【超特急 ライヴレポート】
『BULLET TRAIN Arena Tour 2018
GOLDEN EPOCH』
2018年12月7日
at さいたまスーパーアリーナ
開演を告げるSEが鳴り響き、天井からゆっくりと下降を始めた巨大な長方形の物体。“あれは一体何だろう?”と思って見つめていると、メインステージの高台とアリーナ席のど真ん中にあるセンターステージをつなぐ長いスロープと化してびっくり! そして大量に吹き上がったスモークの中からメインダンサーのカイ、リョウガ、 タクヤ、ユーキ、ユースケとバックヴォーカルのタカシが登場。6人がスロープを下りながらパレードして1曲目「No.1」がスタートした。ドラマチック極まりないオープニングを目の当たりにして、一気に興奮の極みへと到達していた8号車(ファンの呼称)。広大な客席の全エリアで掲げられた色とりどりのペンライトの光が、まるで美しい星空のよう。ファンタジー映画を観ているかのような感覚をいきなり噛み締めさせてくれたこのライヴは、その後も片時も目を離せない場面の連続となった。
12月26日、27日の大阪城ホール公演がこの先に控えているので、披露された曲の詳細がわかる描写は極力控えるが、最新アルバム『GOLDEN EPOCH』の収録曲はもちろん、お馴染みの代表曲も満載となっていたことには触れておきたい。初披露の曲も8号車を大いに沸かせていたが、そんな中でも鮮烈だったのが「霖雨」だ。メインステージの高台にスポットライトが当たり、浮かび上がったグランドピアノに向かっていたのは、なんとリョウガ! 彼によるピアノ伴奏でタカシが歌声を響かせ、メインステージでカイ、タクヤ、ユーキ、ユースケがエモーショナルなダンスを繰り広げたひと時は、超特急のパフォーマンスの新境地を感じさせる素晴らしいものであった。
今回のツアーの総合演出はユーキが手掛けていて、タクヤはさいたまスーパーアリーナ公演の衣装、カイは大阪城ホール公演の衣装、リョウガは場内・グッズコーナーのアナウンス、ユースケはエンドロール映像、タカシは本ツアーロゴと他のメンバーたちもプロデュースの手腕を発揮しているのが要注目のポイントだ。そしてアリーナ会場ならではのダイナミックな演出が随所に盛り込まれているのも大きな見どころなので、大阪城ホール公演に行く人はお楽しみに! さいたまスーパーアリーナ公演でも息を飲まされる瞬間が何度もあった。可動式LEDを駆使しながらメンバーによる現実のダンスと映像を幻想的にリンクさせていた「Time Wave」、80発の火薬を使った特効がスリリングな空間を生み出していた「Time of GOLD」などは、あの場にいた全ての8号車にとって、忘れられない鮮烈な思い出となったのではないだろうか。
アンコールのMCでメンバー各々が想いを語った後、“さいたまスーパーアリーナに立てたなんて、今でも夢のようです。これからも明るい未来へと、長い道のりを走っていきたいです!”と、リョウガが全員を代表して力強く宣言すると、熱い拍手がステージにいる6人を包んだ。そしてダブルアンコールも行なわれて迎えた終演。“以上、僕たちは超特急でした!”と挨拶をした彼らは、爽やかな笑顔を浮かべながら何度も手を振ってステージを後にした。ユースケがプロデュースを手掛けたエンディング映像を眺めながら、楽しかったライヴの余韻をじっくりと噛み締めていた8号車。最後に“1月期テレビ東京ドラマ24『フルーツ宅配便』主題歌決定”“4月からグループ史上最大規模の全国33公演のツアーを開催”という嬉しいニュースが映し出された瞬間、大歓声が上がった。“GOLDEN EPOCH=黄金時代”という言葉通りの姿を示すようになっている最近の超特急の輝きは、とにかく圧倒的なものがある。2019年も全速力で駆け抜けながら劇的な進化を遂げるに違いない。
撮影:米山三郎、深野照美、冨田 望、山下陽子/取材:田中 大
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