Rides In ReVellion 撮影・Anastasia

Rides In ReVellion 撮影・Anastasia

変化球の多いV系シーンでRides In R
eVellionが提示する「ヴィジュアル系
の王道」のカッコよさ【ロングインタ
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結成3周年、関西を拠点に活動するヴィジュアル系バンド、Rides In ReVellionへロングインタビュー。結成の経緯から、シーンに対する熱い想いを語ってもらいました!

関西を拠点に活動し、古き良きヴィジュアル系シーンを彷彿とさせる旋律と、近代的なデジタルサウンドとの融合をコンセプトに掲げた、Rides In ReVellion
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7月に開催された東阪2ヵ所のワンマンライブを成功におさめ、秋には2枚のコンセプトミニアルバム『ARTERY』、『VEIN』の同時リリースが決定している。3周年を迎えたバンド結成の経緯から、「ヴィジュアル系」への思い入れなど、熱く、時にはノリ良く(笑)語ってもらった。
プロフィールにめっちゃメイクした自撮りを載せてて…――まずはRides In ReVellionの結成の経緯を聞かせてください。
TaJI:まず僕と黎がネットのバンドメンバー募集掲示板で出会ったんです。
当時、僕はバンドを始めたくて、ボーカルを探していたんです。そこでメンバー募集掲示板をチェックしまくって、気になった人と手当たり次第、会ってみたんです。そこで最初に出会ったのが黎なんです。それがきっかけで、前のバンドで一緒にやることになるんですけど。
黎:僕もその頃、まだバンドを組んだことがなかったんですけど、とにかくバンドがやりたかったので、掲示板のプロフィールにも、「バンドで成功するなら、学校もすぐやめるくらいの気合いです」みたいな、やたらと熱いプロフィールを綴っていたんです。10代だったし、若かったですね(笑)。
TaJI:僕は、それを見て「マジで気合い入ってるこいつ〜」って思いました(笑)。しかも、そういう掲示板って顔写真を載せられる機能がついているものの、大抵の人は写真載せてないんですよ。でも、彼は(黎の方を指差す)めっちゃメイクした自撮りを載せてて……。
黎:そうだっけ! 覚えてない! 恥ずかしい!
飴:それは恥ずかしいな(笑)。
――その「気合いの入った」出会いから、今に至ると。
TaJI:そこにドラムの飴ちゃんが合流する形ですね。元々仲良かったんですけど、ちょうどバンドを辞めたタイミングで引っ張ってきました。
飴:TaJIくんとは専門学校が一緒だったんですね。で、バンド辞めた2日後くらいに、「バンドって決まってる?」って連絡があったんです。「おつかれ!」じゃなくて「決まってる?」みたいな(笑)。
――探りが来たと(笑)。
TaJI:覚えてないです(笑)。
飴:当時は皆のヴィジュアルに衝撃を受けましたね。黎は、なんか紐でつながっているズボンを履いていて……。
――「ボンテージパンツ」ですね。
飴:最近アレを履いてる人って、中々いないじゃないですか。
黎:やめて〜〜! 俺の恥ずかしい過去を! ちなみにイエローハウス(※黎明期から数多のヴィジュアル系バンドの衣装を手がけている原宿の有名ショップ)で買ったんです。
TaJI:当時僕らはプライベートから、めちゃくちゃヴィジュアル系の格好をしていたので……(笑)。
飴:その中で、僕だけそのへんの大学生みたいな格好していましたね(笑)。
TaJI:それで前のバンドをやっていたんですけど、それが色々あって解散して、「次はこの3人で」という話になりました。本当は始動段階でベースを入れてフルメンバーでやりたかったんですけど、どうしても見つからなくて。
そこで悩みましたが、かっこいいバンドをやっていたら、おのずと「入りたい」って思ってくれるベーシストも出てくると判断して、3年前にRides In ReVellionが始動したんです。
――そしてかっこいいベーシスト、渚さんが出てきたと。
飴:渚とは過去に一度セッションバンドで共演したことがあって、以前からいいなと思っていたので、7月の始動主催で加入することになりました。
黎:ここまでで結構話が長くなりましたね(笑)。
――では、バンド名の由来も聞かせてください。
黎:とにかくかっこいいバンド名にしたかったんです。それで辞書をひいて単語の意味を調べて、ヴィジュアル系に反逆をおこしていこうと。
――「"HARMONIZED TIME PARADOX" mixed the future and the past by Sadistic Sadness Sentimental Sounds.」というコンセプトに込めた意味は?
TaJI:読み上げられると、恥ずかしいですね。
――そこは自信を持っていきましょう。
TaJI:当初から古き良き時代の音楽と、最先端のサウンドの融合をやっていきたかったんです。それをアイコンとして記号化させたいなと考えていて、そこでこのフレーズを思いつきました。そこからイメージを広げていったんです。
“90年代ヴィジュアル系”の魅力はどこにある?
“90年代ヴィジュアル系”の魅力はどこにある?――では、90年代のヴィジュアル系の良さは、どこにあると思いますか?
TaJI:「常に全力」ですよね。言葉にしてしまったら、軽くなってしまうかもしれませんが、音楽のために全力で、命をかけてやっているように感じます。
表現が難しいんですけど、佇まいで分かる感じがあって、今の時代には無いものを感じます。そのマインドは僕たちも受け継ぎたいですけど、単に「90年代っぽいものをそのままやりました」ということではなくて、現在の音楽の良さも混ぜ合わせて、更に新しいものを作りたいというのが、このコンセプトに込めた理想です。
黎:「自分たちをヴィジュアル系と思っていない」というか、「ヴィジュアル系」という意識がない上で、シーンが出来あがっていった結果、後付でそう呼ばれるようになった。これまでにないジャンルを作ったわけじゃないですか。最初にやった世代はすごいと思いますし、そういう発想力があるからこそ憧れる。
――ちなみに、90年代のヴィジュアル系とひとことで言っても、色々なバンドがいます。TaJIさんのルーツは?
TaJI:最初はX JAPANです。
――触れたきっかけは?
TaJI:僕、野球やってたんですけど……。
――! つまり、野球の応援歌の『紅』で?
TaJI:そうです。「この曲カッコいいな!」と思って調べてみたらX JAPANの曲だったんです。それでライブ映像を見たら、さらに「すっげえな!」と。あんなの見たことなかったし、映像を見て感動しました。
――これまで様々なミュージシャンの方の取材をしてきて、ルーツがX JAPANという方は沢山いましたが、「応援歌から」という方は初めてですね。他のメンバーの皆さんのルーツの話も伺いたいです。
黎:最初はJanne Da Arcですね。元々親や親戚がヴィジュアル系が好きで、その影響が強いんですが、最初に知ったJanne Da Arcの影響が一番強いと思います。
――ボーカリストとしての憧れの人はいますか?
黎:ホイットニー・ヒューストンですね。
――意外な人選が。
黎:バンドも好きなんですが、ポップスがすき、R&Bも大好きです。邦楽だとCHEMISTRYも好きですね。
渚:僕はふたりみたいに、どのバンドが好きというのはあまりなくて。好きになったきっかけは、当時中二病というか、病んでいた時期があって。その時に同じような心境だった友達からthe GazettEを教えてもらって……。歌詞が当時の自分にあっているなと。そこから自分でもネットで調べて聴いて、みたいな。
――では、そこからベースを始めたのでしょうか?
渚:いや、その前に友達からベースを貰ってたんですよ。「家にあって邪魔だからあげる」くらいの気持ちで(笑)。
――なんて気前の良い。尊敬するベーシストは?
渚:僕もヴィジュアル系ではないんですが、Aqua TimezのOKP-STARさんですね。
――根底にポップなものがあるんですね。
TaJI:そうですね、それが曲にも現れてると思います。
飴:僕は兄貴の影響ですね。最初兄貴がベースやギターを始めて、僕も真似して弾いていたんですけど、全然弾けなくて(苦笑)。その後地元でバンドを組むことになり、その時はギターボーカル志望だったけど、集まったのがギター3人とベースがひとりだったんです。「誰かドラムやれ」となるじゃないですか、そこで「ドラムなら兄貴に勝てるかな」と思い立って、ドラムを始めました。
L’Arc~en~CielやAcid Black Cherry、J-POPだとスキマスイッチSuperflyのコピーなんかをやりました。一番影響を受けたのは、UVERworldですね。ちなみに、好きなドラマーは、B'zのサポートもやっているシェーン・ガラースです。
――ちょっと意地悪な質問をしますね。先程おっしゃっていたように90年代のバンドは「ヴィジュアル系」と掲げていないじゃないですか。で、今、先人に憧れて「ヴィジュアル系」というフォーマットがある中で「ヴィジュアル系」をやるっていうジレンマはあります。そこに関しては、どう捉えていますか?
黎:今現在「ヴィジュアル系」を名乗ってやっていることと、僕たちが憧れたものって違うと思うんです、別ジャンルといってもいい。その中で新しいものを自分たちで作っていって、認められるまで頑張るしか無いのかな。今の「ヴィジュアル系」で上を目指していくのであれば。
高校の頃に憧れたヴィジュアル系を目指したい
僕が高校生の頃に憧れた「かっこいいヴィジュアル系」を目指したいTaJI:僕がヴィジュアル系というジャンルをやりたいと思った学生時代、その頃は世間はいわゆる「ネオヴィジュアル系」ブームだったんです。クラスの皆もヴィジュアル系好きで、SIDやthe GazettE、NIGHTMARE、Alice Nine……クラス替えのときの自己紹介で好きなバンドを言ったら、それをきっかけに仲良くなれたりして。
だから、ヴィジュアル系は一般的に見てもかっこいいジャンルなんだなという認識で、「やりたいな」と思って始めたんです。でもそれから数年経って、バンドを組み始めた頃には、ヴィジュアル系って皆から謎めいたジャンルになっていたんです。
ーー世間的にはあまり知られていない、と。
TaJI:そうです。ちょっと停滞しているな、と感じるようになって。今の僕らには、まだ何の力もありませんが、僕が高校生の頃とかに憧れた「かっこいいヴィジュアル系」を目指していきたいと思います。
――昨年リリースされたシングルで、X JAPANの『Rusty Nail』をカバーしてましたよね。あえて90年代の名曲をカバーするというのも挑戦のひとつですよね。
TaJI:今のバンドが90年代の名曲をカバーして世に出すというのも、僕らのコンセプトとリンクすると思ったんです。
サウンド的な面でいったら、ギターもアレンジを変えていますが、原曲を意識したものにしたいと考えていて、バッキングのフレーズは原曲そのまま弾いている。ギターソロも最初のギターソロは現在のX JAPANを意識したものになっていて、2度目のギターソロは、昔のX JAPANっぽいフレーズを意識しています。
――「今のXぽい」というのは?
TaJI:SUGIZOさん色が加わって、例えばギターでいうと、HIDEさんのギターはアームがついてないから、アームを使ったプレイは出てきていないじゃないですか。SUGIZOさんはアームを使ってるので取り入れています。他にも、HIDE(hide)さんのソロの曲のメロディも組み込んでいたりしています。
――色んな仕掛けをしていますね。
黎:僕は、ボーカルのキーの高さで勝とうとは思っていなくて。完全に自分の中で消化してから作ろうと思ったんで、モノマネではなく自分らしくやって、それがスパイスになったらいいな。
――そして秋に『ARTERY』、『VEIN』というふたつのコンセプトミニアルバムをリリースされるとのことで。
TaJI:絶賛製作中です。
――7月に開催された東京と大阪でのワンマンで、『ARTERY』から『ANOXIA』、『VEIN』から『衝動DIRTY』が1曲ずつ披露され、配布されました。
黎:『ARTERY』が”王道”で、『VEIN』が”邪道”というコンセプトなんです。元々2枚出すというのは決めていて、しっかりしたコンセプトにしたかったので、Rides In ReVellionらしい曲と、らしくないけど自分たちのルーツにあるものをしっかり出した曲とに分かれた作品になっています。
――『VEIN』収録の『衝動DIRTY』は、たしかにこれまでと感触が違いますね。
黎:邪道というだけあって、これまでに使ってきていない言葉が出てきたりするんですけど、元々自分の中にあったのか、書き始めたらスラスラ出てきたんで。自分の違った側面を出せたのではないかと思います。
渚:ライブが楽しみな曲ですよね。
飴:今回生音を後から加工してて、『衝動DIRTY』はTaJIさんと相談しながら、尖った、遊んでる、パンクな感じといったらいいのか。遊んでる感じってどんなのかな? スナッピーがついてる感じ。ザラザラしたアタックのある、遊び心のあるドラムの音になったと思います。
――この曲も、hideさんのオマージュを感じる曲です。
TaJI:今年I.N.A.さんが出した本(『君のいない世界~hideと過ごした2486日間の軌跡~』ヤマハミュージックメディア刊)を読んだんです。楽曲の制作方法も語られていて、そういうのを読むと、実際に試したくなるじゃないですか。そこから着想を得て、色々自分なりに実験を重ねて出来た曲です。
――なるほど、では”王道”の『ANOXIA』の方のお話も聞かせてください。
変化球の中で、「ヴィジュアル系の王道」をガンって行けるのは、僕らなんじゃね?TaJI:『ANOXIA』はすごく“王道”っぽい曲なんです。最近ヴィジュアル系シーンの中で話題にのぼるバンドって、変化球系のバンドが多い気がするんです。
――たしかに、面白いことをやっているというか、バラエティ豊かなバンドが多いですね。
TaJI:僕自身、「おっ」って思わせられる曲をやっているバンドは、変化球系のバンドが多い。中にはTHE・王道のバンドもいると思うけど、でもその中で、めっちゃ心に響いた曲というのが正直少ないんですよね。
――それは多分、「ヴィジュアル系」というフォーマットが既に出来ている時代だからこそ、そのフォーマットからあえて外した「意外性のある」変化球系のバンドの方が、フックを作りやすいんだと思います。だからこそ今、おっしゃるような王道をやる方が難しい時代なのでは。
TaJI:そうなんですけど、その中で、「王道」をガンって行けるのは、僕らなんじゃね?と。『ANOXIA』は自信作です。このストレートさを、高校生の時にかっこいいなと思っていた「ヴィジュアル系のカッコよさ」を昇華できるのは、僕たちだという自負を込めています。
黎:こちらも今までにない歌詞だったりするんです。自分が、こんなにも弱い気持ちの歌詞を書いたのは初めてなんですよ。僕って歌詞を書く時に、あんまり想像で書けなくて、どうしても自分のことになってしまうんです。だから自分自身のネガティブなところばっかり出てしまったんですけど。思いきって、今までになかった弱いところを出せた歌詞です。
渚:リズムに関しては、疾走感をいかしたいなと思って。本来のテンポからクリックを倍にして録りました。ちょっとしたノリが変わるから。そのせいで走ってたらすみません(笑)。
飴:疾走感っていうと、わかりやすいほうがいいじゃないですか。ドラムも、例えるなら高校生でもコピーできるような、叩いていて楽しいシンプルでストレートなものになっています。
これはピエール中野さんの受け売りなんですけど、LUNA SEAの曲って、シンプルでコピーはできるものが多い、だけど奥深い、だからこそ凄いって言ってたんです。そういう部分を意識しました。
――ちなみに、7月の東京でのワンマンでは、ラップを入れた曲も入るということをMCでおっしゃっていましたね。
黎:そうですね。邪道盤の『VEIN』に収録予定の楽曲なんですが、自分的に新しい要素満載の楽曲なのでハラハラドキドキと言った感じです。詞も、今までに無かった「怒り」をテーマに書いているので、RIRにとってはまさに邪道な「逸曲」になると思います。笑
――最後に、読者に向けて一言お願いします。
黎:Rides In ReVellionでしか観られないものが絶対あると思うんです。ライブ、バンド自身を売りにしているので、ライブに来て欲しいですね。
リリース情報【Rides In ReVellionがNEXT LEVELへ突き進む。】
“王道と邪道のデュアリズム”
『ARTERY』 『VEIN』
Mini Album2タイトル同時リリース決定!!
2018.10.28-sun- OUT!!!
ライブ情報Rides In ReVellion コンセプト2daysワンマン「DUALISM」
12/1(土)「 ARTERY -赤い動脈-」OSAKA MUSE
12/2(日)「 VEIN -青い静脈-」OSAKA MUSE
前売¥3,500- 当日¥4,000- 税込・オールスタンディング ※入場時ドリンク代別途必要
OPEN/START 16:30/17:30
11月週末ウィークリーライブ企画決定!
テーマは「凱旋」
詳細後日発表!
FEST FES~The End or Continue~
8月25日(土) 、26日(日)STUDIO PARTITA
最新情報は、オフィシャルホームページ、オフィシャルツイッターで更新

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