「あなたには渡さない」主題歌で初めて
のコラボレーション。chayとCrystal K
ayにインタビュー。

2018年、意外なコラボレーションが実現した。ピュアでまっすぐなラブソングを歌うシンガーソングライター・chay(チャイ)と、CHEMISTRY(ケミストリー)や安室奈美恵m-flo(エムフロウ)などさまざまなアーティストとフィーチャリングし幅広いジャンルで音楽活動を行うCrystal Kay(クリスタル・ケイ)。木村佳乃主演のドラマ「あなたには渡さない」の主題歌『あなたの知らない私たち』を艶っぽく踊り歌い上げる二人のミュージックビデオも公開され、新たな一面が引き出されている。

話を聞いてみると、二人の共通点が次々と明らかに。初めての共演とは思えない息の合ったインタビューをご覧ください。

Photography_Reiji Yamazaki
Text_Yukari Yamada
Edit_Kenta Baba
chay feat. Crystal Kay『あなたの知らない私たち』

憧れの存在とのコラボレーションが実現

――今回のコラボレーションで制作から今日の取材まで長い時間を一緒に過ごしてみて、お互いに見えた新しい一面などありましたか?

chay : レコーディングとかミュージックビデオとかジャケット撮影とかいっぱい一緒にやってきましたけど、曲が完成するまでは結構バタバタしていてちゃんと話す機会がなかったんです。取材期間のこの数日で、すごく距離が縮まった気がします。

――趣味のお話とかはされました?

chay : お互い飲むのが好き。

Crystal Kay : あとは女っぽくないってこともわかったよね。二人とも中身がオッサン。

――ええ!(笑)
chay : 私は一人で五反田に飲みに行って、酔っ払ってマッサージして帰ります。

Crystal Kay : 完全にオッサンだよね(笑)。

――哀愁すら漂いますね。

chay : 完全に中年のサラリーマンと行動パターンが同じです。

――良いですね。そのギャップ。

Crystal Kay : しかもお酒も強い。

chay : 割と、まあまあ。

――クリスタル・ケイさんも強い。

Crystal Kay : はい。弱くないです。

――結構、深くまでいくときはいきますか。

Crystal Kay : いくときはいきますね。

chay : レコーディングやライブの前はさすがに喉がやられちゃうからあんまり飲めないんですよね。落ち着いたら行きましょう!

Crystal Kay : ぜひ、朝まで。

――いいですね(笑)。まず、今回お二人がコラボレーションすることになったきっかけを伺ってもいいでしょうか?

chay : 最初はフェスでご一緒してから、音楽番組の収録やライブイベントでもご一緒することが何度かあって、その都度ご挨拶したり、少しお話しすることがあったんです。私がもともとクリスタル・ケイさんのことが大好きでずっと聴いていたので、お会いできるだけでも緊張していたんですけど、いつか楽曲でもご一緒できたらいいなと、漠然と思っていて。

そんなときに、「あなたには渡さない」の主題歌のお話をいただいて、ドラマ側の方から「どなたかと一緒に歌ってみたらいかがですか?」って提案していただいたんです。私はずっとソロでやってきたから、自分の曲で誰かとフィーチャリングするなんて想像もしていなくて。今年5周年を迎えて、新しいことに挑戦してみたいと思っていたから、誰かとフィーチャリングするのも良いかもと思って。

私、今までピュアでラブソングが多かったんですけど、今回のドラマの内容がこれまで私が書いたり歌ったりしてきた曲の世界観と真逆で。すごくドロドロした大人のストーリーだったので、いろんな方のお力を借りて、ドラマをバックアップできる素敵な曲にしたいなと。それで、大人な雰囲気も持ち合わせているクリスタル・ケイさんだったら素敵だろうなと思って、ダメ元でオファーしました。「chayかよ〜」って言われるかと思ったんですけど、すんなり受け入れてくださって、今に至ります。

――そうだったんですね。クリスタル・ケイさんはオファーが来たときいかがでしたか?

Crystal Kay : chayかよ〜。

(一同笑)
Crystal Kay : ってのはもちろん全くなかったですね(笑)。びっくりしたけど、嬉しかったです。テレビ番組とかではすれ違いが多かったんですけど、歌ってる姿は何度も見ていて、本当に上手だなと思っていました。こんなに可愛いのに、ちゃんと自分を持っていて、歌もしっかりしていて。それでギターも弾けるなんて他にはいないでしょう。だから、私たち二人はがどんなコラボになるんだろうって期待が強かったですね。

chay : 確かに意外なコラボだから、どうなるのか私も楽しみでした。

――実際にコラボされてみてどうでした?

chay : 良い化学反応でした。声質も違えば、それぞれが今までやってきた音楽のジャンルも結構違う。だけど今回、レコーディングで2人の声が初めて重なったときに、すごくしっくりきたんです。やっぱりクリスタル・ケイさんにお願いして良かったなと思ったし、それぞれのキャラクターの違いが今回の主旨にぴったりで。クリスタル・ケイさんは悪女っぽく、私はしたたかな女性のイメージで歌いました。

Crystal Kay : 怖い感じ。

chay : そうそう、実はこっちのタイプのほうが怖かったりしてね(笑)。本当にそれぞれの女性が火花を散らしている感じが表現できて良かったなと思いました。

――今回、曲のアレンジとしてもお二人にとってかなり新鮮だったんじゃないでしょうか。

chay : すごく新鮮でした。楽器も全て生演奏してくださって、ドラマの臨場感を、武部聡志さんが見事に表現してくださったので。そんなオケのレコーディング風景を見学して、そのまま歌のレコーディングに入ったので、こちらも掻き立てられながら歌いましたよね。

Crystal Kay : うん。贅沢でしたね。

コラボレーションは刺激を受け合える。

――chayさんにお聞きしますが、憧れの存在と実際にご一緒してみて、やっぱりすごいな!と思ったところは?

chay : ありすぎて選べないです。歌唱について言えば、足元にも及ばないくらいいろんなテクニックをお持ちで。例えば歌いまわしの語尾の抜け方がすごくかっこよくて。それに、私はすごく心配性で、ディレクターや監督にOKって言われても「本当にこれで大丈夫かな?」って不安になって、時間が許す限り何度もトライしちゃう。それでも結局一番最初が良かったりするんですけど(笑)。

クリスタル・ケイさんはすごく潔い性格だし、来年がデビュー20周年で、その経験からだと思うんですけど、も一発OKがかなり多いし、OKが出たらそれで自分も納得できる自信はさすがだなって思いました。
――関係性としては、クリスタル・ケイさんが先輩のような。

chay : 大先輩です。でも、いつまでも縮こまってたら良くないなと思って、頑張ってちょっと触ってみたりして。

(一同笑)

chay : 写真を撮るときに、「触っていいですか?」って聞いちゃった。

Crystal Kay : でも、触った後に聞くんですよ。全然いいんですけど。

(一同笑)

――クリスタル・ケイさんも安室奈美恵さんなどとコラボレーションされているわけですが、chayさんは可愛い後輩のような存在なんでしょうか?

Crystal Kay : そうですね。もちろん可愛さもあるんだけど、本当に結構負けず嫌いなんですよ。自分のビジョンをしっかり持っているから今こうやって活躍しているんだろうなって、一緒に仕事をしてみて見えてきていますね。見習わなきゃなと(笑)。

――逆に刺激を受ける部分もあったり。

Crystal Kay : うん。あります。

chay : コラボレーションって刺激を受け合えるいい機会ですね。私はあまり経験がなかったけど。

Crystal Kay : 自分自身の発見もあるからおもしろいですよね。

――クリスタル・ケイさんはこれまでコラボレーションしてきた方々から、さまざまなことを吸収してこられたんじゃないでしょうか?

Crystal Kay : 男性も女性も関係なく、とにかく刺激になります。以前m-floとコラボしたことがあるんですが、あんなふうに英語を積極的に取り入れるアーティストって、多分彼らが初めてだと思うんですよ。彼らはインターナショナルで英語も話せて、日本語もできるから、本当にお兄ちゃんのような存在なんです。私以外にハーフでデビューした人って、そのときは全然いなかったから。
m-flo loves Crystal Kay / REEEWIND!
m-flo loves Crystal Kay / Love Don’t Cry

chay : 確かに。

Crystal Kay : 当時私は17歳だったんですが、☆Takuは複雑で実験的なトラックを堂々とやっていたから、それを見て自信をもらったというか。英語でかつ音楽で自分のアイデンティティ堂々と楽しく表現しているのを見て、自分もこうやっていいんだって。コラボする人によっていろいろな刺激があるので、毎回楽しいです。
Crystal Kay feat. 安室奈美恵 – 「REVOLUTION」Music Video(Short ver.)

あなたの知らないchayとCrystal Kay。

――お二人とも、音楽以外に挑戦されていることがあるということで、曲のタイトルにちなんで「あなたの知らない◯◯」をお聞きしてもいいですか?

chay : 私はオッサンです(笑)。

――ははは。ダメ押しの。

Crystal Kay : あ、私は陶芸が好き!

chay : ええ、それは知らない一面!

Crystal Kay : 超おもしろいよ。ろくろを回すのも結構うまいの。

chay : へえ、意外すぎる。やってみたい!

――それはご自身用に作るんですか?

Crystal Kay : 自分用に作ったり、友人の誕生日プレゼントにしたり。最近やってないからちょっとどこかでやろうかな。

――そういう窯があるんですか?

Crystal Kay : びっくりした。そういう窯を持ってるんですかって意味かと思った。

chay : やばい(笑)。

Crystal Kay : 持ってます、なんてね(笑)。でも、ネットで調べたら結構あるみたいです。私は学校でもやっていたんですけど、温泉地に行くとよくありますよ。茶碗とか作ったりします。

chay : やっぱりどこかオッサン感が……。

――ははは。

Crystal Kay : いっぱい作ってグッズとかにしようかな(笑)。

chay : 何百個って作らないとね。

――大変ですけど、ファンは嬉しいですね(笑)。chayさんは?

chay : 私は本当に一人で飲み歩いては酔っ払っていますね(笑)。あと、楽曲のイメージからすごくハッピーでポジティブそうだって言われるけど、実はネガティブだし、結構引きこもりかな。家ではおしりをポリポリ掻きながらポテチを食べて、ワンちゃんと一緒にバラエティとか見てるタイプ。

――いわゆる干物女的な……? これ、記事にしちゃって大丈夫ですか……?

chay : 全然いいですよ(笑)。スルメとか、おつまみが大好きです。

Crystal Kay : ははは。

chay : 差し入れでマカロンとか可愛いものをいただくことが多いのですが、スルメとかジャーキーもいただけたら嬉しいです。

Crystal Kay : 言ったらいいじゃん。

chay : そう、ファンの方々は好みを知ってくれてて、誕生日にたくさん贈っていただいて。家には一生分のおつまみがあるんです(笑)。

――あの、糖尿病とかだけには気をつけてくださいね。

chay : そうなんです、本当(笑)。

可愛い大人になりたい。

――ドラマでは強い女性が描かれているわけですが、お二人にとって理想の女性像や、憧れている方は、いらっしゃいますか? あるいは、ご自身がこうなっていきたいと思う目標があれば、教えてください。

chay : 努力している人はやっぱり輝いているなって思います。

Crystal Kay : 私は可愛いおばあちゃんになりたい。でも本当に、努力している女性がかっこいいし可愛いし綺麗ですよね。そういうふうに生きて、他の女性にパワーをあげられる女性になりたい。
chay : 表面だけじゃない美しさに憧れますね。年齢を重ねるごとに内面の美しさとか、努力してるかしてないかって出てくると思うし。若いときは表面的な綺麗さってすごく目につくし、それだけで綺麗に見えるけど、年齢を重ねていくと、その深みや輝き努力で違ってくるなって思います。

Crystal Kay : 見て分かるよね。

chay : めっちゃ分かる。

――これまで現場でご一緒した方で、具体的にそういう方にお会いしたことがあるんですか?

chay : 私は尾崎亜美さんですね。気さくで優しい方だし、思いやりがすごく自然というか。以前レコーディングをご一緒したことがあって、ライブにも出させていただいたりしたんですけど、スタッフにも演者にも分け隔てなく優しいんです。それでいて、いくつになっても天真爛漫ですごくピュアで、すごく可愛いんです。だから、あんな風に可愛い大人になりたいなって。

――すごく素敵な方ですね。クリスタル・ケイさんはいかがですか?

Crystal Kay : アン ミカさんがすごく好きです。努力の塊だと思う。ああいう人って、ネクストレベルなんだよね。気の遣い方が半端ないし、もう、全部ポジティブ。まあ、人の悪口はまず出ないし、ネガティブがない。

――経験の厚みがそうさせるんでしょうか。

chay : でも、絶対いろんなことを経験してそうなりますよね。すべては経験だと思う。

――確かに。

chay : あと、想像力が豊かな人が好きですね。多分、人を傷つける人って想像力の欠如だと思うんです。これを言ったらこの人がどんな気持ちになるかとか、こういう行動したらこの後どんなことになるのかとかが想像できない。だから私も人の気持を考えられる人になりたい。

Crystal Kay : アン ミカさんはすごいよ。愛もすごいし。

chay : ああ、会いたい!テレビで見てるだけでも好きだもん。元気になれそう。

Crystal Kay : なれるよ〜!今度会おう。

いろんな経験が歌に繋がっていく。

――他のお仕事から音楽にプラスになっていることってあったりしますか?

chay : 私、CanCamのモデルもやらせてもらってるんですけど、可愛いものや洋服を見ていて曲のイメージが浮かぶことがあって。順番が前後しちゃうかもしれないけど、「この衣装を着て、ああいう演出で歌うような曲が歌いたい」とか。
Crystal Kay : 私は演技かな。ワークショップに行ったりするんですけど、考えたことのないアングルから、想像力を引き出す練習があるんです。みんなで輪になって、ランダムに真ん中に行って、先生がかける曲で自分がとっさに感じた記憶を子供の頃の動きで表現するとか。

chay : へー。すごい。

Crystal Kay : 「ああ、こういう表現の仕方があるんだ!」って。最初はみんなすごく恥ずかしそうなんですけど、やればやるほどどんどん出てくるんですよ。なんだろう……自分でさえ忘れていた何かが出てくるというか。あとはシンプルなセリフをもらって、2人で芝居をやるワークもあるんですけど、パートナーとそのシーンを何度も繰り返すんです。同じことを言ってるんだけど、どんどん表現が変わってくる。歌も演技も同じパフォーマンスだから、表現の方法っていっぱいあるんだなって。

――ワークショップもさっきの陶芸もですけど、結構チャレンジしてみるんですね。

Crystal Kay : やってみるの、好きです。旅行するときも、地元のツアーに行ったりしますね。

――変わった体験をすることもありましたか?

Crystal Kay : そうですね、ベトナムに行ったとき、メコン川のツアーをブッキングしたんですけど、私以外の参加者が誰もいなくて。もう、プライベートツアーみたいな(笑)。

chay : へえ〜、素敵!

Crystal Kay : そう。メコン川に行くまでも2時間くらいかかるんですけど、ガイドをしてくれたのがホーチミンに出稼ぎに来てる23歳くらいの男の子で。勉強中の英語で一生懸命ベトナムの歴史とかを全部教えてくれたんです。感動して泣きそうになっちゃった。そういう人間の繋がりみたいなものって、旅してみないと分からない。そういう経験が歌にも繋がるんじゃないかなって思います。

――本当にそこでしかできない経験ですもんね。最後になりますが、これから挑戦してみたいことがあれば、ぜひ聞かせてください。

chay : 留学してみたいです!

――おお、どちらに?

chay : たまたまなんですけど、クリスタル・ケイさんが今の私と同い年くらいのときにニューヨークに行っていたそうで、私もいつか留学してみたいんだけど、なかなか勇気が出ないんですよね。

――それは語学目的で?

chay : 語学が主ですけど、現地のエンターテイメントにも触れたいなと。でも、絶対一人で行ったらやばいよね。

Crystal Kay : そんなふうにニコニコしないほうが良いと思う。悪いやつに絡まれちゃうよ。

chay : えー怖い! ちょっと口角を上げるだけでえくぼでちゃうんですよね。

Crystal Kay :

――そんなクリスタル・ケイさんが挑戦したいことは何ですか?

Crystal Kay : やっぱり演技かな。小さい頃、女優か歌手になりたかったんです。

chay : 表現するのが好きなんですね。

Crystal Kay : 映画を観るのが超好きなんです。やっぱり、観ている人をそういう気持ちにさせるって、すごくないですか。悪い役でもファンになったりするじゃん。その人の演技力でその世界に入り込ませてるわけじゃないですか。それってすごいなって。だからもっと演技をやってみたいですね。

――どんどん活動の幅が広がっていきますね。来年の20周年、すごく楽しみにしています!

〈リリース情報〉

New Single『あなたの知らない私たち』
2018年12月5日発売

初回限定盤(CD+DVD) WPZL-31550/1
通常盤 WPCL-12969
[CD]
1.あなたの知らない私たち
2.あともう少し
3.Kiss me -Xmas version-
[DVD]
2017/08/19 chay Tour 2017″chayTEA”ファイナル公演@昭和女子大学 人見記念講堂

〈ライブ情報〉

「chay Xmas Live 〜Fairy Tale〜」
2018年12月25日(火)
東京・渋谷 AiiA Theater Tokyo
18:00開場/19:00開演
スペシャルゲスト:Crystal Kay


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あなたの知らないchayとCrystal Kay。はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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