【水樹奈々 インタビュー】
短期集中で作った
「WONDER QUEST EP」
じっくり時間をかけた
「NEVER SURRENDER」
経験のない低音に苦戦
録って聴いてを繰り返した
また、3曲目の「サーチライト」は映画『ふたつの昨日と僕の未来』の主題歌で、水樹さんの地元・愛媛県新居浜市を舞台にしていることでお声掛けをいただいたと。
はい。市長から直々にご連絡をいただきました。“ふるさと観光大使として、ぜひお願いしたいです”と。
藤森真一(藍坊主)さんの作詞作曲で、これもひと聴き惚れだったそうですね。
実はアルバム『NEOGENE CREATION』(2016年12月発表)の時にいただいていた曲で、ひと聴き惚れだったんですけど、“いつかベストなタイミングでかたちにしたい!”と温めていたんです。それで今回、映画のお話をいただいた時に“あの曲が合うかも!”と閃いて。シナリオを読みながら曲を聴いたらあまりにもフィットしていて…“藤森さんは予知能力があって、これを見越して書いていたんじゃないか!?”と思うほど(笑)。曲の持つノスタルジックな感じと少年を思わせる世界観、まさに青春の匂いのする青い感じがシナリオととてもリンクしていたので、この曲に決めました。
歌詞は水樹さんと藤森さんの共作になっていますね。
仮で藤森さんが書かれていた歌詞が私のイメージに近かったので、それをベースにしながら私がシナリオに沿ってブラッシュアップさせていただきました。タイトルと歌詞に出てくる“サーチライト”という言葉も藤森さんの元歌詞にあって、新居浜は海が近いのでぴったりだし、“自分を探す”という部分でもシナリオと合うと思いました。
藤森さんがシナリオを見越して書いていたんじゃないかと思われたのは、ここなんですね。
そうなんです。“サーチライト”という言葉が、まさにそれで。ちょっと鳥肌が立ちました(笑)。ただ、この曲は低いキーが続いて、最後のサビでやっと晴れやかに高くなる変わった構成になっていて…。
ずっと低音なのは大変ではなかったですか?
低音でどうニュアンスを出すか苦労しました。少しファンタジーが入ったストーリーではあるんですけど、自分と向き合うこと、人と人のつながりや家族の在り方がテーマになっている物語なので、人の温もりだったり、人は誰かと関わることで成長していくということがしっかり伝わる歌にしたくて。だから、録って聴いてを繰り返し、どこが一番フィットするか、実際に歌いながらニュアンスを探っていきました。
とにかくたくさんのパターンを試したわけですね。
今までになかった低音域メインの曲だったので。でも、とても新鮮だよね!とみんなで高揚しながら楽しくディスカッションをして。新しい水樹を感じていただけるものになったと思います。
そして、「嘆きの華」は中国の人気ゲームをアニメ化した『軒轅剣 蒼き曜』のオープニングテーマですね。
主人公の苻殷(フイン)の声と主題歌を担当させていただいています。和メロに中華アレンジがミックスされた曲で、二胡の音色がとても美しく艶っぽい世界を演出しています。『軒轅剣』という作品は中国の歴史がベースにあって、十代の若者たちが戦乱に巻き込まれ、悲しい出来事がたくさんある中で、希望を持って立ち向かっていきながら、そこで家族や仲間との絆や恋模様が生まれていく物語なんです。ただ、現代社会では考えられない描写がたくさんあって。残酷な刑に処されるシーンがあったり、昼ドラ並の恋のやり取りがあったり、すごくドロドロしていて内容が濃くて。書き下ろしのシナリオだったので、誰も続きが分からない状態でアフレコに臨んでいて、毎話“早く次週の台本をください!”ってキャスト一同ストーリーに釘付けになっていました(笑)。ぜひ楽曲とともにアニメ本編も楽しんでいただければ!
映画のようなスペクタクル感のある楽曲になっていますね。
岩里祐穂さんがシナリオを読んで作詞してくださったのですが、“拾いたい要素がありすぎて、まとめるのにすごく時間がかかった”とおっしゃっていました。でも、見事にシンプルなのにとても深い言葉で表現してくださっていて、そのひと言ひと言に重みを感じながら歌わせていただきました。私自身も最終回まで演じた上でレコーディングできたので、全ての言葉が心に染みて、自然と入り込むことができました。それに作曲が吉木絵里子さんということで、作詞、作曲、歌が全員女子というのも女の子が主人公という物語に上手く噛み合ったのかなって思います。
そんな水樹さんの今後の大きな予定としては、来年1月に6年振りのオーケストラライヴが開催されると。
“もう来年の話!?”と思いましたけど、あっと言う間ですね(笑)。2018年は日本武道館7デイズに始まり、久しぶりの夏ツアーもあり、レコーディングも多くてずっと歌っていた印象があるので、すごく充実していて、より早く感じました。オーケストラライヴも意外性のある選曲やゴージャスな衣装で、前回以上に楽しんでいただける構成になると思います。ぜひ楽しみにしていてください!
取材:榑林史章
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シングル「WONDER QUEST EP」2018年9月26日発売
KING RECORDS
- KICM-1888
- ¥1,204(税抜)
- ※初回製造盤:特殊カラーケース
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シングル「NEVER SURRENDER」2018年10月24日発売
KING RECORDS
- KICM-1889
- ¥1,204(税抜)
- ※初回製造盤:特殊カラーケース
『NANA MIZUKI LIVE GRACE 2019 -OPUS III-』
1/19(土) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ
1/20(日) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ
『NANA MUSIC LABORATORY 2019 ~ナナラボ~』
3/23(土) 愛媛・ひめぎんホール ※2公演
ミズキナナ:声優、歌手として高い人気を誇る。声優としてのデビュー作は1997年のプレイステーション用ゲーム『NOёL〜La neige〜』門倉千紗都役。歌手としては2000年12月にシングル「想い」でデビュー。09年6月に発売された7枚目のオリジナルアルバム『ULTIMATE DIAMOND』で声優として初のオリコンチャート1位を獲得し、11年12月と16年4月には東京ドーム2デイズライヴも大成功に収めた。水樹奈々 オフィシャルHP
「WHAT YOU WANT」MV(Short Ver)
シングル「WONDER QUEST EP」
トレーラー
シングル「NEVER SURRENDER」
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