Razika / Slipp meg fri 時代に流さ
れるでも、抗うでもなく、“楽しむ”
。バンドのワクワク感が詰まった傑作
アルバムがノルウェーから到着!

ノルウェーの4人組インディ・ポップ・バンド、Razikaが、11月30日(金)に4thアルバム『Sånn Kjennes Verden Ut』(英訳:That’s how the world feels like that)をリリースしました。今回はアルバム1曲目の「Slipp meg fri」(英訳:Let me go)をご紹介します。
世界の音楽シーンでは「バンドが厳しい時代」と言われるようになって久しいですが、そんな中、バンド・アクトとして世界の最前線で孤軍奮闘を見せているのがThe 1975。先日リリースしたアルバム『 A Brief Inquiry Into Online Relationships(https://open.spotify.com/album/6PWXKiakqhI17mTYM4y6oY?si=-yzabMo_QkWOq6eYtuwmkg) 』は、その持ち前のポップ・センスと様々な音楽性を吸収したサウンドで大きな話題を集め、バンドの新たな可能性を示しました。個人的には、バンド・アクトとしてThe 1975のアルバムと同じくらいワクワクさせてくれたのが、このRazikaの『Sånn Kjennes Verden Ut』です。

こちらもオンタイムのポップ・ミュージックを彼女たちなりに解釈し、オリジナリティとアイデアを詰め込んだ傑作だと言えるでしょう。この「Slipp meg fri」の、隙間のあるビートや細かく刻むスネア、そしてこの130前後のBPMは近年のEDMやトラップのリズムそのもの。また、歌にもヒップホップ、ラップ的なアプローチを感じ取ることができます。一方で、The1975の「 Give Yourself A Try(https://open.spotify.com/track/619pVMIK3WvX529JIkQTY3?si=B7J6k1s9T2-fKnspRJ-IxQ) 」やMUSEの「 Pressure(https://open.spotify.com/track/3eSyMBd7ERw68NVB3jlRmW?si=iIt6MXBXRrOVnc2s1VcbGA) 」などで見られた、ノイジーなギターがこの曲にも採用されており、これも楽曲の中で良いフックになっています。

なお、、クレジットを見ると全曲に同郷のSSW・Matias Tellezがプロデューサーとしてクレジットされており、今作のウェルメイドなサウンド・プロダクションには彼も一役買っていそうな気配。

しかし、何より素晴らしいのは、基本的にギター、ベース、ドラム、そしてシンセというオーソドックスなバンド構成で作品が完結しているという点。そして、Razikaとしてのアイデンティティをしっかりと保っている点です。彼女たちのこれまでのアルバムと並べて聴いても違和感なく聴くことができます。時代に流されるでもなく、抗うでもなく、今の状況を楽しみながら、自分たちらしい音楽を作ろうとしている様子が浮かんでくる、そんなアルバムになっているのではないでしょうか。
【リリース情報】

Razika 『Sånn Kjennes Verden Ut』

Release Date:2018.11.30 (Fri.)
Label:Jansen Records
Tracklist:
1. Slipp meg fri
2. Alt du føler er feil
3. En sjanse til
4. D esje meg
5. Sjørøver
6. Baby, gi meg kjærlighet
7. Flyplassen
8. Linjal
9. Det går ikke
10. Koring til På trynet
11. På trynet
12. 20 dager
13. Husk 26. januar

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