マキシマム ザ ホルモン

マキシマム ザ ホルモン

【マキシマム ザ ホルモン】
これからの麺カタコッテリの
話をしよう

レビュー

 『これからの麺カタコッテリの話をしよう』は便所サンダルである。…と、それだけ言っても今作やDVD『Deka Vs Deka ~デカ対デカ~』に触れてない人は分からないかもしれないが。マキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)の便サンは、亮君の脳内世界をダイレクトに体験できる転送装置になってるという設定があって…え~と、詳しく書くほどバカバカしいが、つまり音楽だけでは表現し切れない亮君の脳内世界を、自身が監修・脚本を手掛ける漫画も使って表現。今考えていることや伝えたいこと、自身を形成するルーツや多分な妄想と想像、さらに怒りや情熱といった自身を突き動かす感情と、あらゆる想いを圧倒的情報量をもって漫画と音楽という違ったかたちで表現することで、亮君の脳内世界や発想の起源をこれまで以上に深く知ることができるのが今作なのだ。

 そして、そんな今作の大きなテーマになってるのが“これからの麺カタコッテリの話をしよう”というタイトル通り、これまでとこれからのマキシマム ザ ホルモン。亮君の生活改善による激ヤセ、ダイスケはん(キャーキャーうるさい方)の頚椎椎間板ヘルニアによるライヴ活動休止、レーベル移籍と望む望まないにかかわらず、いろいろと変化せざるを得ない状況にある彼ら。これまでのように麺カタコッテリばかり食ってられない状況にある怒りや苛立ちも漫画や音楽に乗せて、“知らねぇよ!”と中指立ててヘドバンする姿はめちゃくちゃロックだし、そのリアルがガツンと胸に響く。個人的にはポップでカラフルな楽曲とMVに賛否両論あった「拝啓VAP殿」には、そんな現状も逆手に取って出した彼らの答えとユーモアがあると思って、すげぇパンクだと思ったし、やっぱりマキシマム ザ ホルモン好きだ! と思った。これまでの彼らを改めて理解して、これからの彼らにより期待が高まる再入門書的な意味もある今作。“ホルモンは苦手”って人は、もっと苦手になる臭みやエグみがあるかもだけど(笑)。

文:フジジュン

OKMusic編集部

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