【渋谷すばる】映画『味園ユニバース
』の世界がライブに! 最新DVDレビュ

映画『味園ユニバース』で注目された関ジャニ∞渋谷すばる。彼が映画の世界観をテーマに行ったライブDVD『記憶 ~渋谷すばる/1562』。これを1562時間にわたって撮影した特典映像を、濃い目に紹介します!

映画『味園ユニバース』とつながる、ライブの裏側を描いた特典映像今年、1月18日から2月25日まで10会場13公演で行われた、『渋谷すばる LIVE TOUR 2015』。私もこのライブに参戦したが、「ボーカリスト・渋谷すばる」の歌で見る人の心を揺さぶられる力に圧倒され、大いに感動した。
渋谷すばるにしか歌えない『スローバラード』とは? 最新ライブに見る、歌手としての実力
そして先日、ついに発売されたのが、初回限定版DVD『記憶 ~渋谷すばる/1562』である。このDISC1にはライブ最終日の模様、DISC2はツアーの裏側、そしてロッテルダム国際映画祭や東京・大阪での映画『味園ユニバース』舞台挨拶の様子が収められている。
『味園ユニバース』の世界観とリンクしたこのツアー。ライブでも映画の一部を流す演出をしていたが、DISC2の1562時間にわたって渋谷を追いかけた特典映像を見ると、まさに『味園ユニバース』と対(つい)になったツアーだったことを改めて認識させられる。
映画のロケ地でもある、味園ユニバースがライブのスタート地に選ばれたこともそう思う要因のひとつではあるが、何か映画とシンクロするところがある気がするのだ。
オランダではアムステルダムの駅構内で人生初の路上ライブで、ビリー・ジョエルの『ピアノマン』を披露。また、現地で出会ったというギタリストと共にブルースハープを吹きながら街中を歩いたりもした。
彼のソロ活動が関ジャニを大きくする!
そしてツアー中には、自身のラジオ『スバラジ』(NACK5)でも話していた、「地方のレコードや巡りをしたい」という希望を実現。クロマニヨンズを敬愛してやまない彼のチョイスの中には、エルモア・ジェイムスのようなブルースやイーグルスの『ならず者』、ジャケ買いしたというT-REXなどが入っていた。
それはまるで、『味園ユニバース』のポチ男こと茂雄のようにも見える。映画では、「茂雄くん、クズやったけど歌だけはうまくてな」というセリフが出てくるが、茂雄も地元で路上ライブをしたり、海外まではいかないまでも、近くのレコード屋に入り浸り、試聴に試聴を重ね、気に入ったレコードを買ったりしていたんじゃないかと思う。
でも、あの日のソロライブで私が見たのは、確かに渋谷すばるだった。そう、確かに渋谷すばるだったのだが、それまでに関ジャニ∞としては経験できないさまざまなことをやってのけ、そのたびに感じたことを忘れず、ここまでの自らの集大成を見せようとしている彼だったのだ。だから、泣けたのだ。
渋谷すばるが「アイドル」にこだわる理由とは?正面切って自分をアイドルと名乗り、「夢を売るのがアイドルとされてるなら、その中に一人ぐらいリアルを伝えるアイドルがいていいんじゃないすかね!」と叫ぶ姿、そこには「宣戦布告」のようなものを感じる。
かつて、嵐の二宮和也は、「自分は役者でもない。歌手でもない。アイドルだ」と話していた。その理由は「アイドルの方が幅広く活動できるから」。つまり、きらびやかな衣装を着て歌うだけでなく、いろいろな場で活躍できるということだ。
渋谷の場合は「アイドル」というバイアスのかかった見方を払拭したいという想いが大きいと思う。そして彼は映画の世界へと飛び出し、山下敦弘監督、二階堂ふみ、大阪の伝説のバンド・赤犬のファンなど、関ジャニ∞をあまり知らない人たち、さらには国際映画祭への出品が続いたことにより、関ジャニ∞を知らない海外の映画ツウの人たちの目に触れることにもなった。
また、いくつかの映画祭では主演男優賞を受賞し、国内外で俳優・渋谷すばるの評価は上がっている。
昨年のツアー「関ジャニズム」の前に開催された、関ジャニ∞とスタッフの決起集会の中で、あるスタッフが「個々の活動が地に足をつけるころなのかなと(中略)。そこでの実りをグループに戻していくという時期」と語っていた(「関ジャニズム」ツアーパンフレットより)。
渋谷にとっての今後の「個々の活動」が映画なのか、ソロツアーなのか、それは分からない。だけど、エイターには何の不安もないはずだ。どこへ行っても必ず戻ってきて、関ジャニ∞がもっと大きくなるための何かを還元してくれる。
ツアーの裏側をまとめた特典映像を見ていると、渋谷はステージの演出をし、バンドをひとつにし、そのうえでボーカリストとして歌っている。かつてジャニーズのバンドを従えて行った渋谷のライブを見て、同じメンバーの錦戸亮は、社長に「あの人、ソロデビューさせたって下さい」と言ったそうだ(∞祭パンフレット『Dear Eighter』より)。
その時点でソロデビューしていたら、関ジャニ∞そのものも今と違っていたかもしれない。そう考えると、ソロとしての活動を始めるタイミングは、33歳だったその時がふさわしかったのだろう。
通常版のCDにはRCサクセションへのオマージュが!
通常版のCDにはRCサクセションへのオマージュが!ちなみに、渋谷が買ったレコードの中には、RCサクセションの『ラプソディー』も入っていた。『よォーこそ』や『雨あがりの夜空に』、『キモちE』など、ライブでよく歌われた曲が入っている名盤だ。
このレコードの歌詞カードには「このレコードはなるべく大きなボリュームで聞いてください。なお、小さな音量でも安心してご利用いただけます」という言葉が入っていた。
そして、DVD/ブルーレイで発売されている、ライブの様子とその音源CDを収録した『記憶 ~渋谷すばる/LIVE TOUR 2015』のCDには「このCDは爆音で聴くことをおススメします。なお、普通の音量でも十分楽しめます」と書いてある。
ここにもRCサクセションへのオマージュが現れていた。

ウレぴあ総研

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