先駆者・CRAZYBOYが切り拓く「NEOTO
KYO」   ベストアルバム 『NEOTOKY
O FOREVER』 について語る

昨年、全国で約180万人を動員するドームツアーを行った三代目 J Soul Brothers。メンバーのELLYはグループでの活動の傍ら、ヒップホップアーティストCRAZYBOYとして国内外のクリエイターを巻き込んだ唯一無二のソロプロジェクト「NEOTOKYO」を進行している。このたびCRAZYBOYの軌跡を網羅した19曲入りのベストアルバム『NEOTOKYO FOREVER』がリリースされ、現在これを提げた自身史上初のソロライブツアーが開催中だ。国民的なダンス&ボーカルグループである三代目 J Soul Brothersとは大きく異なる、ソリッドで踏み込んだ音楽性を全面に押し出したCRAZYBOYとしての表現について、本人に話を聞くことができた。加速する「NEOTOKYO」はこの先、どんな発展を遂げるのだろうか。
CRAZYBOY 撮影=森好弘
ーー CRAZYBOYとして初めての全国ツアーが開催中ですが、感触はいかがですか?
これまで三代目 J Soul Brothersのライブの一部としてCRAZYBOYの楽曲を披露する機会はありましたが、短い時間で自分の全てを表現することは難しいんです。今回のソロライブツアーでは僕が心から伝えたいこと、全て出すことができているので、お客さんもみんな泣いて、笑って、いろんな声をかけてくれます。ライブとして完成度の高いものを届けられているのはもちろんですが、それ以上に、応援してくださっているみなさんとの繋がりが深まっていると感じます。
ーー CRAZYBOYとしての作品は、ヒップホップをはじめとする最先端の音楽が軸にあるため、リスナーや周りのひとの反応も新鮮なのではないでしょうか?
僕がやっていることはEXILE TRIBEやLDHで誰もやってこなかったから新しく見えるだけで、海外では元々あるものなんですよね。でも今の日本ではDrakeなんかも知ってる人は知っているけど、知らない人は彼の何がすごいのかわからないと思うんです。僕をキッカケに、海外のアーティストも日本のシーンに浸透したら良いなと思います。常に先を見て新しいものを作っていくことが、僕が掲げる「NEOTOKYO」なので、「こういう音楽でも楽しめるんだよ」ということを事務所の人たちや、ファンにも理解してもらいたい。そして、ゆくゆくはこのカルチャーで頑張っている日本の若い人たちのフックアップに繋げたいですね。
CRAZYBOY 撮影=森好弘
ーー 日本と海外の架け橋になっているという点では、CRAZYBOYとしてこれまでにSnoop DoggやMadeinTYOなど、アメリカのラッパーたちとコラボレーションされています。Snoop Doggはヒップホップを語る上で欠かせないレジェンドですが、PKCZ®& Snoop Dogg & Yultron 「BOW DOWN (feat. CRAZYBOY)」での共演はいかがでしたか?
楽曲制作の過程では「一緒に作った」という感じはしなかったのですが、曲が完成して聴いた時、Snoopと同じトラックで自分もラップできたことに感動しました。ミュージックビデオの撮影で実際にお会いした時にようやく実感がわいたんですが、とても良い経験になりました。Snoopの自宅にあるスタジオで撮影したんですが、部屋にたくさんゲーム機が置いてあって、音楽も映像もすべて自宅で作って世の中に発信しているなんて、ラッパーとしてだけではなくビジネスマンとしても偉大ですよね。Snoopが「空手の映画を撮りたい」と言っていたので、このミュージックビデオで試そうということで、アジアのテイストが強い映像になりました。
ーー 国内外のアーティストと関わりながら、日本のシーンにどんな音楽を持ち込むべきか常にアンテナを張り巡らせていらっしゃると思いますが、今注目しているサウンドはどんなものですか?
ジャンルに捉われず広い目で見て、ずっと気になっているのはラテンミュージックです。今年以降もっと勢いが増すと思います。もともとラテンのクイーン的なイメージがあるJennifer Lopezも、最近また聴き始めていて。あとは、カントリーミュージックにも若くて良いアーティストがいます。自分のスタイルに近いところでいうと、トラップミュージックもまだまだ盛り上がるでしょうね。ただトラップに関しては、僕はあえて日本のリスナー向けにはあまりやっていなくて、タイミングを見計らっているところです。自分がトラップをやるのはアメリカで作品を出すときだと思っています。日本でいろんなスタイルを勉強しておけば、良いトラックさえ見つかればアメリカのシーンでもいつでも勝負できると思っています。
ーー さまざまなトレンドの中から、「自分が取り入れるのはコレだ」と思う決め手は何ですか?
フィーリングだけです。「ヒップホップといえば大体こうだよね」というイメージはいろいろあると思うんですけど、僕はヒップホップに拘っているわけではないんです。例えば演歌みたいなトラックにラップを乗せても、それがカッコ良いなら良いと思うんですよ。だから、いろんな種類のトラックに挑戦していきたいですね。
CRAZYBOY 撮影=森好弘
ーー たしかに、今回のアルバム 『NEOTOKYO FOREVER』には心地よく踊れるダンスナンバーが収録されていたり、いわゆるヒップホップファンではないリスナーにも楽しめる要素がたくさんありますね。
ジャンルに縛られないバランス感は大切にしました。Drakeのひとつ前のアルバム 『More Life』なんかもそうですけど、彼の曲を聴いているときは、ヒップホップを聴いているというよりはDrakeを聴いていると感じますよね。僕もこれから経験を積んで、表現の幅を広げて、僕の音楽が「ヒップホップ」というジャンルではなく「NEOTOKYO」そのものになれば良いなと思います。まだ 『NEOTOKYO FOREVER』を世に出したばかりですけど、すでに次の「NEOTOKYO」に向けて動き始めているので、僕自身も楽しみですね。
ーー 英語詞の楽曲が多く収録された今作ですが、英語詞にワンフレーズだけ日本語を混ぜたり、英語と日本語を扱えるCRAZYBOYならではの言葉遊びが随所に見られます。
そうですね。「WAY UP」という曲は英語詞なんですが、「キラリ花火」という言葉だけ日本語にしました。歌詞を考えているときに、三代目 J Soul Brothersの「花火」という曲を偶然思い出したんですよ。これくらいなら英語に混じっても違和感ないし、「花火」は日本語の中でもポピュラーな言葉だから海外にも知ってるひとが多いんじゃないかと思って入れてみました。
CRAZYBOY 撮影=森好弘
ーー 「WAY UP」では女性を“ピンク・フラミンゴ”に例えているのも印象的でしたが、この表現を選んだのはなぜですか?
大好きな映画『スカーフェイス』にインスピレーションを受けました。主人公のトニー・モンタナが女性を虎に例える台詞があるんですけど、「女の子にそんなふうに言うんだ。じゃあ俺は何に例えよう?」と考えて。女の子の代名詞は「ピンク」かなと思ったんで、ピンクフラミンゴにしました。一緒に曲を作ったTOMAには最初笑われたんですけど、実際にメロディーに乗せてみたら「これめっちゃいいじゃん!」って言ってくれました(笑) 。別の曲に参加してくれたFAKYにも聴かせたら、「こんな発想はなかった」と驚いてましたね。
ーー FAKYとは「Japanicano」で共演されましたが、客演に迎えるきっかけは何だったのでしょうか?
FAKYを知ったのは4年以上前なんですけど、今年の春に同じイベントに出たときにライブを観て、やっぱり歌もダンスもうまいなと思って。僕のメイクさんも彼女たちを知らなかったけど、「海外から来たアーティストみたいだね」と絶賛していたんです。それで、一緒に曲を作りたいという話をしました。

ーー 女性とのコラボレーションでいうと、「LOCO(feat. THE BACKCOURT)」のミュージックビデオでは、Chris Brownのミュージックビデオへの起用も記憶に新しいダンサーのRIEHATAさんと共演されています。

この曲はRIEに振付をお願いしました。出会ったころは僕が20歳でRIEが17歳だったんで、10年以上前から仲が良かったんです。いつか一緒にやろうねと言っていたので、実現して嬉しいです。RIEは僕がいつもR&Bで踊っていたのを見てたので、僕の好みにRIEらしさをうまく織り交ぜた振付を作ってくれました。RIEはメロウなダンスをあまりやらないので、あのミュージックビデオを観ていろんな人が「RIEHATAがあんな衣装でああいう振付を踊るのを初めて見た」と言っていたみたいです。
ーー 数多くのクリエイターとのタッグで生まれたベストアルバム『NEOTOKYO FOREVER』を経て、CRAZYBOYとしてのこれからの活動にはどんなビジョンをお持ちですか?
こんなこと誰も想像していなかったと思うんですけど、海外のアーティストたちが今後も一緒にやろうと言ってくれているんです。心から良いと思うものを良いとはっきり言ってくれて、アメリカや日本、国は関係なくいろんな場所で僕自身を表現して、見てくれる人たちを楽しませたいです。ソロツアーでは自分の思いを来てくれるみんなに近い距離で直接伝えていますし、ツアーのあとはCRAZYBOYの「NEOTOKYO」をさらに加速させて、三代目 J Soul Brothersのメンバーそれぞれの活動にも刺激を与えられれば良いなと思います。
CRAZYBOY 撮影=森好弘
取材・文=河嶋奈津実 撮影=森好弘

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