演劇プロデューサー細川展裕の書籍刊
行記念イベントで鴻上尚史と古田新太
がNGトーク連発!

かつて第三舞台を超人気劇団に押し上げ、現在は劇団☆新感線の快進撃を支え続ける、日本屈指の敏腕演劇プロデューサー細川展裕(株式会社ヴィレッヂ会長)が書いた書籍「演劇プロデューサーという仕事」(小学館)の刊行記念トークショーが、2018年11月11日(日)東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて催された。「芝居のウラとオモテ、すべて話します」と題されたイベントには細川と、細川の幼馴染であり「第三舞台」に導いた作家・演出家の鴻上尚史、劇団☆新感線の看板役者・古田新太が登壇し、ここでしか語れない濃密なトークを繰り広げた。
第三舞台でお馴染みロキシーミュージックの「More than this」が流れ、イベントがスタート。気になるトークの内容だが「細川が女子からもらった人形に鴻上がこっそり細川の意中の人の名前を書き、一年以上黙っていた件」という甘酸っぱい時代のイタズラ話や、「鴻上、今日の会場(紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA)を紀伊國屋ホールと間違えてしまい、リハーサルに間に合わず」「細川さん、長い文章書けるんだ!」という今回のイベントや書籍に関連する話、そして「劇場の数が足りない」「劇場サイズは何席くらいが理想か?」「IHIステージアラウンド東京で上演した『髑髏城の七人』『メタルマクベス』が大手新聞の劇評に扱われないのはなぜか」というまさに演劇の話題、さらに観客から寄せられた質問の中から「3人の共通点は」「気になる若手俳優は」「演劇で食べていけると思えるようになったのはいつ頃か」「もし生まれ変わったら同じ仕事をしたいか」「10年後何をしていたいか」といったものにも答えていった。
時に実名が出てきたり、なおかつ毒舌が過ぎると、細川が「ここはNGです」と外で拡散しないよう度々アナウンスをいれ、それがまたトークに油を注ぐ結果となり何度となく笑いを誘っていた。
このうちNG話や関連各署にご迷惑をかけなさそうな話(笑)をいくつかご紹介。ちなみにトークは77分7秒(このトークイベントの料金777円にかけている)、3人はノンストップで喋り倒していた事を補足しておきたい。
細川展裕
「劇場が足りない。特に地方劇場が減った」という古田の言葉から、そもそも劇場って何人くらいはいるのが理想的か?という話題になると、細川は「興行という面から1200人くらい」、古田は「大きくても700~800人くらい。(橋本)じゅんさんが上唇をプルプルいわすのが肉眼でちゃんと観る事ができるくらいの会場。あれを生で観るのが面白いのに、2階や3階の奥からオペラグラスで観るのってもう別世界じゃないか」と具体例を挙げ、そこからの流れで「オペラグラスで観ている客は、ほとんど俺の隣にいる天海祐希を観ている」と自虐発言を披露すると一同大笑い。
鴻上尚史
劇評の件については「ぐるぐる(=IHIステージアラウンド東京)でやっている芝居を演劇的に軽んじている雰囲気がね……こういう作品を評価していかないと」と鴻上はメディアを含めて日本の演劇界に一石を投じる。その言葉に大きくうなずく観客の姿があった。

「生まれ変わったら同じ仕事をしたいか」に「やっぱりこの仕事をしているでしょうね」と語る細川。「えーっ!マジで! 俺、サラリーマンになりたい。公務員になりたい」という古田。「お前、無理だよ!すぐ悪い事やって捕まるタイプだよ(笑)」と鴻上が絡んでいたが、古田の真意は「9時5時の生活で昼酒を呑みたい」が本音と分かり、皆が納得。
古田新太
「10年後何をしていたいか?」の質問には細川が「引退」の二文字を匂わせると、鴻上たちから「引退するする詐欺だ! 今までも何回その発言をしてきたか!」と突っ込まれ、細川は苦笑。鴻上は「僕の作品を求める人がいるなら変わらずこの仕事をしていたい」、古田は「以前は55歳で辞めようと思っていたが、あと2年だし……65歳くらいで枯れた味を出せるような役者になれたら美味しいかも」と語るも「あと、プロデューサーもやってみたい」。その言葉に間髪入れず鴻上が「タッキー(滝沢秀明)みたいになりたいんだ!」とツッコミ、細川は「僕とタッチ交替する?」と笑顔を見せていた。

NGトークになると古田さんの笑顔が炸裂していました

トークの後は「演劇プロデューサーという仕事」に3人がサインを入れた貴重な一冊を観客全員で争奪するジャンケン大会を経て、最後は観客と一緒に記念撮影。記念撮影時には観客全員を入れたいという思いから、3人がボードを持ったまま中央、上手、下手に自ら動くという撮影となり、最後まで笑いの絶えないイベントとなった。
終演後は劇団☆新感線の公演同様、ジューダス・プリーストの「Parental Guidance」が流れる中、観客が退席。ロビーではファンと楽しく話し込む細川の姿があった。
取材・文・撮影=こむらさき

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