【インタビュー】DaizyStripper「新しい世界を切り開いた一枚」シン曲6曲解説ロングインタビュー!

【インタビュー】DaizyStripper「新しい世界を切り開いた一枚」シン曲6曲解説ロングインタビュー!

【インタビュー】DaizyStripper「新
しい世界を切り開いた一枚」シン曲6
曲解説ロングインタビュー!

新しい試みが随所に散りばめられているんです。

――『シン世カイ』は未体験な新曲と既存曲のアコースティックバージョンが収録されたアルバムですが、なぜこの組み合わせでリリースしようと思われたのでしょうか?
夕霧:リード曲の『コスモス』を前作に引き続きKen(L'Arc〜en〜Ciel)さんにサウンドプロデューサーで入って頂き制作することになったんですけど、Kenさんと作る曲がジャンルレスというか、今までのDaizyStripper至上で言ってもカテゴライズする枠がない曲だし、ビジュアル系にとってもこれは新しいだろうという話でこの曲を作りました。
このアルバム自体も、やったことのないチャレンジを詰め込んだら更に面白くなるねという所から新しい試みの6曲にしましたね。アコースティックは元々やりたかったんですよ。ファンの子からも「アコースティックのアルバムを出してよ」という声を頂いていたので、いつか出したいなって思っていて。今回この新しいアルバムにくっつけて出したら面白いねという話になったので、一緒に録ってみました。

――『シン世カイ』が1枚出来上がってみて、今の心境はいかがですか?
夕霧:今までのデイジーの良さもあるんですが、『シン世カイ』は俺で言ったら歌詞はノートで書きました。今まではパソコンや携帯で書いていたんですけど、今回からはそういう新しい試みが随所に散りばめられているんです。
今までのデイジーは早いテンポが多かったんですが、『シン世カイ』はちょっと意図的なスローというか、大人な魅力も感じられるので凄く聴いていて楽しいです。いつもそうだけど、良い意味でバラバラな6曲が揃ったし。その全部がDaizyStripperだからすごく強いなと思いました。
なお:アコースティックの方もエレキの6曲も、デイジーの変わらない所は変わらないんだけど、良い意味でアダルティな要素がこの作品で増えたなって思っています。曲のテンポも遅い訳ではないけど、今までの作品よりは少しBPMが遅い。でもライブでも盛り上がれるし、ノリノリな曲も見えるし。
だんだん年を重ねて色々な経験をしてきて、そういう経験をしたから出せる夕霧の言葉の使い方とか、歌の歌い方とかも全部の曲に入っているから、それも今後のデイジーが良い意味で変わっていく所。今もこのレコーディングを終えて、自分がもっとこうしなきゃなっていう事がいっぱい増えたから、もっともっと今後のシン世カイを作っていくために、自分をいじめて色んな角度で勉強できる良い機会になりました。
まゆ:BPMの話が出てるんですけど、激しさの基準っていうのが、今までだったら速い=激しいみたいなのがあって、もちろんそうじゃない事をメンバーでわかりつつも、それが一番デイジーの激しさを演出しやすかったんです。そこに重点を置いたようなものが多かったけど、今回からは速い=激しいじゃないっていう所を押し出してみました。
今まではそれをやるのが難しいって思っていたけど、そこにトライしていく。チャレンジできた事によって新しい世界を切り開いていくんじゃないかなって思います。

Rei:仕上がってみて聴いてみて思ったのが今までにない感覚がありましたし、一番難しい事が出来たアルバムだと思いました。音の広がりが色んな所から聴こえるのが、自分で聴いていても楽しいし。
メンバーの呼吸も感じられるアコースティックも入っているし、ライブでも暴れるチューンもあるし、THE DaizyStripperだよねみたいな部分もあります。バラエティーに飛んだアルバムになったなって思います。
風弥~Kazami~:まず今までにない手応えを感じています。『コスモス』はKenさんに制作段階から入って頂きました。今回、曲を書くという事はどういうことなのか?という考えから変えていった作品です。今までは、漠然と曲全体を作っていたんですけど今回は1曲5分の曲を作るんじゃなくて、1個のテーマを発明するみたいな。そういうスタンスで曲をそれぞれ書いていきました。
そういう書き方にした初めての作品になったので、タイトルが『シン世カイ』なのも、俺らの中で曲の書き方や、作り方、レコーディングの仕方など色んなことにチャレンジして作っていったから、メンバーの会話の中で「シン世カイだね」っていう話になって、このタイトルになりました。俺らもそうだし、世の中の人からしてみても、聴き馴染みのない音楽だと思うんですよ。それを楽しんでもらえたらいいかなって思います。

愛の形を叫びたくて
――リード曲の『コスモス』は、Kenさんがサウンドプロデュースをしています。前作の『4GET ME NOT』とは全く異なるファンクミュージックの要素が加わった楽曲ですね。このようなサウンドにされたのは、Kenさんからこういう感じにした方が良いと言われたのでしょうか?
風弥~Kazami~:そうではないですね。こういった曲が良いという話はいっさいなく、とにかく自分で新しいものを生み出せという所だけです。世の中何万曲がある中で、何処かで聴き馴染みのある曲だったりがあるから、それは発明じゃないよねっていう所で、自分の感覚をぶっ壊して作っていくみたいな。そういう感覚を身に付けろという事を言われた感じです。
曲の雰囲気やテンポ感は自分でひねり出していきました。この曲のテーマはドラムのドンドンパンっていうリズムがずっと続いていくんですけど、あれってすごくシンプルなリズムだけど、キャッチ―でもあって。その1個のフレーズを作ることに、凄く精力を注ぎました。

――風弥~Kazami~さんが叩くイントロのドラミングは印象に残りますね。
風弥~Kazami~:この曲とシンセのリフで全部を構築していく楽曲になりましたね。

――作詞がReiさんですね。初ですか?
Rei:バンド人生初ですね。

――今回どのようなきっかけで、Reiさんが作詞を担当される事になったのでしょうか?
Rei:デモテープを風弥~Kazami~が持ってきて、この曲で行こうって決まったときにどういう風な歌詞にしようっていう話になったんです。風弥~Kazami~の曲を聴いたときにイメージが湧いていたのが僕という事もあり、書いてみたらと言う所から始まりました。自分の中でもそれが初めての試みだったので、新しい世界が見れたなと思っています。

――『コスモス』というタイトルは花ですか?それとも宇宙?
Rei:宇宙の方ですね。愛の形を叫びたくて。愛の形は人それぞれあると思うし、ひとそれぞれ考え方も違うと思う。その中で僕的にはこう思うよ、こうであっても良いんじゃない?別にこうと決まった事をやらなくてもいいんじゃない?って。色んな愛の形を考えていくとめちゃめちゃ広いし、宇宙にいっても足りないくらい愛に満ち溢れているかなって思いました。

――歌詞には「純愛 情愛 籠愛 恋愛 変愛 自己愛」といった様々な愛が出てきます。こんなにたくさんの愛の言葉はググって出してきたのでしょうか(笑)
Rei:ぶっちゃけそうですね(笑)自分の中にないとすれば変愛なんです。普通だと恋愛だけれど、その恋愛の心がなくなってしまったら変な恋愛になってしまう。恋愛をして心があったのに、変っていう漢字になるだけで別れたりもしてしまう。そういう愛の形もあるけど変な愛にならなきゃいいなって思います。

――夕霧さんはReiさんの作詞にどんな印象がありましたか?
夕霧:自分の言葉ではないから、不思議な感覚ですね。Reiちゃんが書いてきた歌詞に対して、Kenさんがディスカッションしていて僕も横で聴いていたんですけど、自分にはない世界観と言葉たちだから面白いなと思いました。

――Reiさんの作詞は哲学的だと感じました。
Rei:Kenさんにそう言われましたね。「お前いっぱい書けよ」って言われましたもん(笑)だから自分の中では新発見でした。
まゆ:デモを聴いたときからこのドラムのリズムが鼓動のように、生命の息吹みたいなものに感じました。愛ってそうじゃないですか?人間だったり、生物全体の根本だったりもするから上手いテーマが出来たなって。曲にあった歌詞だなって思いましたね。
Rei:愛は、ハートだから鼓動でもあるし。そういった部分でドラミングともあっていると思います。

――「Still beating my heart i am love again」という歌詞はどういう意味を持つのでしょうか?
Rei:俺の鼓動は熱く煮えたぎってるぜ聴いてよ!!みたいな感じです(笑)俺の中の前半戦だと、この愛って正解なの?俺もわかんないよ、頭おかしくなりそうだよ、でも愛ってこうだよね?って歌っていまして。誰かに何かを言われて意見が曲がる事もあるけど、自分は何に恋してんの?自分は何が好きなの?自分自身を恐れんなよっていうイメージがあります。素直になろうよという事を示しています。

――「誰に何を言われたって恋をするのに正解なんてありゃしない恐れるな」は共感する方も多いと思います。
Rei:そこ、俺の口癖なんですよ。
なお:俺、それ感じた!Rei君らしい言葉づかいだなって。それこそRei君と電話して色々相談しているときに、そういう事を言われた事あるし。Rei君らしいなってすごく思いました。
Rei:俺もここが一番好きです。

――風弥~Kazami~さんはReiさんの作詞に関していかがですか?
風弥~Kazami~:詞を書く人が変わると曲の印象も変わるんだなって思って面白かったですね。乗る歌詞によって曲の風景って変わるじゃないですか?今回、曲の持つ力強さや炎とか、情熱的なものがテーマやイメージで、そこに愛というテーマが加わったことで愛に対する深さや、愛が持つパワーが協調されているなって。深い作品になったと思います。

25時に眠れない一人の男の話
――『TIME CRUISE』はまゆさんが作曲をしています。この楽曲は世界の終わりに愛する人と逃げるお話しでしょうか?
夕霧:これは夢オチの歌詞で、25時に眠れない一人の男の話です。隣にはスヤスヤ寝ている君がいて、なんで眠れないんだよ、こんなに疲れてんだよ、コーヒー飲んだからか?それとも今日の占いが最下位だったからか…って考えているうちに気付いたら寝てしまっていて。
それで2番の歌詞は夢の中なんですけど、世界が終わるあのボタンは明日押されるっていうニュースがTVでやってたりもしていて。君と逃げたりしたんだけど、君すらも奪われちゃって、もう最悪死にたいって思ったときにハッて目が覚めるっていうお話しです。
まゆ:こういう事ってあるなって、この歌詞を読んだときにまず思って。曲を書いた時は夜のイメージだったんですよ。星空がある世界の感じを曲にしたくて、それをまず伝えたたら、それに対してこの歌詞がきたんです。
眠れない日って色んな事を想像すると思うんですよ。色々考えていると自分の思考の堂々巡りで、夜の時間を意識だけが彷徨っている感じがして、共感できたんです。元々俺は星空のイメージだったけど、この歌詞はその星空を夜の間ずっと漂っている感じがして好きです。

――この楽曲を聴いたときに、まゆさんが作られたのが驚きでした!今までにない新しい感じといいますか。
まゆ:そうですね。これはアレンジの段階はみんなでやっていたんですけど、ギターがメインというより、リズムの方も主体になっているのでギタリストが書く曲っぽくないのかな。そういう所があるかもしれないですね。

――歌詞に「煙は薔薇の形 描くだろうか」とありますが、なぜ薔薇なのでしょうか?
夕霧:良い質問ですねー!これは世界が終わるあのボタンっていう段階で色んな事を人は連想すると思うんですけど、ポチってボタンを押されたらバーンと何かが爆発をして世界が終わってしまう。その煙が普通だったらバッカーンってなると思うんですよ。
なお:きのこ系の爆破?
夕霧:そうそう!昔だったらアニメの『タイムボカン』っていう作品で煙がドクロ型になるとかもあったし。それで薔薇の形に煙がなったら面白いなっていう発想がありました。
実は元ネタがありまして、『HUNTER×HUNTER』でめちゃくちゃ強いラスボスが、貧者の薔薇(ミニチュアローズ)っていう煙が薔薇の形になる爆弾にやられて死んでしまうんですよ。そのシーンが凄く印象に残っていたし、夢の中だしなんでもありだから、もし世界が終わるあのボタンが押されたときに、煙は薔薇の形なのかな?って思ったんです。
まゆ:綺麗な悲劇感があって良いですよね。
夕霧:薔薇って綺麗で美しいはずなのに、世界を終わらす一輪の薔薇もあるかもねっていう。

――『TIME CRUISE』というタイトルも幻想的でオシャレですし。
夕霧:タイムトラベルと夜景を見ながらお食事をするナイトクルージングの二つの言葉を作って、合わせた造語なんです。時をクルージングしてるよって言う意味です。
――「記憶が遠ざかる…」の後にくるため息が素敵ですね。
夕霧:これね!
なお:そういうの良いよね!色気があって。
夕霧:「記憶が遠ざかる…」の部分はまゆと相談しながら、パンニングっていう右左に音を振っている方法をやっているんです。だから片方しかイヤホンをしていなかったらまた別の聴き方ができるし、記憶が落ちていく効果を出していまして。とても良いです。
僕の作曲の中では最高傑作が出来た
――『TOXIC PEOPLE』はなおさんが作曲しています。最初に聴いたときスターウォーズのようなイメージが湧きました。
なお:あー!!ド頭メカっぽい声もしてますしね!嬉しい嬉しい!近未来感しますよね。デイジーは100曲以上あって、俺も何曲も作曲をしているんですけど、近年の俺ってテンポが速めでドラムが速くて、ギターも歪んでいるものをコンセプトにしていたんです。『シン世カイ』の曲作り中に、このビートで作っても新曲を作っている気がしなくなって。だからテンポを落としていって、ギターも歪まないでチャリーンっていう音に変えていきました。
それこそこの曲を作っているときに、ずっと家にいたんですけど俺あんま同じ所にいれないから、曲作りをしつつも渋谷のヴィレヴァンとかに通っていてスターウォーズとかを見ていたから、そこで持った刺激とヴィレヴァンで可愛いと思ったおもちゃを眺めつつ作ったりもしたから、そういうエッセンス入っていますね。

――やっぱり!
なお:最初の「123」の声もロボットの声で聴かせているけど、元は夕霧の声で。夕霧は声を出して言葉を言うけど、声の音程は俺のギターと夕霧の声を合体させて録ったんです。二人でレコーディングするときも、夕霧の口を見ながらタイミングを合わせながら俺が弾きました。
この曲自体もサビまでどうなるかわからないというか、あんまりこういう曲ね?ってイントロだけで読まれたくない気持ちもあったから、最後まで面白い想定外なものを作りました。そのおかげで刺激的な刺々しいカッコいい歌詞を夕霧が書いてくれたので、僕の作曲の中では最高傑作が出来たと思っています。

――「毒を吸い込むよ」あとの2分20秒あたりからモンスターのような声も入ってますね!(笑)
なお:ああー!!レロレロする所ね(笑)
夕霧:そこも俺ですね!
なお:あの声も比較的生の声だったかなー?
風弥~Kazami~:実はほぼ生ですね。
夕霧:モンスターって!!
全員:(笑)
なお:モンスターボイス!

――人間が汚染されてしまっていく物語を歌っていらっしゃると思ったのですが、歌詞に関してはいかがでしょうか?
夕霧:毒を吸い込んだ人が必至に吐き出そうとしているような苦悩や、苦しさを出せたらいいなと思って色々書いていきましたね。

――「12345」という数字が歌詞に出てきますが、こちらはメンバーさんの人数ではありませんか?
夕霧:そこは関係ないですね(笑)
なお:そこまで考えてくれて嬉しいな~!!
夕霧:TOXICって毒を持ったとか、毒性のあるっていう意味なんですけど『コスモス』で愛を歌っていて、目の前には愛も毒もあるよっていうアンサーソングを出しているんです。それを上手に見極めて愛も毒も溢れる世の中を一緒に生き抜いていこうぜ!生きるしか俺らチョイスないよね?という事を歌いたかったんです。
息苦しくなっているなって俺自身も感じているし、世間も昔だったらTV番組の規制とかも緩かったけど今じゃこれはダメ、あれはダメって長所よりも短所を探し合っている気がするんです。こいつのこういう所が嫌いとか、口を開けば悪口ばっかりな所が悲しいっていうか。ファンの子も生きづらそうにしている子が多いから、あんま気にしなくても良いんじゃない?目の前に毒もあるけどちゃんと愛もあるよっていう事が書かれています。

夏の昼下がりに誰かを想うというイメージでした
――『CHLOE』を最初に聴いたとき、まゆさんが作曲されたのかと思う程ふんわりしたテイストだと思いましたが、風弥~Kazami~さんが作曲されているんですね!
なお:言われてみればわかる!!
夕霧:実はまゆだよね(笑)
なお:なんで嘘つくんだよ(笑)
まゆ:このメロディー感は風弥~Kazami~だと思いましたね。ノスタルジックなメロディーな感じはね。この曲癒されますよね!!デモで聴いたときに今回のパイロットこの曲だな!って思うぐらいインパクトがありました。涙を誘いますよね。

――とても泣ける曲ですが、風弥~Kazami~さんはどういうイメージで作曲をされましたか?
風弥~Kazami~:最初のイメージは夏の昼下がりに誰かを想うというイメージでした。夕霧がこの歌詞をあげてくれたときに、そのイメージを深く作ってくれたなと思いましたし、歌詞を気に入りました。夏に出すアルバムなので、夏っぽい曲が欲しいなって思ったんですよ。夏ってわああ!って騒ぐものもあるけど、お彼岸とか誰かを想うのも夏だし。そういう空気感で夏の曲を書きたいなって思いました。

――切なさもありながら、甘い要素を含んだメロディーはどうやって浮かぶのでしょうか?
風弥~Kazami~:これはのんびり鼻歌を歌いながら作ったというか。鼻歌のイメージですね。イメージは1960年ぐらいの時代のアメリカで、牧場や広い草原の中で夫婦が鼻歌をしながら農作業をしてたりとか、ベンチで休憩したりとか、そういうのをイメージしてメロを録っていきました。人って鼻歌を歌うときって、あんまりメロとか詰まったものを歌わないですよね?のんびり歌うじゃないですか?そういうイメージです。それも俺の中ではやったことがなかったんです。

――風弥~Kazami~さんの楽曲を聴いた上で、夕霧さんが歌詞を書かれたと思いますが、『CHLOE』は海外のお話しですか?
夕霧:CHLOEは人物の名前です。俺が意識したのはヨーロッパの小高い丘で。風弥~Kazami~君がイメージしたのとほぼ似てて。
風弥~Kazami~:スウェーデンとかね。
夕霧:北欧の方かな?アルプスの少女ハイジじゃないけど、あの雰囲気の小高い丘のてっぺんに眠っている人がいて、そこにときどき会いに行ってるような日常のお話しですね。自分は母ちゃんもまだ元気ですけど、歌詞を書くときは母親が亡くなったらどういう気持ちなんだろう?って思いながら書きました。どういう感情になるんだろう?俺は何を一番に思い出すかな?とか。
「何も起こらないって事が本当の幸せなの」っていう歌詞がありますが、これは俺がガキの頃に母ちゃんに言われた言葉で、それを覚えていたので今回の歌詞に入れました。当時、買ったお守りをずっとつけて学校まで行ってたんですけど、お守りをつけたら良い事があるって思ってたんですよ!でも何も良い事ないから「お母さん、これ付けていても何も良い事ないじゃん!なんでつけさせたんだよ!」って言ったら「何も起こらないって事が本当の幸せなのよ」って母ちゃんが言ったんですよ。その時は「えー!」って思っていたけど、今になってわかる親の言葉はありますね。

――親御さんの深いお言葉ですね。この主人公の性別は男の子?女の子?
夕霧:僕の中でのイメージは女の子ですね。なんでかっていったら、星に名付けたり、花かんむりを作ったりするのは女の子かなって。夜、母ちゃんと寝そべって、「あの星名前なんていうの?」、「あれはね何とか座よ」っていうイメージなんです。それで明日もあの星探しにいこう!っていう感じです。
女の子から見てカッコいいと思えるものを出したかった
――『CALLING U』はReiさんが作曲していますが、アメリカのフェスが想像できますね!
Rei:ありがたいですね!英詩だっていうのもあるかもしれません。俺のこの曲のイメージは、カッコいいキレた刃の夕霧なんですよ。『4GET ME NOT』の時みたいな濃いメイクを更に濃くして、フード被って斜に構えながらスラム街を渡り歩いてる夕霧をイメージしました。ライブのときもセクシーさと、がなる部分があり、女の子から見てカッコいいと思えるものを出したかったんです。

――Reiさんは楽曲で色がよく出ますね。
Rei:そのときの心情によるかもしれないです。夕霧がステージの真ん中に立ったときに、こういうのが見たいっていう願望もあるから、それが出せたのが良かったです。早くライブでやりたいですね。

――夕霧さんは、どういったイメージで歌詞を綴られましたか?
夕霧:まず「CALLING U」のUは誰なの?って思うとおもうんですけど、俺の中ではみんなが必ず持っているもう一人の自分に向けて歌っている曲です。「Don’t let me down u poker face Here my soul is calling u」は、がっかりさせんなよポーカーフェイス野郎!俺の魂はお前を求めているんだぜ!って日本語で言うんですけど、ダメな自分も絶対いるじゃないですか?コンプレックスがない人間なんてないし、俺もあるし。ダメになりそうな時ってあるんだけど、そういうときにもう一人の自分が呼んでる、力をくれるような曲というイメージで書きました。

――最初に日本語で歌詞を書かれてから、英語に落とし込んでいったのでしょうか?
夕霧:日本語に落としましたね。エンジニアさんで英語が達者な方がいるので、その方に歌詞を見て頂き、細かい味付けをしていきました。「my soul is calling u」だけで、本当は通じるんですけど、「Here」って付けることで「ここだよ俺の魂、これがお前を呼んでいるぜ!」って強調させているんです。「Don’t let me down u poker face」の「u」もつけなくて通じるんですけど、「がっかりさせんなよお前!ポーカーフェイス野郎!」って2回呼ぶことによって更に深みが増すんです。

――歌詞を読み取っていたのですが、「innocence」、「TRUTH」、「HELLO,again」といった既存曲の曲名が隠されていたりしませんか?
夕霧:「innocence」はわざといれました!「TRUTH」、「HELLO,again」はたまたまですね(笑)次の曲が「innocence」なので。「innocence」がお前を呼んでいるぜ!って言っていく感じなんです。
なお:そこまで考えてくれたんですか(笑)嬉しいな~!
夕霧:ナイス考察です(笑)「truth」が入っている「white truth」という言葉はこの世に存在していなくて、ここはバンドを始めた頃の気持ちを思い出してみろよ!真っ白な真実という真っ白な部分を入れたくて。もし、俺が曲名を入れるとしたら、曲名と同じ表記にしますね!

ツアーでは主軸になる曲
【A-TYPE】『シン世カイ』
――『innocence』はトレゾア(ファンの呼称)さんに向けられた曲だと感じましたが、風弥~Kazami~さんいかがでしょうか?
風弥~Kazami~:この曲は、2016年のクリスマスにファンクラブで西伊豆に行って、そのときのホテルがオーシャンビューだったんですけど、それを見ながら浮かんできたメロディーで。色んな新曲を作るときって、自分の中でのときめきや発明をいれたいって思いながら作っているんですけど、全ての人が感動するメロディーってなんだろう?って感じていて。そういうのを探求している中で見つけたサウンドです。

――風弥~Kazami~さんは、シンセで聴かせる美しいサウンドを作られていると思いますが、なぜあのような綺麗な作曲ができるのでしょうか?
風弥~Kazami~:自分自身が綺麗なメロディーで鳥肌が立って音楽に目覚めたんです。それは久石 譲さんだったんですけど、あのメロディーを聴いて鳥肌が止まらなくて。そういう鳥肌が止まらなくなるものを自分の音楽で作りたいっていうのが、作曲に対しての信念だから、それをとことん追求し続けようっていうのがいつもあって。それが形になっていると思います。

――夕霧さんは、風弥~Kazami~さんの楽曲を受けて歌詞を書かれましたが、これはトレゾアさんに向けたものですか?
夕霧:『innocence』は純粋とか無垢とか真っ白な部分という意味で、自分たちも今回の作品からKISS RECORDSっていうレーベルを立ち上げたので、ある意味今まで積み上げてきたものを崩すぐらいの気持ちで俺は歩き出そうと思ったし。10周年、バンドが無事に歩いてこれて、色んな事があったし出会ったり別れたりを繰り返して様々な経験をさせて頂いたんですけど、そこで改めて一瞬自分の人生を振り返ってみたんです。
これを全部引き連れて前に進んでいこうと思ったので、トレゾアに向けて書いている所もあるけど、俺の独り言かな。それをトレゾアのみんなが聴いててくれたらいいなって思っています。

――「昨日より明日はもっと愛してる」は夕霧さんらしい言葉づかいですね。
夕霧:そうですね。この一行は凄く気に入っています。1番では、今日までという歌詞を入れたので、2番では、昨日、明日を入れていますね。過去、現在、未来を込めました。

――「これから何があってもこの手を離すな」というフレーズは、トレゾアさん達もきっと好きになる歌詞な気がしました!
夕霧:(笑)既によく言われてますね!この曲は、6月5日の11周年ライブでVIPで入ってくれた子たちに、生で披露して歌詞を先にプレゼントしていまして。ツアーでは主軸になる曲だと思います。

――UtaTenは歌詞サイトなので、『シン世カイ』の中で一番お気に入りのフレーズを教えてください!
Rei:僕は「誰に何を言われたって恋をするのに正解なんてありゃしない恐れるなそろそろ行こうup you head」が好きです。自分の口癖にもなっているし、人に何かを言われて考えを変えるも正解なんだけど、俺は恋をするのに嘘をつく必要はないんじゃないのって伝えたい。
ファンの子から「この恋しちゃいけないと思うんですけど…」っていう相談を受けるときがあるけど、「いいじゃん、好きなら好きでいいんじゃないの?」って俺は言っちゃうし。それが正解かはわからないけど、君が正解ならそれで良いと思うんです。
なお:全部歌詞は好きなんですけど、一人でいるときについつい鼻歌で歌ってしまうのは『TIME CRUISE』のド頭の「眠れぬ夜は瞳の奥へ旅立とう」で、凄く印象に残る歌詞です。眠れない夜ってイライラしがちだけど、瞳の奥へ旅立とうってめちゃくちゃロマンティックじゃないですか?曲が出来てから歌の歌詞を入れたんですけど、歌メロと歌詞がスーって入ってきたんですよね。
それが凄い心地よくて、オケ時点で胸がいっぱいでして。すごく自分の世界に入れる曲で、まゆ君のギターも嫉妬する程の楽曲でした。
風弥~Kazami~:俺は『innocence』の「傷つくことを恐れたら もう純粋では居られない」がすごく夕霧らしい言葉だなって思っていて。デイジーが11年間色んな経験や想いをしたから、DaizyStripperそのものな気がして。
この言葉は俺らを象徴しているなって思って好きです。11年をやるのは簡単な事ではないし、時に何かを犠牲にしなければならない時もある。そういうものを経験できたから、わかる一行だと思います。
夕霧:実は俺も全く一緒でした。この一行にデイジーの10年間と、新しいチャレンジをしようよって言ってるのにも関わらず、傷つくことを恐れて新しい試みを辞めたら現状維持すら出来ないから。楽しむためには自分の信念を貫かなきゃ、そのためには傷つくことを恐れている場合ではないし。
もしかしたらファンの人に受け入れてもらえない音楽かもしれないし、どうなるかわからないけど、自分たちに嘘はつかずに純粋でいるためにという気持ちがあったので。バンドを象徴している一言だなって思うし、強い一行です。
まゆ:『コスモス』の「アメク愛の唄を咲き乱れ叫ぶしかない」が好きです。音を枯らすように魂の叫びを、音に出していくっていうのは自分の人生のようで良いですね。ライブでも、俺は全身をかけてそういう気持ちで音を出しているから。ライブでやっても上がりますね!アメクぜ~!!!(笑)

――最後に『シン世カイ』がどんな一枚になったのかを夕霧さんから、そしてファンの皆さんにメッセージをお願いします!
夕霧:この6曲で自分たち的には、新しい世界へ行けると思っています。世界の人たちがこの6曲で変えることは出来ないかもしれないけど、少なくとも聴いてくれた人の人生は変えることが出来ると僕たちは信じています。これまでにない楽曲を聴いて愛して頂けたら幸せです。
なお:You're my sunshine!!あなたは私の太陽です!!!(笑)
まゆ:曲をじっくり聴いてもらいたいなって思います!長く聴いてもらいたいなって思って作っているんですけど、すごく噛みしめてもらえる作品になったと感じています。ぜひ噛みしめて聴いてもらえたら嬉しいです。
Rei:11年目ですけど、何年経っても新たな世界を見せてやるからついてこいよ!!
風弥~Kazami~:挑戦を辞めません!!!

TEXT&PHOTO橋本美波
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