間模様を自由な閃きで描いた音
楽! 「優しさをもってみんなにもっ
と寄り添いたい♡」

女性シンガー・ソングライターのましのみが、2ndアルバム『ぺっとぼとレセプション』を2月20日にリリースした。デビューアルバム『ぺっとぼとリテラシー』に引き続いて、自らが奏でるキーボードを軸にしつつ、新たな試みも散りばめられたエレクトロサウンド中心のポップでキャッチーなナンバーたちを輝かせるのは、ひとクセもふたクセもあるましのみらしさだ。自由な発想と奇抜な才能がダダ漏れな作品と、その超個性の源である彼女自身を探る。

■17歳で思い立った!夢を諦めずに歩み、今へと至ったストーリーに迫る
――強烈な独自性をあくまで口当たりよくポップにキャッチーにくるんだましのみさんの楽曲は、実に中毒性が高いなと思うわけですが……幼少期から音楽遍歴豊富だったりするのではないですか?
ましのみ そうだったらカッコいいなと思うんですけど、至って普通なんですよ(笑)。ピアノは小さい頃から習ってはいたものの、根本的に面倒くさがりな人間なので、1週間に1回のレッスン直前にだけ練習するというくらいで、コンクールも感性を評価してくれるようなものにしか出なかったりとか。小学生でブラスバンドをやってみたり、高校生になってバンド活動をしてみたりしつつ、全部お遊びな感じでガチじゃなかったんです。
――意外!では、高校3年生の終わり頃からシンガー・ソングライターとしての活動を始めたきっかけは?
ましのみ お遊びな感じで音楽に触れながらも、歌うことはずっと大好きで。恥ずかしさを知らない小さい頃は、歌手になりたいと思っていたりもしたんですね。ただ、物心がつくとそういう大きな夢を抱くことが恥ずかしくなっていったし、なるべくいい子でいたかったという想いもあって中学からは勉強を頑張っていたんです。けれど、大学受験のタイミングで自分が将来何をしたいかと考えたときに、歌手になりたいという夢を諦めきれず、“17歳の今その道に進まないとダメだ!”と思い立って。推薦で進学する大学を早々に決めた上で、音楽活動を始めたんです。
――本作のボーナストラック「夢ノート」の歌詞には、夢を追う上での不安や葛藤も描かれていますが、そこには当時のましのみさんのリアルな心境もにじんでいるのでしょうか。
ましのみ まさにそうです。「夢ノート」は、高3のときに人生で初めて作った曲で。再録にあたって手を加えていない1番は特に、当時の自分が思っていたことがそのまま言葉になっています。
――そういうありのままの言葉に、背中を押してもらえたりもします。なお、2ndアルバムを作るにあたって大事にしたのはどんなことですか?
ましのみ 『ぺっとぼとリテラシー』を作ったときは、“世間=ゴジラ”みたいなイメージを抱いていたから、自分が持っている刺をなるべく鋭く尖らせて闘わなくちゃ!って、負けん気とハングリー精神を燃やしていたんですね。でも、初めて自分の作品が全国で流通して、東京だけでなくほかの都市でもリリースイベントを開催していくうちに、ゴジラに見えている巨大な集合体の中に、自分の音楽を聴いてくれている人たちの顔が見えるようになって。そのことで、聴いてくれる人に対しての愛情みたいなものが自分の中に生まれて、優しさをもってみんなにもっと寄り添ってみたいな、と思うようになったんです。根がネガティブな私は、放っておくとポジティブなことを書くにしてもネガティブな言葉や刺激的な言葉を選びがちなんですけど、“寄り添う”ということにフォーカスしたことで、「美化されちゃって大変です」「錯覚」「ターニングポイント」「ゼログラビティのキス」あたりの曲では自然と伝わりやすい言葉を選んでいきました。
――「美化されちゃって大変です」の恋する乙女の盲目感なんかにしても、みんなすごく共感できるはずです。
ましのみ 好きになったら突っ走っちゃうし、それを書くんだったらバカになっちゃった歌詞でいいのかなって思って。「ゼログラビティのキス」では、そこに立ち返ることができればいろいろ乗り越えられるよねっていう恋愛の綺麗な景色に似合う言葉を選んだりとか。そういう中で自分の可能性を感じることもできました。
――また、「AKA=CHAN」の<生きてるだけでいいと言われたい>というフレーズにはハっとさせられます。
ましのみ わっ、嬉しい。元々はボーナストラックのつもりでふざけて書いたんですけど、出来上がってからこの曲は人間の核心を突いている!と思えるようになって、どんどん好きになってくる曲です。
――かと思えば、ましのみさんらしさが独走状態の「’s」みたいな曲があったりとか。
ましのみ 「’s」なんかはもう、めちゃくちゃに好きにやっちゃおう!と思って自由に作ったので(笑)。
■女子力が上がった!?「フリーズドライplease」のMV撮影裏話を直撃!!
――そんなましのみさんに翻弄されるのが、とても楽しい作品でもあります。なお、両想いになった高温期から倦怠期への移ろいをリアルに描くラブソング「フリーズドライplease」のMUSIC VIDEOでは、ましのみさんと俳優・若槇太志郎さんとの素敵なデートシーンが観られますが、撮影はいかがでしたか?
ましのみ 「台詞のないシーンで演技をするのは大変だけど頑張りましょう!」とかって初対面の若槇さんと励まし合いつつ(笑)……一番大変だったのは監督さんだったかもしれないですね。すごく寒くて雨が降る日に、夏の海辺シーンを後ろ走りしながら撮ってくれたりとかして、そういう監督を見て私たちも頑張れたところはあります。そして、これまでしたことがなかったような素敵なデートを疑似体験できて、女子的な経験値も上がりました(笑)。
――何しろ、『ぺっとぼとレセプション』を完成させられた手応え、とても大きいのではないでしょうか。
ましのみ 達成感はこれまでで一番感じられています。「タイムリー」で歩く人さん、「コピペライター」でGuianoさん(ボカロPとして人気急上昇中の現役高校生)といった同世代やもっと若い世代と一緒にアレンジをしたりとか、新たなチャレンジをたくさんできて。すごく刺激を受けたし、向上心にも火がついちゃいました。
――ちなみに、「夢ノート」にかけて2019年に叶えたい夢というと?
ましのみ 人見知りなので、まずは社交的になりたいぞということと(笑)……アルバムの制作を経て、自分の作品なんだから細部にまでこだわっていこうという意識が以前に増して高まっているので、音楽家はもちろん、いろいろなジャンルのクリエイターさんたちとも一緒に、自分の中から沸いてくる閃きをどんどん形にしていきたいです。
文/杉江優花

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