森田剛自身をイメージして作られた新
作公演『空ばかり見ていた』の上演が
2019年に決定 作・演出は岩松了
日本のチェーホフと呼ばれ、人間の内部で無意識に動く感情を、説明的なせりふを排し、物語の核を隠しながらも、リアルに生々しく描き出す岩松。その手腕が認められ、2017年には作・演出を手掛け、さいたま芸術劇場にて上演した『薄い桃色のかたまり』で、第21回鶴屋南北戯曲賞を受賞した。そして、本公演は実に4年ぶりとなるシアターコクーンでの新作となる。
森田演じる反政府軍の兵士の物語は、森田自身にあて書きされた役柄であり、ストーリー。物語の設定や登場人物の関係性などから「これまでの作品の中で一番難しい戯曲になる気がしている」という岩松の世界観をどんな風に森田が体現するのか期待が高まる。
そこは反政府軍のアジト。首領の吉田満(村上淳)が、女性兵士になりたいという妹のリン(平岩紙)を説得している。ある日リンが暴漢に襲われ、武器調達のために隣国に派遣されていたリンの恋人・多岐川秋生(森田剛)は身を案じ慌ただしく帰国する。傷手を負いながらもリンは愛する恋人と兄が自分を見守ってくれていることに幸福を感じ、回復していった。結婚を意識しながらも、命の保証のない日々の中、一歩踏み切れない秋生と、そんな秋生の考えを察して兵士として共に戦いたいと思うリン。だが、絶対的な信頼を置いていた満に対して不信を覚える出来事が起こる。満への感情と連動するようにリンにも疎ましさを感じ始め、自分自身の気持ちに戸惑う秋生。同じ頃、政府軍のスパイが組織に潜り込んでいたことにより、秋生たちは窮地に立たされることになり……
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