11月24日(土)@東京国際フォーラム・ホールC photo by 三浦憲治/TEAM LIGHTSOME

11月24日(土)@東京国際フォーラム・ホールC photo by 三浦憲治/TEAM LIGHTSOME

高橋ユキヒロ、40周年記念ライブの
サプライズ・ゲストに細野晴臣が登場

高橋ユキヒロが11月24日(土)、東京国際フォーラム・ホールCにてアルバム『Saravah Saravah!』のリリース記念ライブを行った。このアルバムは高橋幸宏が高橋ユキヒロ名義で1978年6月21日に発表したソロ第1作『Saravah!』を、ボーカル・パートのみを再録音して新たにミックスダウン~マスタリングを施し、ソロデビュー40周年を記念して10月24日にリリースしたもの。この日のライブは同アルバムの収録楽曲を完全再現するというコンセプトで、オリジナル盤の録音に参加した林立夫をはじめとする11人のミュージシャンが参加した。

開演前、場内にはフランシス・レイらのBGMが流れアルバムに漂うフレンチ・ムードを盛り上げる。曲が高橋幸宏の「今日、恋が」に変わり、その後、イントロダクションのインストが始まるとスクリーンにはセピア調のフランス映画の映像が流れ、いよいよメンバーがステージに登場した。トム・ブラウン製のブラック・スーツに身を包んだ高橋ユキヒロが歌ったのはアルバム1曲目に収録の「VOLARE」。 このライブはアルバムの曲順通りに演奏されるため、『今日はゆったりとやります!理由は曲が少ないから(笑)』と1曲終わる毎にMCが入った。 アルバム・タイトルの『Saravah!』はユキヒロが敬愛するピエール・バルーの「サンバ・サラヴァ(映画“男と女”挿入曲)」から取られている。ソロ・アルバムを出す時には、タイトルはこれにしようと決めていたそうだ。先日亡くなったフランシス・レイとピエール・バルーに捧げますと歌ったのは「SARAVAH!」。さらにクロード・ルルーシュ監督作品に出演していたイヴ・モンタンが歌っていた「C‘EST SI BON」とフランス映画にちなんだ曲が続いていく。 4曲目の「LA ROSA」では、オリジナル盤の松木恒秀と大村憲司のギターがHDから流れ、そこに佐橋佳幸のギターが重なり時空を超えた競演も披露され、亡くなった二人のギタリストを2018年のステージに蘇らせた。

LPでのA面が終わっての6曲目の演奏前、スクリーンには、アルバムの録音にも参加し共同プロデュースも担当した坂本龍一の姿が映し出され、お祝いメッセージとライブに参加出来なかった残念な気持ちを語り、次に演奏される坂本教授作のインスト・ナンバー「ELASTIC DUMMY」について、『難しい曲ですね。 自分でも、よく弾けました』とコメント。同曲での驚異的なキーボードは教授の手弾きだ。『バッキングが難しいので、呼ばれなくて良かった(笑)。そこは若い人に譲って』。これに応えたのはDr.kyOn。至難のキーボードをパーフェクトに演奏し、見事に重責を果たした。『あの人(教授)が出てきたので、そろそろ、この人にも』とステージに呼び込んだのは細野晴臣。登場するや、会場から大きな歓声が上がる。細野が有賀啓雄とのツイン・ベースで参加した「PRESENT」で、アルバム収録曲はすべて演奏され、本編が終了。

『アルバムは全曲やったんで、どうしようと思って。なので今までやった事ない曲演ります!』とアンコール1曲目に演奏されたのは「4月の魚」。高橋幸宏が主演し、音楽も担当した大林宣彦監督の映画『4月の魚(1986年5月31日公開)』の主題歌で、この曲にはピエール・バルーもヴォーカルで参加している。ライブで演奏されるのは初めてという事もあって、オールド・ファンは大喜びだ。次の「BRAND NEW DAY」も同映画のサントラに収められたナンバー。この曲は、フランシス・レイとバート・バカラックの両方の影響を受けて書いた曲だそうで、続いてはバカラックのカバー「THE LOOK OF LOVE」。曲の中盤、ユキヒロはドラムセットに移動し、そのまま次の「MAJI」に入る。1985年のソロ・ツアーのみで演奏されたアルバム未収録のインストゥルメンタル・ナンバーで、激しいビートのテクノ・ファンク・サウンドで圧巻はユキヒロ、林立夫のツイン・ドラムに藤井珠緒のパーカッション、ベース・有賀啓雄らリズム隊の凄まじいまでの競演。全体にゆったりとした演奏が続いたこの日のライブだったが、最後に弾けてオーディエンスも大満足の中、これで終了かと思われたが、メンバーが再びステージに姿を見せた。 ダブルアンコールで再び細野晴臣も登場し、今度はアコースティック・ギターを構えると、ユキヒロから『ちょっとアレンジ変えて、もう1回演ります!』と始まったのはアルバム・タイトル曲の「SARAVAH!」。宣言どおり、原曲とは違ったアコースティック・アレンジで、ユキヒロのボーカルが映える。中盤からはオリジナル・アレンジに戻ってオーディエンスを沸かせ、2時間超に及んだ久しぶりのソロライヴは終了。『また、新しいアルバムを作りますね!』と残し、高橋はステージを降りた。

ソロ活動40周年を総括した『Saravah!40th Anniversary Live』は、この日一夜限りのプレミアム・ライブとなり幕を閉じた。

photo by 三浦憲治/TEAM LIGHTSOME

【セットリスト】
01.VOLARE(NEL BLU DIPINTO DI BLU)
02.SARAVAH!
03.C'EST SI BON
04.LA ROSA
05.MOOD INDIGO
06.ELASTIC DUMMY
07.SUNSET
08.BACK STREET MIDNIGHT QUEEN
09.PRESENT
[Encore1]
10.4月の魚
11.BRAND NEW DAY
12.THE LOOK OF LOVE
13.MAJI
[Encore2]
14.SARAVAH!
11月24日(土)@東京国際フォーラム・ホールC
11月24日(土)@東京国際フォーラム・ホールC
11月24日(土)@東京国際フォーラム・ホールC
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11月24日(土)@東京国際フォーラム・ホールC
11月24日(土)@東京国際フォーラム・ホールC

OKMusic編集部

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