【ライブレポート】ビッケブランカが
提示した“多様性”の意味
ビッケブランカが2月10日、東京・ZEPP TOKYOにて<WIZARD TOUR 2019>のファイナル公演を行なった。1年4ヶ月ぶりのニューアルバム『wizard』を携え、全国を巡ってきたビッケブランカ。同アルバムにはローファイロック、ダンスミュージック、美しいファルセットが際立つバラード、真骨頂でもあるシンフォニックサウンドなど、バラエティに富んだ楽曲が収録されている。
ビッケブランカは幼少期、誰に習うわけでもなくピアノを弾きはじめたことをきっかけに、小学校高学年で作曲を開始した。今や作詞・作曲・編曲をこなしているが、音楽理論を習ったことはないという。またラジオ番組で語っていたのだが、彼は目標というものを設定しない。その理由は「目標だけしか見えなくなってしまうから」だそうだ。こうしたエピソードから感じるのは、恐らく、好きな音楽を好きなように、そのときのモードで作ってきたのだろうということ。
インタビューなどで、その音楽性について“多様”という言葉が用いられているのをよく見るが、そのたびに彼は「まとまりがないものを“多様”と評することもある」と前置きし、「そういう使い方をされたくない」と明言してきた。今回のツアーはその発言に対しての答え合わせの場でもあった。
インタビューなどで、その音楽性について“多様”という言葉が用いられているのをよく見るが、そのたびに彼は「まとまりがないものを“多様”と評することもある」と前置きし、「そういう使い方をされたくない」と明言してきた。今回のツアーはその発言に対しての答え合わせの場でもあった。
アンコールを含めて全18曲で構成されたセットリストは、曲調ごとにセクション分けされ、MCをきっかけに切り替わっていった。まず突き抜けるポップさを見せつけ徐々にロックテイストへ、少し落ち着いたナンバー、バラード、DJセットでのクラブモード、ポップに戻り壮大なサウンドでのフィナーレ。そのなかでビッケブランカはピアノを弾き、ハンドマイクでステージを駆け、ギターを持ったと思えばDJブースで踊る、といった具合に様々な姿を見せた。
なかでも特に印象的だったのは2曲のバラードセクションだ。ビッケブランカといえば、ハッピーな楽曲とド派手なアクションによるパワフルなライブが特徴的だが「WALK」で見せたのは真逆の部分。サビでは「歩こう」という歌詞が繰り返されるが、移動の手段として最も遅い徒歩は彼にとって“苦行”を示す言葉なのだそうだ。「素のまま届いてほしい」という思いからピアノ弾き語りで披露されたことでブレスの音一つひとつまでもが楽曲の一部となり、主人公の苦しみ、悩みがストレートに伝わってくる。聴いているだけで息苦しささえも覚えるほどで、彼の高い表現力をはっきりと感じた1曲だった。
続く「まっしろ」はドラマ『獣になれない私たち』の挿入歌として書き下ろされたもの。この曲で彼の名を知った人も少なくないだろう。バンドサウンドにのせて、しっとりとしたなかに力強さを併せ持った歌声を聴かせ、歌唱後にはドラマの監督から「バラード書いてみない? 君はバラードがいいと思うんだよね」と促されて制作に取り掛かったというエピソードが語られた。
そのときのビッケブランカは“バラードモード”ではなかったそうだが、自分では気づくことがなかった自分の良いところを引き出してもらえたことに感謝したという。
「ビッケブランカのキャリアがこの先も続いていくとして、本当に一生大切に歌っていくことになるんだろうな、きっとずっとそういう気持ちで歌えるんだろうなっていう確信めいたものがある。僕にとってすごく大切で、ターニングポイントにもなり、大好きな曲です」
2018年は映画、ドラマ、アニメと、タイアップを次々に獲得し、舞台にも初挑戦するなど引っ張りだこだったビッケブランカ。経験のなかで手に入れた、自分でも気づかなかったという新たな一面をこの日しっかりと提示したことで、 “多様”と評される楽曲たちは、説得力とともに私たちに届けられた。そして「歩く」ではなく、「はしっていこう」と歌う「まっしろ」を手にした彼はさらに頼もしい存在へと進化を果たしていた。
そのときのビッケブランカは“バラードモード”ではなかったそうだが、自分では気づくことがなかった自分の良いところを引き出してもらえたことに感謝したという。
「ビッケブランカのキャリアがこの先も続いていくとして、本当に一生大切に歌っていくことになるんだろうな、きっとずっとそういう気持ちで歌えるんだろうなっていう確信めいたものがある。僕にとってすごく大切で、ターニングポイントにもなり、大好きな曲です」
2018年は映画、ドラマ、アニメと、タイアップを次々に獲得し、舞台にも初挑戦するなど引っ張りだこだったビッケブランカ。経験のなかで手に入れた、自分でも気づかなかったという新たな一面をこの日しっかりと提示したことで、 “多様”と評される楽曲たちは、説得力とともに私たちに届けられた。そして「歩く」ではなく、「はしっていこう」と歌う「まっしろ」を手にした彼はさらに頼もしい存在へと進化を果たしていた。
アンコールでは、春にニューシングルをリリースすることと、6月14日東京・新木場スタジオコーストにて<ONE MAN SHOW「Voom Voom Room」>を開催することが発表された。ツアーではないため、「1日で全部を凝縮しないといけない、どうしよう」と言っていたけれど、困っているのではなく、楽しみで仕方ないといった様子。どんなライブが待っているのか、魔法使いの手腕に注目だ。
取材・文◎高橋ひとみ(BARKS)
撮影◎星野健太(2, 5, 6, 7枚目)
セットリスト
M0.Wizard
M1.ウララ
M2.ファビュラス
M3.アシカダンス
M4.Moon Ride
M5.Buntline Special
M6.Black Rover
M7.Wednesday
M8.Speech
M9.Lights Out
M10.WALK
M11.まっしろ
M12.夏の夢リミックス
M13.Smash(Right This Way)
M14.キロン
M15.Slave of Love
M16.Winter Beat
M17.Great Squall
ライブ情報
撮影◎星野健太(2, 5, 6, 7枚目)
セットリスト
M0.Wizard
M1.ウララ
M2.ファビュラス
M3.アシカダンス
M4.Moon Ride
M5.Buntline Special
M6.Black Rover
M7.Wednesday
M8.Speech
M9.Lights Out
M10.WALK
M11.まっしろ
M12.夏の夢リミックス
M13.Smash(Right This Way)
M14.キロン
M15.Slave of Love
M16.Winter Beat
M17.Great Squall
ライブ情報
<ONE MAN SHOW「Voom Voom Room」>
2019年6月14日(金)東京・新木場STUDIO COAST
開場17:30/開演18:30
all standing ¥4,500(税込)※ドリンク代別
オフィシャル先行受付:https://eplus.jp/vickeblanka0614-hp/
受付期間:2019年2月10日(日)21:00~2019年2月24日(日)23:59
※抽選受付となります
お問い合わせ:DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00~19:00)
2019年6月14日(金)東京・新木場STUDIO COAST
開場17:30/開演18:30
all standing ¥4,500(税込)※ドリンク代別
オフィシャル先行受付:https://eplus.jp/vickeblanka0614-hp/
受付期間:2019年2月10日(日)21:00~2019年2月24日(日)23:59
※抽選受付となります
お問い合わせ:DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00~19:00)