L→R GOT'S(Ba)、KEIGO(Vo)、IWASAKI(Dr)、KOHSHI(Vo)、TAKE(Gu)

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【FLOW インタビュー】
綺麗事だけじゃない人の心が
表現できた

日本と中南米を回る『FLOW 15th Anniversary TOUR 2018「アニメ縛り」』を成功させたFLOW。ロックとアニメの枠、国境さえもぶっ壊す活躍を見せる彼らが、影と光の両極が見えるダブルAサイドシングル「音色 / Break it down」で自らの枠もぶっ壊す!

7月に『FLOW 15th Anniversary TOUR 2018「アニメ縛り」』を終えて、中南米でも同じツアーを敢行。こんなバンドいませんよ!

KOHSHI
すごかったですよ。どの国も空港で待ってくれているファンの子がいて、どこに行ってもすごい熱を感じました。
TAKE
日本の文化に寛容だし、日本人を好きでいてくれてるし、我々の音楽もアニメを介して知って、そこからオリジナルアルバムを聴いてくれていたりして。どこも初めて行く国ではなかったので、日本の裏側で再会があったりもして、それは日本で地方を回るのと一緒だなと。帰る時は“また来たい”と思ったし、1度で終わらない関係性を積み重ねることができてると実感したのが、今回の大きな収穫でしたね。

特に印象に残ってる箇所はあります?

KOHSHI
ブラジルのリオ・デ・ジャネイロでのワンマンライヴが機材トラブルでフルバンドでのライヴができなくなってしまって、急遽アコースティックライヴをやったんです。
TAKE
そう。“ファンのために何かやりたいね”って話になって。映像でライヴの上映をしたあと、Q&Aでファンの人と交流をして、アコースティックライヴをやるという、ファンミーティングのようなことをしたんです。通常のライヴはないのにそれでも集まってくれて、ライヴ上映もすごい盛り上がってくれました。
KEIGO
そこにはもう、愛しかなかったです。
IWASAKI
まさか映像上映だけでもそんなに盛り上がってくれると思ってなかったから、お客さんの愛と熱を感じた瞬間、涙が出てきちゃって。
TAKE
あれはチームFLOWで乗り越えた貴重な一日でしたね。

では、新曲について。ドラマ『幸色のワンルーム』の主題歌でもある「音色」は、FLOWには異色の楽曲になりましたね。

TAKE
今まで我々が手がけてきた少年誌のアニメとは大きくテーマが違っていて、“人の幸せのかたちはひとつじゃない”っていうシリアスな題材だったので、自ずと音も変わりましたね。原作を読み込んで世界観を理解した上で音に変換したんですが、今までのFLOWにはない音になりました。

最初にイメージしたサウンドや世界観というのは?

TAKE
いろんな人間がいて、きれいな部分だけでなく汚い部分もあるけど、その中に希望を見出せる人間賛歌になればいいなと思いました。そこで土着的なアコースティックサウンドだったり、民族っぽいリズムを使ったり。いびつな関係性の中で希望を見つけるという意味で、曲でもいびつさを出せたらいいなと思って三連符のリズムでアクセントを付けたりして。
IWASAKI
ドラムも人間っぽい音を作りたいと思って、いつもとセットを変えたんです。温かくて丸みがあるんだけど、その中に鋭利さがあるっていう、人が持つ多面性を表現しました。
GOT'S
ベースはサウンドで色気を出すのをテーマに、弾き方やフレーズ、ポジションにこだわりましたね。自分の中にはない部分をあえて出すようにしたので、慣れるまですごく大変ですけど、自分を成長させてくれる曲にもなりそうです。
TAKE
あと、原作が女性と男性の物語ってことも含めて、この曲には女性の声がマストだなと思って、女性の声を入れたんです。それによって見えてくる景色が変わって、やっと完成した気がします。変な話、男なんて女性の手のひらの上で転がされる存在だったりするんで。その感じが良い意味で曲に表れればいいなと思ったんです(笑)。

ヴォーカルに関しては孤独を歌った曲をふたりで表現することで、闇の深さや奥行きを感じたし、最後に光が差す、いつものFLOWとの印象の違いをすごく感じました。

KOHSHI
“信じたら夢は叶う”みたいな言葉を口に出したら薄く感じてしまう作品だし、そんなこと言えないような世界観だけど、テーマは“幸せ”っていう真逆のところにあって。“パリピが戦地に行って、何を言えるんだろう?”みたいな話で、FLOWがここで何を表現できるのかと思いながら言葉を紡ぎました。結果、いつもは出せないダークな表現ができたので、そんな機会を作ってくれたこの作品にすごく感謝してます。
KEIGO
僕の中では『アニメ縛り』ツアーも大きくて。バンドとしての価値観や想いを吐き出したツアーを経て「音色」ができて、またいろいろ考えさせられたんです。これで綺麗事だけじゃない、汚い部分や妬みや弱音も含めた人の心を表現できたかなと。ここから来年の日本武道館へ向かう上で、FLOWの新しいかたちを提示できたのは良かったと思います。

「音色」とは対照的な、FLOWど真ん中の「Break it down」が両A面として収録されているのも意味深いですよね。

TAKE
これはいろんな時代の変化もある中、“FLOWはこれが好きなんだ!”ってことを音で提示した曲ですね。『NARUTO×BORUTOボルティカルジェネレーションズ』というゲームのテーマソングになっているんですが、その『NARUTO』のアティチュードだったり、今年の初めにトリビュート盤にも参加させてもらったhideさんのエッセンスだったり、もっと言うとGRANRODEOのズカさん(e-ZUKA)のオマージュだったり、FLOWがここ最近で出会って好きだったものを好きなように詰め込んだし、それがいいんじゃないかと思ったんです。
KOHSHI
『アニメ縛り』ツアー中に作ったから、そのテンション感や勢いも詰め込んでいます。ロックやアニメ、国境までぶっ壊したツアーを体現した歌詞になってるし、今のFLOWの方向性を指し示した曲になったと思います。俺らの意思表示と言える曲が、このタイミングで出てきたのは必然な気もする。このままの勢いで日本武道館ライヴに雪崩れ込みたいですね。
KEIGO
みんなが“FLOWのど真ん中ですね”と言ってくれる曲って明らかに僕らの武器だと思うし、ライヴでの盛り上がりも想像できるし。この2曲が揃ったことで、今のFLOWの覚悟や想いをしっかり表現できたと思います。

『アニメ縛り』ツアーで発表した来年1月の日本武道館公演は、10年前とも違った意味を持つライヴになりそうですね。

TAKE
そうですね。『アニメ縛り』の曲たちにライヴ曲が加わって、まさに神曲ばかりが揃うライヴになると思うので、みんなで作り上げる最高の武道館にしたいですね。“神祭り”というその名の通り、その日はきっと本当に神も降臨するような内容になるんじゃないかな。

取材:フジジュン

シングル「音色 / Break it down」2018年8月29日発売 Ki/oon Music
    • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    • KSCL-3082~3 ¥1,500(税抜)
    • 【通常盤】
    • KSCL-3084 ¥1,000(税抜)
    • 【期間生産限定盤(DVD付)】
    • KSCL-3085~6 ¥1,500(税抜)

『15th Anniversary Final 「FLOW LIVE BEST 2019 in 日本武道館 ~神祭り~」』

1/30(水) 東京・日本武道館

FLOW プロフィール

フロウ:KOHSHI(Vo)、KEIGO(Vo)、TAKE(Gu)、GOT’S(Ba)、IWASAKI(Dr)の5人組ミクスチャーロックバンド。2003年1月に発表した海援隊の「贈る言葉」のカバーで注目を集め、シングル「ブラスター」でメジャーデビュー。疾走感あふれるエネルギッシュなバンドサウンドと思わず身体が弾み出すようなメロディーを武器に、全国でイベント出演やライヴを繰り広げる。『NARUTO -ナルト-』『交響詩篇エウレカセブン』『コードギアス』をはじめ、多くのアニメにも楽曲を提供し、06年以来、海外での活動にも精力的に取り組み、アジア、北米、南米、ヨーロッパなど、これまでに19カ国59公演を超えるライヴ実績を持ち、ライヴバンドとして国境を越えて音楽を届けている。22年にデビュー20周年突入イヤーを迎え、11月にORANGE RANGEとのコラボ楽曲「デイドリーム ビリーヴァー」を含むシングルをリリースする。23年7月にはアニメ提供楽曲だけで行うワンマンライヴ『FLOW 20th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE 2023 ~アニメ縛りフェスティバル~』を幕張メッセ国際展⽰場で開催予定だ。FLOW オフィシャルHP

L→R GOT'S(Ba)、KEIGO(Vo)、IWASAKI(Dr)、KOHSHI(Vo)、TAKE(Gu)
シングル「音色 / Break it down」【初回生産限定盤(DVD付)】【通常盤】
シングル「音色 / Break it down」【期間生産限定盤(DVD付)】

「音色」MV

OKMusic編集部

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