ましのみ

ましのみ

【ましのみ インタビュー】
まだ自分は伸びしろだらけだと
分かった

ましのみが2枚目となるフルアルバム『ぺっとぼとレセプション』をリリースする。デビュー作は世の中に闘う気持ちで作ったのに対し、今作は“ましのみの世界”に誘うアルバムを目指したと語ってくれた。

闘うだけじゃなくて、
私の世界にエスコートする

今回のアルバムは“受け手に寄り添う”という考えから生まれたそうですね。

デビューして以来、リリースイベントやサイン会、ライヴをして、実際にお客さんの顔を直接見たりお話をすることによって、“こういう人が私の曲を聴いてくれているんだ”と分かってきたんです。それまでは世間という強い敵に向かい、“槍を持って飛び込むぞ!”みたいなハングリー精神を真ん中に置いてやってきたんですけど、聴いてくださる方たちと交流したことよって、もっと寄り添いたいと考えられるようになったんです。闘うだけじゃなくて、私の世界にエスコートするような気持ちで作品を作りたいなと。

“レセプション”という言葉がタイトルに入っているのも、その意味を込めて?

レセプションパーティーみたいな感じですね。今回も自分の中にあるものを出して歌っていることは変わってないんです。ただ、今までは言葉の選び方やメロディーの付け方について、まずは自分が面白いと感じるものを優先していたんです。だけど、今作では“同じくらい面白いんだったら、こっちのほうが届きやすいかな”と感じる言葉を選んでいて。4曲目の「美化されちゃって大変です」とか、7曲目の「錯覚」、9曲目の「ターニングポイント」、10曲目の「ゼログラビティのキス」は、その方向性で作りました。例えば「美化されちゃって大変です」だったら、底抜けに明るくてポジティブな言葉しか使わないで書いたらどうなるんだろうと考えて。そうやってひとつひとつテーマを課して曲を書いていきました。

「ゼログラビティのキス」は包み込むような楽曲ですね。

この曲は言葉の選び方が特に寄り添っているかと思います。聴いてくれている人にプラスの感情を与えたいというか、少しでも一緒に引き上げられるような曲を書きたいという想いはずっとあったんです。でも、それをやさしさで引き上げる曲はあまり書いてこなかった気がしますね。

ましのみさんのやさしさ成分が詰まった曲が並んでいると。

そうですね。ただ、一旦こうやって何曲か寄り添えるナンバーができていった反動なのか、そのあとに自分の刺激を求める曲を書いてしまいましたけど(笑)。

確かに11曲目の「凸凹」はピアノの弾き語りだけど、まさに刺激を求めた結果のような、すごく突き抜けたナンバーですよね。

弾き語りでもバラードにこだわらず、もっと遊んでいいかなと思って。この曲は制作の最後に作ったのですが、ラストだからこそ“壊そう”くらいの気持ちで作ろうと。「凸凹」は人間にはいろいろな人の性格がいて、すごく凸凹していると思ったところから始まったんです。その人が抱えてる特徴が長所にも短所にもなり得る。それが上手くはまり合うのは難しいということをすごく感じてた時期だったので、そういうことを自然と書いていましたね。

「凸凹」は一発で録ったそうで。

はい。すごく楽しかったですよ。感情が全てみたいな曲なので、めちゃめちゃ入り込めて。疲れたけど、清々しい気分でした。
ましのみ
アルバム『ぺっとぼとレセプション』【初回限定盤(DVD付)】
アルバム『ぺっとぼとレセプション』【通常盤】

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OKMusic編集部

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