ニューロティカ×氣志團 2000本への
ラストスパート、ガチンコ兄弟対決の
行方は

『Way to 2000 2 MAN SHOW』ニューロティカ氣志團 2018.9.24 渋谷TSUTAYA O-WEST
10月20日(土)に東京・Zepp Tokyoにて行われる、通算2000本目のライブ『Zepp de NEW ROTE'KA ~祝2000本達成ライブ~』を控え、2000本を目前としたカウントダウン・ライブシリーズ『Way to 2000 2 MAN SHOW』を開催したニューロティカ。通算1998本目のライブであり、ツーマンシリーズ・ファイナルとなる氣志團とのツーマンライブが、9月24日(月・祝)渋谷O-Westにて行われた。
ニューロティカ 撮影=中島たくみ
ニューロティカとは、デビュー前から20年近い付き合いとなり、綾小路 翔(Vo)が「ツアーのやり方から女の子との遊び方まで、バンドに大切なことは全部ニューロティカに教えてもらった」と語る、いわば兄弟分と言えるほど仲の良い氣志團。いよいよライブ通算2000回を目前としたニューロティカはガチンコ兄弟対決を制して、ツーマンショーに有終の美を飾ることが出来るのか!? はたまた、氣志團が相手のホームで兄貴分をボコボコにしてしまうのか!? 互いのステージングにも多大な影響を与え合っている2組による、見どころ満載のツーマンショーが幕を開ける。
ブラックロティカ 撮影=中島たくみ
開演前、怪しいSEでツーマンショーのステージに再び登場したのは、ブラック・ロティカ。「お前ら、氣志團が出ると思っただろう? おい、笑ってんじゃねぇよバカ!」と毒づき、「俺たちがパンク界を悪の黒に染めてやる!」と吠えるブラックアツシ。アツシ(Vo)の悪の化身だと語るブラックアツシは、「ババア! ブタ! チビ! ハゲ!」と思いつく限りの悪口で観客を罵ると、「俺たちがブラックロティカだ! Zepp Tokyoも黒に染めてやるからな、覚えとけ!!」と告げ、何をする訳でもなくメンバーと共にステージを去っていく。果たして、Zepp Tokyoではどんな悪事を計画しているのだろうか。
氣志團 撮影=中島たくみ
氣志團・綾小路翔 撮影=中島たくみ
ブラックロティカが去った後、SE「BE MY BABY」が流れ、ステージに登場したのは先攻の氣志團。西園寺 瞳(Gt)の深みあるアルペジオから、ギターを背負った綾小路がステージに登場し、始まった曲は「スパトニックシティ・ブギウギ」。♪ワッショイワッショイ!の掛け声も勇ましいインストナンバーに、早乙女 光(Dance&Scream)もブルースハープを鳴らし、ロックバンド然とした堂々たるステージで超満員の観客を魅了する。「俺達、氣志團! 房総与太郎ロックンローラー! 夜露死苦機械犬、ワンワン!」と綾小路が挨拶し、続いて始まった曲は「Rock'n'Roll Graffiti」。硬派なロックンロール・サウンドと、エモーショナルな歌声でしっかり聴かせ、序盤からロックンロールバンドとしてのカッコ良さをしっかり見せつける。直前に『氣志團万博』を終えたばかりの彼らだが、ライブハウスの氣志團は大舞台ともひと味違う。
さらに星グランマニエ(Gt)の切れ味鋭いカッティングギターで始まる、「ゴッド・スピード・ユー!」でギラギラしたステージングを見せ、攻撃の手を休めることのない氣志團。振り付けを合わせたり、綾小路のアジテーションに酔いしれたりと、観客もステージに釘付け。叶 亜樹良(Dr)と白鳥松竹梅(Ba)の前のめりなリズム隊に乗せた、鬼気迫る歌と演奏がグッと胸に迫った「D✕D✕D」では、会場中のタオル回しで熱風が起きる中、光がイリュージョンを魅せて会場を沸かす。ライブハウスの近距離だからなのか? 気合いの表れなのか? いつも以上の気迫を感じるステージに、「今夜の氣志團はヤバイ!」とドキドキが止まらない。
氣志團 撮影=中島たくみ
「オーラァイ!」と始まる、綾小路の長いフリースタイル挨拶がバカバカしくて最高だったMCでは、「ニューロティカは尊敬してっけど、いつまでもオッサンたちに居座られていてもしょうがねぇから、今日は引きずり下ろしに来たから!」と凄んだり、「俺達がニューロティカの前でやるってのはどういうことか? グチャグチャにしろってことでしょう?」と煽ったりと、後輩のcoldrainやSiMをそのままパクッた台詞でニューロティカを挑発。ダンサーを引き連れての「スウィンギン・ニッポン」で揺さぶりをかけると、振り付けやメンバーのマイクリレーも楽しい「週末番長」でフロアを笑顔で埋め尽くす。
氣志團・綾小路翔 撮影=中島たくみ
「中学生の頃、見たこともないルックスと聴いたこともない歌詞に脳天揺さぶられて、そこからずっとニューロティカのファンです!」とニューロティカへの愛を語った綾小路が、<色んなことがありまして 2000本ライブやります>とAMEMIYA風に2000本ライブを告知すると、「One Night Carnival」では、♪あっちゃんに 恋しているのさ~!と歌い、「愛 羅 武 勇」でニューロティカへの愛を届ける。本編ラスト、「思いっきりニューロティカの影響を受けて作った曲です」と始まった曲は「鉄のハート」。綾小路が曲中に「こういうところに影響受けてます」と解説しながら歌うと、ニューロティカの「ロックンロール クレイジーラン」を真似て右へ左へとステージを駆け回り、気合いが入りすぎて靴を飛ばした光に「こうやって失敗するのもニューロティカの影響です」と笑顔を見せる。最後は「ニューロティカ最高! 氣志團最高! ナボ最低! 俺達いつでもロックバカ!」と、声を合わせて終演。いつも以上の気迫に満ちていた上に、ニューロティカへの愛とリスペクトに溢れた、本当に素晴らしいステージだった。
氣志團 撮影=中島たくみ
ニューロティカ 撮影=中島たくみ
「ツーマンショー、ファイナル! Yes! ニューロティカ!」と、カタル(Ba)による気合い十分の叫びで始まった後攻のニューロティカは、あっちゃんが88ライダーのスタイルでステージに飛び出し、「全てはワールドピースのために!」と「88R」でライブがスタート。<みんなの笑顔を守りたい>と歌い、タオル回しで盛り上がると、「そうです、私が初老の88ライダーです」の自虐ネタに笑いが起きる。「また来週!」と88ライダーが去り、楽器隊だけで披露したインストナンバー「No.9」では、ナボ(Dr)とカタルのグルーヴィーなリズム隊に、ジェームス(Gt)のテクニカルなギターが映える抜群の演奏で、こちらもロックンロールバンドとしてのカッコ良さを見せつける。
ニューロティカ・アツシ 撮影=中島たくみ
ニューロティカ・ジェームス 撮影=中島たくみ
満天の星空に見立てたミラーボールの光の下、勢いと哀愁のある歌と演奏で魅せた「五十の夜」、観客とのハイタッチで沸かせた「嘘になっちまうぜ」、あっちゃんの生き様を歌った「永遠ピエロ」と、ツーマンショーのファイナルに相応しい渾身の歌と演奏で一曲一曲を丁寧に披露すると、あっちゃんが氣志團との思い出を語り、「仲良くしていただいて、ホント感謝してます」と感謝を述べる。「氣志團のみんなが好きな曲です」と「並じゃねぇ」で始まった中盤戦は、高円寺中年合唱団のコーラスワークが聴かせた「パンチDEルンバ」と続き、♪Come On!と勇ましく歌う「Fight! ~Best Fight~」では、曲中に「<C'mon!!>って歌ってたバンドいたよね?」と分かりづらいフリから、この曲の衣装を真似たであろう金のジャケット姿で氣志團「喧嘩上等」のカバーを披露。「この歌を氣志團に捧げます」と、右へ左へとステージを駆け回った「ロックンロール クレイジーラン」は氣志團のステージを受けて、本番直前に急遽差し込んだ楽曲だ。ツーマンショーのホストとして5バンドを招聘、全ての対バンでカバーを披露した5本のツーマンショーを見て、ニューロティカがジャンルや世代を超えた、多くのバンドに愛される理由が改めてよく分かった。
ニューロティカ・カタル 撮影=中島たくみ
ニューロティカ・ナボ 撮影=中島たくみ
「翔やんが好きだって、人づてに聞いた曲です」という曖昧な説明から始まった「悲しきピエロ」に続いて披露したのは、「絶体絶命のピンチに尻尾を高くあげろ!」。曲中の“ニューロティカコール”に手が上がるも、多くの観客がオリジナルを真似て氣志團がGIGでやっている“氣志團コール”の手振りを始めてしまい、「なんだよぉ~!」と不服そうなあっちゃん。「じゃあいいよ、今日は氣志團コールやってみよう」と始めるも、あっちゃん一人だけリズムが取れないというバカバカしい展開には会場中が失笑。<チョイス!>の掛け声を、<ゼップ!>に変えて歌った「チョイスで会おうぜ」では、曲中に「ZEPPにこないか?」と「One Night Carnival」のカバーを披露するサービス過剰ぶりで観客の心を掴み、「俺達、死んでもニューロティカ!」のシャウトに大きな拍手が上がる。
ニューロティカ・カタル / アツシ 撮影=中島たくみ
ニューロティカ 撮影=中島たくみ
ニューロティカ 撮影=中島たくみ
ライブ終盤、ゲストとしてステージに呼ばれたのは、2013年に旧メンバーのシズヲが脱退した際、「ギタリストは誰だ!?」企画でサポートギタリストとしてステージに立ったこともある西園寺。自身が選曲したという「COME ON」、「ATKT」をジェームスとのツインギターで、パンキッシュでドライブ感のあるプレイを聴かせると、「アイキタ」ではあっちゃんとアイコンタクトを取りながら、自身のバンドのように堂々としたギターソロで魅了。ラストは氣志團が全員集合し、あっちゃんと綾小路のツインボーカルで「DRINKIN' BOYS」を披露。兄弟分というより、本当の兄弟や家族が集まったような、自由で温かくて最高に楽しいステージに会場中の笑顔が溢れると、「ニューロティカ最高!」のコールに大量のクラッカーが放たれ、金銀のステージシャワーに包まれる。こうして大団円の中、有終の美を飾った『Way to 2000 2 MAN SHOW』。終演後も笑顔と多幸感に満ち溢れた会場が、対バンシリーズの大成功を物語っていた。
ニューロティカ・ジェームス / 氣志團・西園寺瞳 撮影=中島たくみ
ニューロティカ・アツシ / 氣志團・綾小路翔 撮影=中島たくみ
『Way to 2000 2 MAN SHOW』を走り抜けたニューロティカは、10月13日(土)開催のGAUZE主催『消毒GIG VOL.170』に出演し、いよいよ10月20日(土)東京・Zepp Tokyoにて『Zepp de NEW ROTE'KA ~祝2000本達成ライブ~』を行う。チケットは絶賛発売中なので、ぜひとも会場を訪れて、記念すべき2000回ライブを共に祝ってほしい。

取材・文=フジジュン 撮影=中島たくみ
ニューロティカ / 氣志團 撮影=中島たくみ
ニューロティカ / 氣志團 撮影=中島たくみ

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