『ジャージー・ボーイズ』CD化決定!
大千穐楽で2500人が狂喜乱舞

2018年11月11日、神奈川県民ホールにてミュージカル『ジャージー・ボーイズ』が大千穐楽を迎えた。主演のフランキー・ヴァリ役の中川晃教に加え、WHITE(中河内雅貴、海宝直人、福井晶一)とBLUE(伊礼彼方、矢崎広、spi)の2チームで構成された本公演。初日の幕を日本版オリジナルキャストでもあるチームWHITEが開け、大千秋楽を再演で新たに結成されたチームBLUEが閉じることとなった。
2016年の初演時は東京公演のみだった『ジャージー・ボーイズ』だが、2018年の再演では9月の東京公演を皮切りに秋田、岩手、愛知、大阪、福岡と日本中を巡ってきた。見事全国にジャージー・ボーイズ旋風を巻き起こしたカンパニーは、凱旋公演として神奈川へ舞い戻り、華々しく大千秋楽を迎えたのである。本公演の動員数は述べ4万7千人に上るという。そんな日本中のファンから愛される『ジャージー・ボーイズ』の、感動の大千穐楽カーテンコールの模様をレポートする。
笑いあり涙あり!? 作品を愛するジャージー・ボーイズカンパニーからの挨拶
本編の幕が閉じ、大歓声のスタンディングオベーションが続く中、カーテンコールには初演から演出家としてカンパニーを率いる藤田俊太郎が登場した。
演出家 藤田俊太郎(左から3番目)
藤田は「舞台上にキャストが15人、そしてチームWHITEの3人を合わせて総勢18名のキャストがいます。このキャストじゃなければ、2018年の『ジャージー・ボーイズ』は作れなかったでしょう。キャスト一人ひとりを僕は愛していますし、このメンバーだからこそ作れた公演に誇りを持っています。『この18人がこれからも輝ける場所を作っていけるような演出家になりたい』と改めて思いました」と、キャストへの愛を伝えた。
さらに藤田は舞台上を移動して舞台袖を覗いたり、1階席の観客に後方を見るように声をかけたりしながら、本公演に関わる大勢のスタッフへの感謝を述べた。「実は、1番後ろの席の方も含めてたくさんのスタッフが一緒にこの公演を支えてきました。この世界最高のスタッフの皆さんは、『私たちは当たり前の仕事をしただけだよ』と言うかもしれない。でも、世界最高のスタッフとカンパニーだから作れた公演なんです。最後に、劇場のいろんな場所にいる一人ひとりのスタッフに大きな拍手を!」
作品を作り上げたスタッフへの熱い喝采が送られた後、舞台上にいる15名のキャストが一人ずつ挨拶をする場が設けられた。ここでは、フォーシーズンズのチームBLUEの4人からのコメントを一部抜粋して紹介する。
まずニック・マッシ役のspiは、大千穐楽が行われた11月11日という日付にちなんだ記念日ネタを披露。「今日大千秋楽の11月11日は、何の日ですか? ポッキーの日、第1次世界大戦停戦記念日、あとサッカーの日。そして電池の日。もう1つあります。僕は劇中でベースを弾いているのですが、ベースは弦が4本なのでベースの日でもあるのです。すなわち、ニックの日にお集まりいただきまして、誠にありがとうございました!」
みなとみらいネタを言い切った矢崎広(左から6番目)
ボブ・ゴーディオ役の矢崎広は、再演で新結成されたチームBLUEならではの想いを述べた。「赤と白のオリジナルキャストがいる中で、僕たちチームBLUEは何か新しい風を作っていかなければならないと意識するところがあったと思います。自信を持って言います。チームBLUEは、新しい風を吹き込みました!」
温かい拍手が送られる中、矢崎は続けて「これからも『ジャージー・ボーイズ』は続いていくと思います。僕も1作品ファンとしても、皆様と一緒に『ジャージー・ボーイズ』の未来を応援していきます。皆と、未来(みなとみらい)を」とお茶目な挨拶で締めた。
今回の公演時に、阿部裕(右から3番目)に衣装を破られたという伊礼彼方(右から5番目)
笑いに包まれる客席に対し「すみませんねえ、くだらないスピーチで」と辛口のコメントで始めたのは、トミー・デヴィート役の伊礼彼方だ。「何か新しい風が吹いたとき、その風をしっかり受け取って返してくれる素晴らしいメンバーが集まったことに、僕は1番感謝したいと思います。毎回新鮮な気持ちで臨める現場って、なかなか出会いたくても出会えないので」
伊礼は作品の中だけに留まらず、客席にも新しい発見があったと言う。「僕が今回本当に新しい風だなと思ったのは、客席に多数の男性のお客様がいらっしゃったこと。ミュージカルというのは、女性の方に支えられているエンターテイメントです。そんな中ご夫婦で一緒に来たり、ご家族でいらっしゃったり。本当に新しい風を吹かせている作品だなと思うんですよ」
最後に、シングルキャストでWHITEとBLUEの2チームを率いてきたフランキー・ヴァリ役の中川晃教の挨拶で、大千穐楽は締めくくられた。「今回こうして再演することができて、本当に嬉しく思います。多くのスタッフの方々をはじめ、関わってくださった方々、そして観に来てくださったお客様、全ての方々に心から感謝、感謝、感謝申し上げます。
このカンパニーなくして今回の再演は生まれなかったということを、ひしひしと感じる毎日でした。今日のこのラストの瞬間でさえも、『ああ、終わってほしくない』とどこかで思いながら、そこにいる自分がいます。どうぞ皆さん、この作品を最後まで応援してください。そして、またお会いできる日を心から楽しみにしています。本日はどうもありがとうございました!」
『ジャージー・ボーイズ』大千穐楽カーテンコール
中川晃教、大千穐楽の最後に爆弾投下
挨拶を終えて手を振りながら舞台袖へと向かったキャストたちだが、鳴り止まない歓声に応えるかのように、再び彼らは舞台上へと姿を現した。すると中川が「最後に、爆弾落としていいですか?」と、意味ありげにニヤリとしながら客席に語りかけた。そこで発表されたのが、待望の『ジャージー・ボーイズ』CD化である。発表と同時に、会場内には一斉に喜びの声が湧き上がった。
中川は「音楽がこの作品の主役と言っても過言ではない。そのことは皆さんも重々感じてくださっていると思います。これからこの作品がさらに育っていくための1つのきっかけとして、CDが発売されるということは、カンパニーとしてもとても稀なことだそうです。なので、私たちは日本版カンパニーとして誇りを持ってこのCDを発売したいと思っております」と、CD化に対する熱い想いを残し、ステージを去った。
『ジャージー・ボーイズ』大千穐楽カーテンコール
終始大盛り上がりだったカーテンコールを終えた後、劇場ロビーや劇場前は興奮冷めやらぬ人々で溢れかえっていた。そして誰しもが、本公演の終わりを惜しみつつも、満ち足りた顔をしているように見えた。またいつか『ジャージー・ボーイズ』が再演されるその日まで、CDを聴き込んで待ち続けるファンは大勢いることだろう。ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ライブ録音盤 サウンドトラックCDに関する詳細は後日改めて発表される。
【東宝オフィシャル動画】『ジャージー・ボーイズ』11/11(日)大千穐楽カーテンコール映像【前編】
【東宝オフィシャル動画】『ジャージー・ボーイズ』11/11(日)大千穐楽カーテンコール映像【後編】
取材・文・写真 松村蘭(らんねえ)

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