『くるみ割り人形と秘密の王国』2018年11月30日公開 © 2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

『くるみ割り人形と秘密の王国』2018年11月30日公開 © 2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

『くるみ割り人形と秘密の王国』は見
るべき? つまらない? 正直にレビュー

2018年11月30日公開『くるみ割り人形と秘密の王国』。ディズニー配給映画だけでも盛りだくさんな昨今、全部見ていたら大変……そんなあなたに、観るべき映画かどうか、そもそもおもしろいのか、おもしろくないのか、「ウレぴあ総研 ディズニー特集」ディレクターが、正直に紹介します。

2018年11月30日公開『くるみ割り人形と秘密の王国』。
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ディズニー配給映画だけでも盛りだくさんな昨今、全部見ていたら大変……そんなあなたに、観るべき映画かどうか、「ウレぴあ総研 ディズニー特集」ディレクターが、正直に紹介します。
良い映画。自信を持っておすすめできる結論から入りましょう、試写会を観ての感想は、端的に言って、
「とても良かった」
です。
「多くの人にとって観るべき映画」と、自信を持って、おすすめできる作品でした。
直後に観た『シュガーラッシュ:オンライン』(2018年12月21日公開)の試写で、うーん。。。となってしまったのに比べ、夢中のまま最後まで観てしまったし、実写映画ならではの心動かされる要素もたくさん内包していたし、間違いなく良作です。
期待値が高くないのは当然……
多くの方は、『くるみ割り人形と秘密の王国』のために、映画館のスクリーンの前に座るモチベーションを見つけられないでいるのではないでしょうか。
「くるみ割り人形」は、オリジナルでもなければ、リメイクでも続編でもない。
ウォルトや『ファンタジア』を持ち出さなければ、ディズニーとの関連を意識することすら難しいわけですが、それらすらマニア以外には大して響かないでしょう。
包み隠さず言えば、わたしも同じでした。仕事だから観ますが、プライベートの休日にわざわざ映画館に足を運ぼうと思うかというと、これは微妙な問題です(鑑賞後の今は正反対で、家族全員連れて映画館へ行くことに決めましたが)。
ディズニー配給映画だけでも盛りだくさん
夏にはピクサーの『インクレディブル・ファミリー』、秋には『プーと大人になった僕』が公開されたばかり。
2018年11月30日に『くるみ割り人形と秘密の王国』が公開されますが、直後の12月21日には『シュガーラッシュ:オンライン』、年明け2019年2月1日には『メリー・ポピンズ リターンズ』の公開が控えています。
ディズニーファンなら、アニメ派は『シュガーラッシュ:オンライン』、マニアは『メリー・ポピンズ リターンズ』のほうが遙かに興味深いでしょう。
ディズニー以外でも『ヴェノム』や『ボヘミアン・ラプソディ』が話題ですし、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』も公開されたばかり。
これだけの状況の中で、『くるみ割り人形と秘密の王国』が選ばれる理由があるとは、正直思えません(全部観に行けばいいんですけどね、一般の方々はそんなにしょっちゅう映画館には行きません)。
けれども、期待値が高ければ良い映画であるとは限らないのは当然。
『くるみ割り人形と秘密の王国』は、見落とされてしまう可能性が高い名作、という位置づけになってしまう気がしています。
少しでも後押しになればと、特に素晴らしかった5つのポイントだけ、言及しておこうと思います。
観るべき5つの理由
1. 「くるみ割り人形」の知識、必要一切無しまず、原作「くるみ割り人形とねずみの王様」や、バレエ「くるみ割り人形」を知っている必要が一切なく、誰でも気軽に楽しめるのは、とても評価できるポイントです。
また例に出して恐縮ですが、直後に公開される『シュガーラッシュ:オンライン』が、前作を観ていないと楽しさ半減なのとは、完全に対照的です。
続編映画は見せたい対象が違うのだ、と言われれば、そのとおりですが、それにしてもあれはちょっと、うまいやり方には私は思えません。
『くるみ割り人形と秘密の王国』は、シンプルにエンターテイメントとして優れた出来。
ディズニーが創り出す、まだ見ぬ世界の冒険を、何の心配もなく楽しみに行ってください。
2. 誰もが絶対に知っているチャイコフスキーの名曲が盛り上げるクリスマス気分なおかつ、誰もが絶対に知っているチャイコフスキーの「くるみ割り人形」の名曲が、随所に流れます。
「行進曲」「金平糖の精の踊り」「花のワルツ」などなど、曲名を知らなくとも、まず間違いなく耳にした経験がある楽曲たちです。
『くるみ割り人形と秘密の王国』はクリスマス・イヴの話なのですが、ディズニーならではの映像美との相乗効果で、きっとクリスマス気分を盛り上げてくれるはず。
特にクリスマスの雰囲気が好きな人にとっては、最高の体験になるでしょう。
3. 身体表現の極地!! バレエに感動物語中、そしてエンディングにて、ミスティ・コープランド、セルゲイ・ポルーニンという、今もっとも話題のバレエダンサーによるバレエが見られます。
特に、ミスティ・コープランドは、黒人ながら、最高峰のバレエ団で史上初めてプリンシパル・ダンサーになるなど、まさに「人間が生み出す身体表現の極地」とでも言えるような、圧巻の踊りを見せてくれます。
ミスティ・コープランド、セルゲイ・ポルーニンの名前を知らない人も、バレエなんて興味ないよという人も、必ず “これはすごい……” と心動かされるでしょう。
マッケンジー・フォイの魅力
4. クララ役:マッケンジー・フォイの魅力アニメーション映画が、現実にはあり得ない空想の世界を見せてくれるなら、実写映画は、役者の魅力、その息づかいすら感じられるリアリティが最大の特長。
『シンデレラ(2015)』のリリー・ジェームズも、『美女と野獣(2017)』のエマ・ワトソンも、あれは彼女たち役者の魅力そのものが、役柄をより魅力にしています。
『くるみ割り人形と秘密の王国』主演のマッケンジー・フォイも、ビジュアルだけでなく、一挙一動に至るまで、最高に魅力的なひとり。
演じる、クララのキャラクター造形も、近年の自立したディズニー・プリンセス像に寄っていて、小気味よいものです。
描き方もうまいため、心の動き、浮き沈みが手に取るようにわかり、きっと共感できるでしょう。
また、映画俳優としてほとんど無名ながら、クララの相棒キャプテン・フィリップ(くるみ割り人形の衛兵)役に抜擢された、ジェイデン・フォーラ:ナイトの存在にも、とても心動かされました。
5. あたたかな読後感のクリスマスの物語ほとんど誰もに『くるみ割り人形と秘密の王国』をおすすめできる理由は、家族がテーマの物語であるからです。
父親や母親に特別な感情(ポジティブなもの、ネガティブなもの、どちらも)を抱いている人は、特に思うこと、感じることの多い映画になるでしょう。
(強いて言えば、親に対して執着がそれほど(いい意味で)なく、自身に子どもも生まれていない場合は、そこまで響くものはないかもしれない、とも思います)
欧米式の “家族で過ごすクリスマス” がたっぷり詰まった、読後感のとてもあたたかな物語。満ち足りた気分になりたいなら、文句なしにおすすめできる映画です。

アーティスト

ウレぴあ総研

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