山田孝之、柿澤勇人、渡辺麻友ほか個
性豊かなキャストが勢ぞろい!ミュー
ジカル『シティ・オブ・エンジェルズ
』いよいよ開幕

2018年9月1日(土)より、東京・新国立劇場 中劇場にて山田孝之と柿澤勇人のW主演によるミュージカルコメディ『シティ・オブ・エンジェルズ』が開幕する。本作は演劇、ミュージカルの世界における世界最高峰のトニー賞で最優秀作品賞を含む6部門を制覇、さらにオリヴィエ賞2部門を受賞した傑作ミュージカル。日本人キャストによる上演に際し、演出を務めるのは、数々の人気作を手掛けてきた福田雄一。初日前日、同劇場にて公開ゲネプロが行われた。
『シティ・オブ・エンジェルズ』
『シティ・オブ・エンジェルズ』
『シティ・オブ・エンジェルズ』
『シティ・オブ・エンジェルズ』
シティ・オブ・エンジェルズ…天使たちの街=ロサンゼルスを舞台に、映画の脚本家スタイン(柿澤)の世界と、彼が書くシナリオの登場人物・ストーン(山田)たちの世界が描かれる。ストーンは私立探偵。彼を支える秘書のウーリー(木南晴夏)と探偵業を営んでいる中、ある日謎の女性アローラ(瀬奈じゅん)が継娘マロリー(渡辺麻友)の行方を探して欲しいと事務所を訪れる。一旦は仕事を引き受けたストーン。だが、二人組の暴漢に襲われ、この件から手を引けと脅される。彼の元同僚のムニョス(勝矢)からは女性に弱い事と指摘され、また、かつての恋人ボビー(山田優)と映画界の大物アーウィン(佐藤二朗)とのいざこざを思い出すストーンは、この依頼を断りにアローラの元に行くが、脅され、誘惑され、結果再びマロリーを探し始める。
『シティ・オブ・エンジェルズ』
『シティ・オブ・エンジェルズ』
『シティ・オブ・エンジェルズ』
一方、スタインの世界では、全身全霊仕事に臨んでいるスタインに、プロデューサーのバディ(佐藤)が脚本にあれこれとケチをつけ、修正のうえの修正を繰り返し。完成まで混迷を極めている状態。そんなある日、思いがけない出来事が起きて……。
『シティ・オブ・エンジェルズ』
『シティ・オブ・エンジェルズ』
『シティ・オブ・エンジェルズ』
『シティ・オブ・エンジェルズ』
ミュージカル『フルモンティ』以来のミュージカル出演となる山田は、生バンドの演奏に乗せ、前回よりさらに滑らかな演技とあたたかさに溢れる美声で聴かせる。また、柿澤は元々のハリのある歌声に加え、さらにエネルギーを感じさせる表現力で歌い上げていた。柿澤に関しては、ここ数年の出演作を経て、さらに歌唱力に磨きがかかったようにも感じた。この二人が共に歌う場面では、それぞれの声質の違いが絶妙のハーモニーを作り出し、新たな魅力を生み出していた。
『シティ・オブ・エンジェルズ』
『シティ・オブ・エンジェルズ』
『シティ・オブ・エンジェルズ』
『シティ・オブ・エンジェルズ』
ミュージカル初挑戦の木南晴夏、山田優、佐藤二朗の存在にも注目したい。特に木南はこれが初とは思えないくらい、堂々とした歌と演技を見せつけ、ミュージカル界でもっと活躍してほしいと感じさせた。また山田優は後半になるにつれ、安定感と女優としての底力を見せつけた。そして福田作品には欠かせない佐藤は、ゲネプロの途中で発生したマイクトラブル修復中の間、「二朗さん、意外とちゃんと歌えているって皆思っているよ」と福田にいじられていたが、事実その言葉の通り、人間味を感じさせるミュージカル俳優として、見事なデビューを果たしていた。
『シティ・オブ・エンジェルズ』
『シティ・オブ・エンジェルズ』
『シティ・オブ・エンジェルズ』
『シティ・オブ・エンジェルズ』
一方、ベテランの瀬奈と勝矢は安定した存在感を表し、芝居をぐっと引き締める。ここに『アメリ』やミュージカル番組などでの活躍著しい渡辺が、小悪魔的キュートさを見せながら、話を展開させていく。山田と柿澤以外のメインキャストはそれぞれが複数役を演じていく芝居だが、原作、そして役者の表現力も相まって、どのキャラクターも他と被ることなく存在感を示していた。
『シティ・オブ・エンジェルズ』
『シティ・オブ・エンジェルズ』
『シティ・オブ・エンジェルズ』
物語は山田がいるフィクションの世界と、柿澤がいるノンフィクションの世界を行き来しながら進んで行くが、後半になっていくにつれ、その境目があいまいになっていく。様々な出来事に笑いながら迎えるエンディングを楽しみにしてほしい。
『シティ・オブ・エンジェルズ』
過去、他の福田作品に出演しているキャストも多い事から、それにまつわる小ネタも随所に置かれ、さらにはプライベートな小ネタも投下され、それらはブロードウェイミュージカルの中にあっても不思議と違和感を感じさせず、自然な笑いを誘っていた。(もちろん、佐藤がアドリブで仕掛けてくる箇所もなくはない)。福田の遊び心とミュージカル愛なしでは実現しなかった“日本版”『シティ・オブ・エンジェルズ』。存分に笑って、笑顔で劇場を後にしていただきたい。
『シティ・オブ・エンジェルズ』
『シティ・オブ・エンジェルズ』
【おまけ】佐藤さんのキュートなお尻が大ピンチ!
取材・文・撮影=こむらさき

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