根暗な歌詞も織り交ぜたキャッチ―なバンド、ネクライトーキーって?

根暗な歌詞も織り交ぜたキャッチ―なバンド、ネクライトーキーって?

根暗な歌詞も織り交ぜたキャッチ―な
バンド、ネクライトーキーって?

ネクライトーキー、インタビューメンバー

( 左、もっさ[Vo,Gt] / 右、朝日[Gt] )
ネクライトーキーのバンド名の由来
──ネクライトーキーさんはUtaTen初登場ですので、まず始めにバンド名の由来から教えてください!
もっさ:はい。ネクライトーキーっていうバンド名は、最初もともと朝日さんがトーキーメモリーズっていうバンド名を持ってこられて、それはないなという(笑)“ちょっとなんかダサくない?”みたいな話をしまして(笑)
朝日:俺が考えるとよりダサい方へダサい方に行ってしまって…。
もっさ:それを修正しようっていうことなりまして。まずトーキーっていう話し手?
朝日:トーキーっていう話者みたいな。でもどうしてもそれは使ってほしいって思って。
もっさ:そこは使おうっていうことでトーキーだけ残して。曲調はポップやけど歌詞の部分でちょっと根暗な部分が見え隠れするっていうか。その根暗をとって、根暗→暗い→泣くとか叫ぶとかいう意味があるcry(クライ)とlight(ライト)って光とか意味があって、これだけの中にいろいろ詰まってるから、それを書いて提出したらなぜか採用されました。

──(笑)そんな理由だったんですね。
朝日:はい。ボーカルのもっさが考えたバンド名です。
もっさ:考えたっていうか考えさせられたというか(笑)
朝日:そう。その日集まってみんなバンド名候補を考えてくるはずだったんですけど。
もっさ:「みんなで持ち寄って考えようね。10個ぐらい1人ノルマ」って考えていって「みんな出して」ってスッて出したのが私だけだった(笑)騙されたことになりました。

──なるほど。皆さん根暗だったりされるんですか?
朝日:その辺は難しいですね(笑)
もっさ:根暗じゃないって言ったほうがいいかも根暗…こんな感じ(笑)どうなんですかね。
朝日:根暗かどうかは分かんないんですけど…
もっさ:根明ではないなっていうか、なんですかね。
朝日:確かに世の中明るい人って信じられないぐらい明るいから、そこまで明るくはないなっていう。暗いかどうかも自分じゃあんまりよく分かんないんですけど。
もっさ:歌詞を見ると暗いなって思うけどね。

──結構アウトドアとインドアだったらインドア派なんですか?
朝日:僕は少なくともインドアです。

──インドアですか。もっささんどうですか?
もっさ:インドア…そこまでインドア派ってわけではないです。外が好きです。空気が。外に遊びに行くというよりかは、外に散歩するのが好きなのはインドアなのかアウトドアなの分からないです(笑)

──このアーティスト写真もゲームを持ってやられてると思うんですけど、結構皆さんゲーマーなんですか?

朝日:それはもう僕の趣味で。僕が多分1番やったゲームなんです。任天堂の64なんですけど。
▲ネクライトーキー アーティスト写真
──64なんですか!
朝日:64ですね。なんとなくアー写で撮りたいなっていうのがあって。だから僕の意向なんで、ベースとかはあんまりゲームしないですし。ドラムもそこまでやるって印象はない
です。
もっさ:1番ゲーマーなの朝日さん。
朝日:ゲーム好きなのは僕です。

──ちなみに64ってことはスマブラとかですか?
朝日:まさにそうです。スマブラやりながら撮った写真で(笑)
もっさ:スマブラを真剣にやってます。
朝日:ちゃんと照明もたかないといけないから結構大変で。
もっさ:画面がちょっと見にくくて…。
朝日:そう。だからその藤田とかも、照明をちょっとよけながら画面を覗き込んでるんです。でも、もっさが真ん中にいなきゃいけないから大変だったよね。
もっさ:1番照明がど真ん中にあるから何がどうなってるか分かんなくて。
朝日:だからみんなでもっさをボコボコにするみたいな(笑)
もっさ:そう。ボコボコにされて笑ってる(笑)

──これって誰かのお家で撮られたんですか?
朝日:タケちゃん(タケイ・カズマ)の家なんですけど。
もっさ:タケちゃん(笑)まさにそうです。家です。

──ちなみにそのゲームのときってどなたが勝ったんですか?
朝日:僕です。

──さすがですね!
朝日:そこはもう容赦なくいこうと思って。みんながあんまりやっぱやらないんでね。

──もっささんも、ゲームとか強そうですね。
もっさ:スマブラはちょっと弱いんですよ…。あんまりやってなくて。
朝日:マリカーは1回負けたな。
もっさ:マリカーはまあ勝負できる説はあるんですけど、手加減したりするからちょっとよく分かんないんです。
もっさの声はハム太郎?それともチョッパー?
──朝日さんがもっささんの声に惚れて、バンドを組むことになったんですよね。
朝日:そうですね。きっかけはそうです。

──やっぱり、もっささんの声はとっても印象的だったんですか?
朝日:初めて聴いたときはすごいインパクトがありました。めちゃハイトーンな声だと思われがちなんですけど、実はその真ん中ら辺の声を出したときの柔らかさっていうのがすごい、ふくよかでいろんな可能性を感じる声だなって第1印象で思ったのを覚えています。

──YouTubeとかの動画のコメント欄とかに、ハム太郎の声に似てるとかって書かれていたんですが。でも私聴いたときにハム太郎ではないなと思ったんですよ。
もっさ:私もどっちかっていうとそう思ってます。
朝日:ハム太郎じゃないって?
もっさ:そうね。今まで言われたこと全くなかったし、似てるとも思ってないんですけど、歌詞の♪ト、ト、ト♪とかその辺が相まって誰かが言ったからそう聴こえてしまう現象になってるんじゃないですかね(笑)
朝日:あ~。
もっさ:意外と聴き比べると似てないよね。
朝日:意外とハム太郎って少年っぽい。

──そうですよね。
もっさ:男の子っぽい声してるから。
朝日:ハム太郎派と進研ゼミのキャラクターコラショ派で分かれてる。
もっさ:そうなの?コラショ…。
朝日:あと、トニートニー・チョッパー派で分かれてる。
もっさ:なんかいろいろ入ってますけど、人間じゃないんだなと(笑)
朝日:どっちにしろ(笑)

──(笑)作詞作曲は主に朝日さんがされてて、もっささんもされてるんですよね。
朝日:はい。今回のアルバムでは2曲ほど。

──朝日さんが作詞をするときは、もっささんが歌われるイメージを元にして歌詞を書かれることが多いですか?
朝日:最近はそうですね。もっさが歌ったらどこまでやってもポップで済ませられるんだろうっていう、ちょっとチキンレースみたいな感じで。逆にめちゃくちゃ変なこと歌ってるのに声がキャッチーだから、それのおかげでその変なことも一緒にひっくるめて全部がポップになるみたいな、相乗効果があるなと思ってるんで。ポップがポップだけの一辺倒だったら、甘いだけで飽きちゃうと思うんですけど、もっさがこの声で歌ったのをひとひねりふたひねりすると、どうなるだろうっていうところを想定して、最近はよく曲を書いたりしてます。

アルバム名は平成最後の戌年から…

──アルバムのタイトルもお聞きしたいんですが、今回『ONE!』っていうタイトルになってると思うんですけど、この『ONE!』っていうタイトルはどういった思いを込めてつけられたんですか?
朝日:最初はドラムのタケちゃんが考えたタイトルで、そこからいろ~んな候補が出たんですよね。もっとちゃんと意味を込めたりとか、語感のいいタイトルとか、そういうのを経て…。
もっさ:でもそのときはまだ全部曲出来ている訳ではなくて、まとめて曲が全部出来て来て、並べてみて決めました(笑)黒い色んな意味があるものよりかは、最初のファーストっていう意味もあるし、意外と『ONE!』はキャッチーだなって思ったんです。
朝日:変にタイトルで意味づけるよりかは、わかりやすくしました。
もっさ:テーマとかよりは「最初の1枚」っていう感じになったかな。

──分かりやすく『ONE!』なんですね。
朝日:はい。
もっさ:そうなんです。戌年やしっていう(笑)
朝日:後付けで。
もっさ:これ後付けなんですけど。そういえば平成最後の戌年なんで、いいなと思って。
朝日:だから結局ジャケット、ブックレットの中とかには…
もっさ:ワンちゃんがたまにいるんです。
──そうなんですね。すごいおもしろいですね。その掛け方が。
もっさ:後付けなんですけど。
朝日:後付けアピールがすごいんです(笑)
雨の日の経験から描いた『レイニーレイニー』
──収録曲のお話にいきます。まず1曲目が『レイニーレイニー』ですね。これは雨の日に起こったお話なのかな?って歌詞を読んでて思ったんですけど、いかがでしょうか。
朝日:そうですね。ずっと曲名が決まらず悩んでたんですけど、悩んでる途中で外にいたら雨に降られて。もう『レイニーレイニー』だって(笑)
──そこですぐ出たんですか?
朝日:そう。傘ないしめっちゃ濡れたしっていう、微妙に嫌な気持ちがなんか分かんないけど曲と合致して、もう『レイニーレイニー』でいいやっていう、そんな感じです。曲名の付け方は。

──じゃあもう実際にこの出だしの「逸れた道路沿いのバスの乗り場で」っていう歌詞は、朝日さんがその場にいて感じたってことですよね?
朝日:なんとなくそういうのは、多分子どものころの記憶とかなんですよね。すごい1人だった記憶が多くて。今回のアルバム曲全体「1人」から始まるっていう曲がめちゃくちゃ多くて。多分それって、僕が曲を作るときのテーマになってるんだろうなっていう。「誰もいない」とか「人の気配がない」とかそういうワードから始まるっていうのが多分…覚えてもないくらい昔の記憶にあるんだと思います。

──「十代の想像上の散弾銃」ってあると思うんですけど、これはどういう意味なんですか?

朝日:それは小学生の頃に、悪い人が銃を持って入ってきたらどうしようっていうことを考えてたっていう(笑)
朝日:やばい、怖い人が入ってきたら闘えるかなみたいな、それとも逃げるのかなみたいな。そういうくだらない妄想とか想像とかストーリーとか、本当にしょうもないんですけど、今になって物を作るってなったときに、そういう子どもの頃の気持ちとか記憶っていうのが本当に大事になってくるんだなと思う。案外そういうしょうもなかったものが今になって悪くないなっていうふうになるし。1曲目だからってわけでもないんですけど、物作りのきっかけっていうか原体験の曲っていう感じですね。全体的に。

──「絶対最終回はぼくらのものだ」って言い切ってるじゃないですか。これはすごいバンドの中での代表的な言葉みたいな感じじゃないんですかね。
朝日:子どもの頃からアニメとかもよく見てて、最終回っていうものがすごい好きで、最終回に近づいてきたら、今まで活躍してこなかったような脇役とかもすげえいい顔したりして。めちゃくちゃかっこいいんですよね。だからいつが最終回になるか分かんないですけど、自分が死ぬときか、バンドが終わるときなのか、音楽をやめたくなるときなのか。でもそのときにみっともない終わり方だけはしたくないなっていう。最初の曲で終わり方を決めるっていう感じです。

──「助平を騙す広告」ってフレーズもあえてカタカタで「スケベ」って書かないで漢字で書かれたのもちょっと面白いですね。
朝日:ああ、そうですよね。「スケベ」ってちゃんと漢字があるんですよね。昔の小説とかじゃないと助平って出てこないんですよ。助平って響きが面白いです。

──漢字で書こうと思われた経緯とかはあるんですか?
朝日:やっぱり古臭い言葉遣いが結構好きだったんです。古臭いけど、もっさが歌ったときにキャッチーになる言葉って何だろうみたいな。今って結構難しい、あざといっていうか、女の子ボーカルの別にバンドじゃなくても、アイドルとかでもソロのシンガーとかでも、結構尖った言葉遣いの女の子ボーカルの子たちがどんどん増えてきて。単純に尖った言葉だけじゃみんなやってるからなぁと思って。どういう言葉ならボップになるんだろうと思って出てきたのが「助平」だったっていう(笑)
──ここでそこにいったんですね。じゃあもっささんはこの『レイニーレイニー』を受け取ったとき、どういう風な思いで歌われましたか?
もっさ:結構最初の曲をどうするかって悩んでいたんですが、ワクワクする、「アルバムが始まるよね」みたいな感じを意識しました。これから、ワクワクするような曲を1曲目作りたいねっていう話をしていたので、楽しい感じになったかなって思います。

──スタートから、明るくかわいらしい声で歌われてますもんね。
もっさ:元気というか、「これからアルバム聴いてくれよな」みたいな気持ちです(笑)
朝日:そうやったんや。
もっさ:ワクワクするよ、この曲。

──サウンドもギターソロが階段で駆け上がってく感じの音ですよね。
朝日:まさに女の子ボーカルとかがいっぱい出てきてる中で、バンドって言ってるものの、めちゃくちゃポップスバンドだと思われてるし、それで認識は間違いないんですけど、だからこそサウンド面だけはちょっと骨太にやりたいなっていう。だからちゃんとギターを弾いて、もっさにもめっちゃギターを練習してもらいました。だからライブとかでは、同期音源とかは使わないで、自分たちの体だけで出来るっていうスタンスでライブをやりました。それをポップスバンドがやるっていうのに、すごい意味があるんだろうなと思って。
この言い方をするとライブで同期を使うのが悪みたいな感じになるんですけど、むしろそういう風にライブのクオリティを上げるっていうのはめちゃくちゃかっこいいことなんですけど、僕らみたいなポップスのバンドは逆にそれを使わないでフィジカルで勝負するっていうのを、そういうバンドがいるんだよっていう風に10代の子たちが思ってくれたら嬉しいなと思うんで。だからサウンドもやっぱりギターがでかいですし、ドラムもでかいね。
もっさ:ドラムがこの曲はもう。
朝日:ドラムはめちゃくちゃでかい。
もっさ:バシバシ派手やし。叩いているフレーズが。
朝日:ドラムがしかもうまいんで。助かってます本当に(笑)

電車でみた光景を死体の山に例えた『こんがらがった!』
──じゃあ2曲目の『こんがらがった!』のお話にいきます。これを最初に聴かせていただいたときに、銃で撃たれるサウンドだなと思ったんですよ(笑)
朝日:(笑)
もっさ:最初の(笑)
朝日:すげえあれ、思った。
もっさ:ダダダダ、ダ、ダ、ダダダ…。
──そう思ったんですよ。で、歌詞も結構ネガティブなことをおっしゃってるじゃないですか。「駅のホームでは死体の山」っていうすごいフレーズがあると思うんですけど、これは駅の日常のことを見て思われたんですか?
朝日:駅って本当に様々というか、特に朝とかに行くとやっぱり出社とかですっごい疲れた顔の人たちが多いんですね。出社する人や夜勤から帰る人、学校に行く人とか、学校が楽しみな人、学校が全然楽しみじゃない人とか、いろんな人が交差してて。でも極端な話をすると、その駅の方に死にに来た人もいるかもしれないじゃないですか。思いとどまるかもしれないし、本当に死んで紙面を飾った人、新聞に載った人、そんないろんなことがある駅のホームって常々俺恐ろしいなって思ってて。学校が楽しみじゃない人ってのも絶対いっぱいいて。
いろんなことに抑圧されるとどんどん心が荒んで、学校って結構狭い空間じゃないですか。卒業しちゃうとなんであんな狭い空間で悩んでたんだろうみたいなことにもなるんですけど、いるときはいるときであれが全てで。そこで友だちから嫌われたとか好きな人に彼女ができたとか彼氏ができたとか。そんなんだけでも死にたくなるほど学校に行きたくなくなるみたいな。本当に死ぬつもりじゃなくてもどこかに行くのが楽しみな人ってそんなにいっぱいいるって思えなくて。そういう人たちってもう心が詰まってて、表情の暗い人がいっぱいいるなってのを見ると、ここって死体の山なんだっていう。自分も夜勤帰りとか、俺もその死体の一部だなって思ったりするんですよね。

──奥深いテーマだったんですね。あと「赤羽の君まで会いに行く」って書かれてるじゃないですか。ここを赤羽にしたのが気になったのですが…。
朝日:なんとなくです(笑)駅のホームとかあんだけ語ったんですけど、赤羽に関しては行ったことすらないっていう…。昔漫才で見たぐらいなんです。
もっさ:でも私も気になる。私も行ったことないから、赤羽ってほんま、「赤羽行きだ」って気になるんだけど、何にもないんだなーって。
朝日:俺、子どもの頃に見たコントで、よく分かんないおじさんが足に紐とやかんを結んで歩いてて。「誰や。赤羽からついて来てるやろ」みたいなコントで。おれ赤羽の情報ってそれしかないんです。(笑)でも「赤羽」ってワードをそれでめちゃくちゃ覚えて。

──「皆殺しのメロディだけだ」っていうフレーズがありますが、ここをもっささんがめっちゃキュートな声で言ってるのに「皆殺し」って言ってるんで、ちょっとパンチ効いているなと思いました(笑)
朝日:(笑)ここまでおもしろいことになるとは思ってなかったですね。
もっさ:楽しい気持ちで歌ってます!!
朝日:THE BLUE HEARTSっていうバンドの曲に、『皆殺しのメロディ』っていう曲があるんですがその曲がすごい大好きで。これ録る前にその曲を聴いてもらって、いい曲やろ!ってもっさに話したんです。実はその曲も結構ポップなんですよね。でもその曲を聴いてもらって、どんな感じになるかなと思ったらめっちゃあんな感じになったんで。
もっさ:(笑)結構THE BLUE HEARTSのは本当に殺しそう…じゃないけど(笑)
朝日:でも、THE BLUE HEARTSとかそういう自分の好きだったものとかもなんとなくがっつり入れてるんですけど。ドラムとかも結構THE BLUE HEARTSが好きだし、本当に好きなものをどんどん言いたいなって最近思ってて。その中で本当にTHE BLUE HEARTSの歌詞が好きだし、本当に信じられる歌詞を言葉を歌ってるから、曲を作るのに悩んでたときとかTHE BLUE HEARTSの曲をよく聴くんですね。やっぱり聴くと今必要なのってTHE BLUE HEARTSだけだなって思うし、「皆殺しのメロディ」だけだな。それをそのまま、全部歌詞にしてますね。

──ミュージックビデオも見させてもらったんですけど、「皆殺しのメロディだけだ!」の「だ」のところで、ちょっと飛び跳ねてません?
もっさ:レコーディングのときからしてたような気がします!
朝日:気付いてないらしいんですけど、レコーディングのときとか、エンジニアの人が「俺気づいたんだけどさ…」みたいに話かけてきて、「♪皆殺しのメロディだけぇ~だぁ!♪ってとき絶対跳ねてるから」って言ってましたもん(笑)
もっさ:レコーディングのときからなってるから、これ歌うにはこうするしかないんよ。

──ミュージックビデオに、赤いフォントで歌詞が書かれてるじゃないですか。あれって手書きなんでしょうか?
朝日:僕が書きました。結構大変でした。『めっちゃかわいいうた』っていうミュージックビデオをこの前出したんですが、その前までは全部自分たちだけでミュージックビデオは作ってて。『めっちゃかわいいうた』からは高校生の頃から付き合いがある映像関係の会社をやってた友だちに手伝ってもらって、そいつんちに寝泊まりして、ああでもないこうでもないって言いながら手書きで字書いていこうかってなったんで、俺もパッと書いたら「もっとかわいい字がいいな」みたいな。「丸文字書いて」って言われて。ああなりました(笑)
もっさ:頑張って丸文字やったんや。
朝日:そう。丸文字書いたことないと。
──最初もっささんの字だと思ってました。
もっさ:私の字は逆に前の曲の『涙を拭いて』の歌詞で使ってますね!
朝日:でももっさが書いたって思われたってことはちゃんとかわいい字が書けたってことか…!

──『こんがらがった!』の歌詞に「来週は台風がっつり来るから休めば?」ってあるじゃないですか。だけど今回のアルバム収録曲にも『タイフー!』って曲があると思うんですよ。朝日さんはすごく台風に思い入れがあるんですか?
朝日:ああ(笑)でも確かに子どもの頃って台風好きじゃないですか…?

──いや、好きじゃないです(笑)
朝日:俺だけか(笑)
もっさ:分かるけど。暗くなってきてさ、窓から覗いてしまう感じ?
朝日:普段は人が結構いる街にがらんとして、人いないみたいな。
もっさ:ざわざわして。
朝日:人が普段いる場所にいないっていうシチュエーションがすごい好きで。だから休日の学校とかすごい好きだったんですよね。平日の学校はすごい嫌いでしたけど。大阪っていう甘えた環境に生きてきたから。日本全国が台風警報で真っ赤なときに、大阪だけ全然みたいなことがあって。多分地形の関係で台風の被害は起きにくい。暴風警報は出るけどちょっと強い風と雨が降るくらいみたいな感じで、台風のいいところだけなんです。
もっさ:そうやな。私も被害受けたことない。
朝日:恩恵だけを受けてたので、台風は逆に学校が休めてワクワクできる日みたいな感じでした。

──「人がよく死ぬ街で」ってあると思うんですけど、ここのサウンドは回想してるシーンを表現している気がしました。
朝日:そういう雰囲気じゃないですけど、ここは明るい曲調で暗い言葉を言うっていうのは好きな手法ではあるんですけど、ここはちゃんと雰囲気を出したままその雰囲気の言葉を歌うっていうのでいいなと思って。単純にさっきの「駅のホームでは」っていう色んな人の心が死んでく中、なんでこんなに暗いんだろうっていうふうに思いながら書いた歌詞なんで、多分そのままの雰囲気になったんだと思います。

──もっささんは、『こんがらがった!』の歌詞をもらったときの印象はどうでしたか?
もっさ:最初からサビだけはめちゃくちゃ聴いてて、普通にめっちゃいいやん。じゃあ全貌どうなるんやろうっていって。届いてめちゃくちゃよかったんですけど、Aメロが二転三転してました(笑)
朝日:結構作り直したんですよ。
もっさ:作り直しが結構あって。最初のメロから3回ぐらい変わって。
朝日:うん。変わった。
もっさ:これのサビがめちゃくちゃ良かったし、リードトラックっていうか今回の盤のリードトラックにしようってなってたから、めちゃくちゃみんな思い思いに頑張りましたね。もっとよくなるんじゃないかみたいな感じで、歌を録る直前まで考えた曲やな。
朝日:全員で意見言い合ったから。そういう全員でいろいろ文句言い合って作った曲なんで、完成したときの印象がめっちゃ強かったから。達成感はすごい気持ちよかったです。

ネクライトーキーが選ぶピックアップフレーズ!
──UtaTenは歌詞サイトなので、この『ONE!』の中から1番お気に入りのフレーズを教えてください!
朝日:8曲目の『だけじゃないBABY』って曲なんですけど、これはネクライトーキーのメンバーが集まる前にいつかメンバーが集まったらこの曲をやろうと思って作ってた曲で。でももうその時点で26歳とか27歳っていう、新しく何かを始めるにはちょっともう怖い年齢で、それでも何かやろうっていう1人で作ってたときの曲でして。「誰かが言ったんだ「あるはずない」と 僕が遠くに見たオアシスは幻に終わったのかい? 「それなら別にいいや、諦めようか」 そうやって決めたのに 僕はまだここで何かを待ってんだ」っていう歌詞が好きです。27にもなってバンドを芽が出ずにやってて、もうやめようかなっていう気持ちもいくらでもあったのに、結局まだバンドやるんだなっていう歌詞なんですけど。
でも今回のアルバムをやっと全国流通盤で出せることになって、集まった新しいメンバーでこの曲を作り、また一緒に演奏してそれをレコーディングして。こうやって改めて生まれ変わったこの『だけじゃないBABY』を聴くと、ここの歌詞がすごく、待っててよかったなっていう頼もしい歌詞に見えてきて。その1個前の「絶望はいつでも昨日へ向かう心の中にあったんだ」から1番最後の歌詞の「光はいつでも明日へ向かう心の中にあったんだ」って変化をこのバンドメンバーと一緒に掴めたなっていうふうに思います。この曲が今はすごく気に入っています。
──もっささんはいかがですか?
もっさ:はい。じゃあ『明日にだって』の「そろそろバレるかな 友達にはなれないことも」っていうフレーズが好きです。理由は自分の冷たいところが1番出たなって思って(笑)
──(笑)
もっさ:歌詞は結構きれいに見せがちというか飾りがちやけど、なんか素じゃないですけど、自分の冷たい素がすごい出てるなって思ったから意外と好きななんです。
朝日:冷たいっていうか人間臭いよな。
もっさ:(笑)そう。こんなんバイト先の人に言われたら終わりやけど、バイト先の人とかと一緒に何もない感じで平穏無事に過ごしてるけど、友だちにはなれないなっていう冷たさがここに(笑)自分の中のそういうところが出てるのが好きです。

──ありがとうございます。じゃあ最後にこの『ONE!』がお2人にとってどんな1枚になったのかと、応援してくれてるファンの皆さんにメッセージをお願いします。
朝日:本当に後悔のないやり切ったなっていう。自分はこういうのが好きだっていう自己紹介が出来た部分もあるし、ネクライトーキーはこういうバンドなんだっていう自己紹介のアルバムになったなって俺は思ってますのでぜひ聴いて頂きたいです。1回通して聴いてもらえたらどんなバンドか分かるので、ぜひぜひよろしくお願いしますっていう感じです。
もっさ:1曲1曲の個性がめちゃくちゃあるので、全部好きになってほしいけど、みんなどの曲が好きなのかなっていう反応は楽しみですし、ほかのいろんな曲の愛が詰まっとるから(笑)そこからいろいろ広がってくれても嬉しいんじゃないかなとか思います。
TEXT:橋本美波
PHOTO:愛香
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