SPiCYSOLが2ndアルバムを携えたツア
ーファイナル 決意と共に鳴らされた
メッセージ

2nd Album「Mellow Yellow」Release Tour “Gonna be a #goodday" TOUR FINAL

2018.10.11 渋谷 TSUTAYA O-WEST
10月11日、SPiCYSOLが『2nd Album「Mellow Yellow」Release Tour “Gonna be a #goodday"』のツアーファイナル公演を開催した。
定刻を迎え、SEとして会場内に流れるのはアルバム収録曲「Good Day」だ。それに合わせオーディエンスが手拍子するなか、AKUN(Gt,Cho)、PETE(Trumpet,Cho,Key)、KAZUMA(Dr)、サポートベーシストの濱田織人の5名が登場。すると彼らは、コンガやティンバレスなどをステージ上に持ち出し、打楽器を使用したセッションをスタートさせた。多彩なリズムワークにより、オーディエンスはすっかりノリノリになったようで、フロアからはメンバーの名前を呼ぶ声が飛んでくる。そうして場内が温まったところで、インディアン風の羽飾りを頭につけたKENNY(Vo,Gt)の登場。「調子はどうだい、渋谷!」(KENNY)の呼びかけとともに、「Cyanotype」へと繋げたのだった。
SPiCYSOL 撮影=@junwelt
そんなオープニングシーンからして胸が高鳴るような内容だったわけだが、それ以降の展開ももちろん観逃せない。テンポをグッと引き上げ、2曲目は「FIREWORKS」。ギターとベースのユニゾンから始まるイントロで歓声を集めると、さらに3曲目の「SIST」では、メンバーによるソロ回しを披露だ。勢いよく先陣を切るAKUNも、キーボードを手にステージ前方に駆け出したPETEも、オーディエンスの手拍子と掛け合いを繰り広げたKAZUMAも、いきいきとした表情をしている。そんな彼らを見てKENNYは「ツアーファイナル、高まってます!」と嬉しそうに叫んだ。
短いMCを挟んでから次のブロックに入ると、しっとりとした雰囲気の曲が続く。「Indian Summer」は、プロジェクターに投影したビーチの映像+夕焼け色の照明も相まってロマンティックなモードに。「You Find Me,I Find You」は特にアウトロが絶品で、KENNYのソウルフルなボーカルとPETEによるトランペットが掛け合うようにしてメロディを繋ぐなか、そのリレーを押し上げるようにバンドサウンドもさらに白熱していった。「Monsoon」でオーディエンスとともに声を合わせたあとは、ツアーのタイトルにもなっている「#goodday」へ。ライブ定番曲「Sex On Fire」は、“KENNYがアカペラで唄ったあとにバンドイン”という冒頭のアレンジで聴き手を惹きつける一方、アウトロではAKUNが立て膝状態になりながら渾身のギターソロで魅せた。
SPiCYSOL 撮影=@junwelt
ここで再びMC。KENNYは、北海道の地震や関西地方の豪雨など日本各地で自然災害の続く昨今の状況に触れながら、「俺たちには音楽を奏でることしかできないとネガティヴに考えちゃったけど、実際現地に行ってみたら音楽を待ってくれている人がいて」「今日もこうやって笑顔を見せてくれてパワーもらいました。逆に、僕たちがいい日にしてもらいました」とファンへの感謝を伝えた。そして「不幸になってしまった人の分まで“Gonna be a #goodday”と言い続けることが大事だと思いました」「この先、来年も再来年もSPiCYSOLは頑張っていくのでよろしくお願いします!」と新たな決意を言葉にした。そうして始まった「Coral」、KENNYの歌声はとても穏やかなものだった。
これまでのライブと比べて、この日は全体的に、ステージ上のメンバーは笑顔多めだったし、バンドのサウンドもフレッシュに生まれ変わっていた。また、メンバーが互いに向かいながら楽器をガシガシ鳴らし合う、オーディエンスの盛り上がりを見てKENNYが「いい波だね」「めっちゃヤバいじゃん!」と声をかけるなど、彼ら自身がこのライブを誰よりも楽しんでいるのだということが伝わってくるような場面も多かった。音や表情、身体で以って喜びを素直に溢れさせるようになったのは、先のMCで語られたような心境の変化が大きく影響しているのではないだろうか。
SPiCYSOL 撮影=@junwelt
その後、「Honey Flavor」「Mellow Yellow」を演奏して本編終了。アンコールでは翌日12日からデジタルリリースされた新曲「Blue Moon」のMVがいち早くお披露目されたあと、メンバーが再登場し、同曲を演奏した。KENNY曰く、「Blue Moon」は遠距離恋愛をテーマにした、「Coral」のアフターストーリーにあたる曲とのこと。11月22日にはこの2曲を収録した両A面 7インチレコードがリリースされるほか、代官山 SPACE ODDにてリリースパーティーが開催されるとのことなので要チェックだ。
そしてラストは、メンバー全員での、じゃんけんで勝ったAKUNの選曲した「AWAKE」で締め。<目覚めの良い日も悪い日も あなたにかわりはないから/焦らずに行こう>というフレーズには、奇しくも、このツアーでSPiCYSOLが掲げてきた、そしてその意味を強く噛み締めることとなった“Gonna be a #goodday”の精神と通ずるものがあった。つまり、メンバー自身がSPiCYSOLを改めて肯定するという意味で、きわめて重要なツアーだったのではないかと思う。そんなツアーを経て、これからの彼らはどう輝いていくのだろうか。それを楽しみにしていたい。

取材・文=蜂須賀ちなみ 撮影=@junwelt
SPiCYSOL 撮影=@junwelt

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