Rei

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【Rei インタビュー】
ギターは名脇役ーー
主役はあくまでも
歌とソングライティング

デビューから4年、多彩なミュージシャンが参加した1stアルバム『REI』がついにリリースされる。多彩な全12曲が、卓越したギターテクニックを持つシンガーソングライターReiの魅力を余すところなく伝えている。

現在のReiさんの魅力や可能性を出し惜しみせずに、いろいろな表現の仕方でアピールした作品になりましたね。

新たなチャレンジもいっぱい盛り込んだカラフルなアルバムになったので、早くみなさんに聴いてもらいたいです。全12曲という曲数の作品は初めてなんですけど、より豊かで彩りのある作品を作れたという自負はあります。いろいろな驚きや発見が散りばめられた作品になっていると思います。

そんなアルバムについて“凸凹で、愛しい作品ができました”とコメントされていましたが。

いびつであることや不完全であることに向上心の高い人ほど負い目を感じてしまうんじゃないかと思うのですが、私もこの作品を作る中で自分の欠けている部分を見つめた瞬間があって。でも、それは弱みでもあるけど、強みでもあるかもしれないと発想の転換ができればいいなと思っているんです。聴いている人にも自分の凸凹な姿を愛してほしいという気持ちもあります。

欠けている部分っていうのは?

挙げ出したらきりがないです(笑)。例えば自分のペースでしか歩けないところは、ちょっと情けないと思うことが時々あるんです。アイデアが沸き出ているのに、それを具現化するのに時間がかかっちゃうことにもどかさしさがあるし。出てきたアイデアをどんどんかたちにして前に進みたいのに、丁寧にやるからなのか、こだわるからなのか、ひとつのアイデアを表現するまでに時間がかかってしまうんです。でも、そういう自分を情けないと思う一方で、長所でもあるのかなと今回思いました。完成した作品を何回聴いても発見があるのは、丁寧にこだわりながら作ったからだと思うから。ちょっと時間はかかったけど、それはそれで良かったかなと思います。

より多くの人に聴いてもらえるきっかけになると思うのですが、曲作りで意識したことはありましたか?

意識は…できません(笑)。聴いてる人がどういうふうに受け取るだろうかと想像しすぎちゃうと、クリエイティビティーに支障が出るタイプなので。残念ながら全ての人を満足させることもできないし。だったら、自分が今一番カッコ良いと思うものを全力で作ることで、とことん好きになってくれる人がいたらいい。広く浅く愛されるよりは、好き嫌いははっきり分かれるけど、好きになってくれる人にとって人生を変えるぐらいの名盤になってたらいいと思うので、自分は自分のイズムを貫くべきだと思いました。

ギタリストでもあり、ポップな曲を書けるシンガーソングライターでもあるという両方の魅力が存分に感じられるという意味では、バランスは考えたのでしょうか?

はい。ギターって自分にとって欠かせないアイテムでありながら名脇役なんです。それよりも私の歌やメッセージを含めたソングライティングが主役であってほしい。でも、ギターもたっぷり聴かせたい。そのバランスは考えました。

ギターは名脇役なんですね。その言葉を聞いたら多くのギタリストが嫉妬すると思いますよ(笑)。

もちろん、ないと困りますけど。“俺が主役だ”って言い始めたら、“お前じゃない!”って…そんな感じですね(笑)。

曲ごとにいろいろな感情が込められている歌詞も凸凹していると思うのですが、歌詞を書く上でテーマはあったのでしょうか?

“REI”というタイトルには光線という意味を持つ“RAY”もかかっているんです。光を感じられるというか、聴いてくれた人の気持ちが明るいほうに向かってほしいなと思いながら書いていました。

全曲がReiさん自身の実体験ではないと思うのですが、強い部分もあれば、そうじゃない部分もあるし、女性らしいかわいらしい部分も感じられるところが聴きどころになっていると思いました。

背伸びしていることも隠さないし、できないってことも隠さないし、自分が誇りに思っていることは堂々と歌っているし、今回は等身大であることを意識しながら、嘘をつかずに歌おうと考えていました。

CHAIのメンバーがコーラスで参加しているサーフロック風の「Follow the Big Wave」の♪ラブラブ〜と歌っているところが歌詞カードではハートマークふたつになっているところが面白いなと。ステージで堂々とギターを弾いているイメージが強いせいか、こういう一面もあるんだなってちょっとびっくりでした(笑)。

チャーミングな感じが出たらいいなと思ったんですけど、そういう部分もライヴで表現できたらいいですよね。ステージに立っちゃうとファイティングモードになってしまうので。実際は小さい犬が大きな声で吠えているみたいな感じなので、かわいい部分もありますよっていう(笑)。 

これまでの作品にもそういう部分はあったと思うのですが、今回は曲数が多い分、Reiさんのいろいろな面が感じられる作品になったと思いました。リリース後は自主企画の『Reiny Friday –Rei & Friends Vol.9』の開催も予定されていますね。 

私の1stミニアルバム『BLU』を一緒に作っていただいたペトロールズの長岡亮介さんをゲストに迎え、11月9日に開催します。1stアルバムをリリースするおめでたいタイミングに改めて亮介さんと一緒に音楽を奏でたいと思ってお声掛けしました。一緒に作らせていただいた曲はきっとやると思いますし、亮介さんはブルーグラスとかカントリーとか、そういうルーツから今の音楽に辿り着いている方で、私もそういうルーツ音楽の影響を受けているから、ふたりの共演でしかできないカバーもやったら楽しいのかなと相談しながらいろいろ考えているところです。

取材:山口智男

アルバム『REI』2018年11月7日発売 USM JAPAN(Universal Classics & Jazz)
    • 【Limited Edition(DVD付)】
    • UCCJ-9217 ¥3,600(税抜)
    • ※7inch見開き紙ジャケ仕様
    • 【Standard Edition】
    • UCCJ-2163 ¥2,800(税抜)
    • ※CDサイズ見開き紙ジャケ仕様

『Reiny Friday -Rei and Friends- Vol.9』

11/09(金) 東京・shibuya duo MUSIC EXCHANGE

Rei プロフィール

レイ:1993年生まれ、兵庫県伊丹市生。卓越したギタープレイとヴォーカルを持つ、シンガーソングライター/ギタリスト。幼少期をNYで過ごし、4歳よりクラシックギターを始め、5歳でブルーズに出会い、ジャンルを超えた独自の音楽を作り始める。15年2月に長岡亮介(ペトロールズ)を共同プロデュースに迎え、1stミニアルバム『BLU』をリリース。国内外のフェスに多数出演し話題を呼ぶ中、18年11月に待望の1stアルバム『REI』をリリース。Rei オフィシャルHP

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アルバム『REI』【Limited Edition(DVD付)】
アルバム『REI』【Standard Edition】

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OKMusic編集部

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