L→R HIDE-ZOU(Gu)、Tsunehito(Ba)、ASAGI(Vo)、Ruiza(Gu)、HIROKI(Dr)

L→R HIDE-ZOU(Gu)、Tsunehito(Ba)、ASAGI(Vo)、Ruiza(Gu)、HIROKI(Dr)

【D インタビュー】
如何に自分の欲望に抗いながら
精神を保てるかという部分を
描いてみたかった

ただ比喩を用いて寓意的に
描いているわけではない

インディーズでの1stアルバム『The name of the ROSE』以降、約10年の間に発表された幅広い年代の楽曲が収録されているので、個人的には再発見もありました。例えば、DISC2のM15「夜の眼と吟遊詩人」。北欧民謡のようなメロディーでリズムは3拍子。“こんな楽曲もあったのか!?”と改めて感じたところです。あと、DISC1のM11「Desert Warrior」もそうで、世界観が振り切っているからか、ある意味でスタイリッシュな楽曲ではないところが新鮮でした。みなさんそれぞれに印象的だったり、再発見があったりした楽曲を挙げていただくとするとどうなるでしょうか?

Ruiza
僕も「夜の眼と吟遊詩人」が印象に残ってますね。今回、収録されて、より印象的になったというか。この曲のあと、第一章の最後に向けて進んでいくんで、すごく一丸となっている感じというか。10月にライヴでこの曲を演奏する機会もあったんですよ。それもあって、実際に自分でアコギを弾くタイミングもあったので…自分で言うのもあれですけど(笑)、“めちゃいい曲だな”って思って。「夜の眼と吟遊詩人」から「鬨の声」、そして「Dandelion」という流れもものすごく良くて。

「夜の眼と吟遊詩人」の歌詞は一見、寓話的に見えて、実は実際のバンドの方向性を示唆しているように感じられますよね。そこもいいです。

ASAGI
物語を寓話的に描いていることは多いですけど、ただ比喩を用いて寓意的に描いているわけではないですね。フィクションですが、それぞれのメンバーの特性であったり、雰囲気をこの15年間で感じ取った上で描いています。戦いの前夜、炎を囲んで気持ちをひとつにする。誰にだって自分の最後の日がいつかだなんて分からないんですよ。だから、いつも血戦に向かう気持ちで生きている。そんな中、心許せる仲間と語らう僅かな時間っていうのは特別な時間なんです。永遠に続けたい、そう思ってもこの時間が永遠に続かないことは頭では分かっているんです。それでも永遠を追い求めたいじゃないですか。初めから何年目で解散するって決めてから活動なんてしませんから。だから、必死に戦いながら、時に癒されながら日々戦い続けているんです。そういう雰囲気が曲から感じ取ってもらえるなら光栄ですね。

なるほど。HIDE-ZOUさんにとって印象的な楽曲というと?

HIDE-ZOU
僕は自分が役を担っている、風を司るヴァンパイア・ラファーガの曲の「翠緑の翼」ですね。初めてキャラクター設定が生まれた曲なんです。あと、新曲の「Ghost in the mirror」は最新のラファーガの曲であるわけで…そう考えると感慨深いなと思ってます。ラファーガというキャラクターがASAGIさんの中で誕生して初めて曲に反映されたものと、その最新のものができて、作品としても凝縮されたというか。それらが収録されたのはすごく感慨深いですし、リマスターしているから音の感じも最新のDのサウンドになっているので、本当に満足だし、まさに自信作というか。

「Ghost in the mirror」はピアノの綺麗なサウンドにノイジーなギターが重なるサウンドが興味深いです。

HIDE-ZOU
ピアノの音にもちょっとディレイをかけてて。本来だったらギターでやるところなんですけど、あえてピアノで音作りしたことが楽曲のイメージにぴったりはまりました。

Tsunehitoさんはいかがですか?

Tsunehito
それぞれの楽曲に思い入れはあるんですけど、自分は火を司る女性のヴァンパイア、カーバンクルの役を担っているので、カーバンクルが主役である「ひび割れた柘榴石」だったり、「愛は棺の中に」だったり…思い入れが強いですね。2曲ともバラードなんですけど、こういった感じのバラードがあることで流れの中のひとつポイントになったらいいなと思っていたので、それが嬉しかったです。あと、DISC2の最後に「Dandelion」が入っているのはすごく重要な意味があるところだなとも感じますね。ここで1度“ヴァンパイアストーリー”が幕を閉じたんですけど、現実でも“ヴァンパイアストーリー”の中でも同じ月日が流れて現在があって…という流れがあるので、完全につながっているというのが、やっぱりものすごく意味を持っているなと感じますね。

「ひび割れた柘榴石」「愛は棺の中に」「Dandelion」はいずれもタイプは異なりますが、それゆえにDというバンドがさまざまなアプローチのできることを示す好例だとは思いますね。

Tsunehito
そうですね。激しく、ゴリゴリだけじゃないというか、やさしい部分だったりとか、いろんな物語やシーンが見えるというのは、このベストアルバムを聴いてすごく感じられると思います。

HIROKI さんはやはり「ザハブを継ぐ者」でしょうか?

HIROKI
そうですね。ドラムソロ曲を収録させていただいてるので(笑)。『VAMPIRE SAGA』(2011年1月発表の6thアルバム)と『KINGDOM』(2014年11月の7thアルバム)でもドラムソロ曲が入っているのですが、今回もASAGIくんから“ドラムソロを入れてみたらどうかな?”と言われて“ぜひ!”ってことでやらせてもらったんです。「千夜一夜のダラブッカ」のリズムのベーシック作業をしながら「ザハブを継ぐ者」のドラムソロを考えていたので、景色は見えていましたね。「千夜一夜のダラブッカ」とはまた違った、ウィルダネスという自分のキャラクターが旅をしているようなイメージで、リズムが変わっていくことで風景がどんどん変わっていくような感じにしたいと思って作らせてもらいました。テクニカルな要素も詰め込ませてもらいましたし、ポリリズム的なことも取り入れたりとか…でも、ビート感は一定に感じられるという。

メロディーにしてもパーカッシブなリズムにしても、容赦なく異国感のあるナンバーですよね。

HIROKI
ですよね(笑)。これは全編通しての話になるんですが、Dってテクニカル要素もありつつ、すごく音楽の幅も広いことを改めて自分自身も感じましたし、聴き手にとって期せずした展開もふんだんに盛り込まれているので、全曲通して聴いてほしいと思いますね。

『Vampire Chronicle ~V-Best Selection Vol.2~』収録曲でASAGIさんにとって特に印象深いナンバーを挙げていただくとすると?

ASAGI
どれも想い出が詰まっているんですが、強いて言うなれば「Vampire Missa」ですかね。Dとして一番初めに生まれた曲で、やはりこの曲がなければ今のDはなかったと思えるので。

OKMusic編集部

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