夏の傑作EP!ザ・ペギーズが語る『な
つめきサマー』制作秘話。
「海はすぐそこさ」は、今だからこそ言
える言葉。ザ・ペギーズが4曲に込めた
想いとは?
取材・文:山田宗太朗
編集:馬場健太
MVのポイントは、北沢書店・無免許運転
・hideリスペクト
北澤ゆうほ : じつは結構前につくった曲なんです。3曲目の『ボーイミーツガール』は再録だから3〜4年前だし、『サマラブ超特急』と『かみさま』は、……2年前?
石渡マキコ : うん、インディーズの時だったよね。メジャーデビューすると忙しくなっちゃうから、その前に曲をたくさんつくる期間を設けたんです。そのなかでもこの2曲は初期のものでした。
大貫みく : 『スプートニク』をつくってたのと同じ時期だった気がする。
北澤 : それをリアレンジして今回レコーディングしました。明らかに夏の歌だから、リリースするチャンスが年に一回しかなくて。デビュー時には『ちゅるりらサマフィッシュ』を出してたし、この2曲を発表できる時期を待ってたんです。これ以上引っ張ったら自分たちの現状と曲とが離れちゃうし、今しかない、と。やっと出せたという気持ちですね。
――アーティスト写真が2パターンありますね。1枚目は赤いオープンカーに3人が乗っているもので、すごく夏っぽい。
北澤 : これ、めっちゃhideじゃないですか? この日は自分のことをhideだと思い込んで撮影してました(笑)。
――やっぱりそうですか! 衣装に髪型に、「太陽」という言葉が象徴的に使われている歌詞、アメ車が使われるMV。hide『ever free』などへのオマージュを感じます。
北澤 : スタイリストさんはそのつもりで用意してないと思うんですけど、自分のなかではモロにそれでした。MVで初めて乗ったオープンカーはめっちゃ気持ち良かったです。みくが無免許運転しているのもポイント(笑)。
大貫 : 運転してる風なんですけど、実は運転してないです(笑)。
北澤 : よく見ると、みくだけ髪が風になびいてないんですよ。頑張って頭振ってるけど(笑)。
石渡 : でも、言われるまで気付かないですよね?
――そしてもうひとつの写真は、ゆうほさんのご両親が経営されている神保町の北沢書店。
北澤 : MVの撮影と並行してアー写を撮ったので、どちらの写真もMVのストーリーに合わせました。ロケ地の一部が実家なんです。
北澤 : お父さん出ないけど、おじいちゃんの肖像画は密かにずーっと出演してます(笑)。
夏にときめく「夏色めきめきサマー」こ
と『なつめきサマー』
北澤 : もともと『サマラブ超特急』が『なつめきサマー』っていうタイトルだったんです。『ちゅるりらサマフィシュ』の時からそういう造語をつくるのにハマってたみたいで、仮タイトルをつける際にパッと思いついたんですよね。でも歌詞に「なつめきサマー」っていう言葉は入ってないし、EPのタイトルにした方がしっくりくる気がして。で、後付けでこれは「夏色めきめきサマー」の略だということにしました。「ときめき」じゃなくて「めきめき」という言葉で夏への燃えあがるモチベーションを表す。そういう、ちょっとアホっぽくて意味わかんないけどなんか楽しそう、みたいなテンション感って、冬には出せないと思って。
北澤 : インスピレーションでパッと思いついた言葉だから、自分のなかのどこかにあったんだと思うけど……でも最初に思いついた時はたぶん「ときめき」とかけたんだと思うなあ。
――このタイトルを聞いた時、みくさんとマキコさんはどう感じましたか?
大貫 : ゆうほっぽい、と思いました。ゆうほは高校生の頃からこういう造語みたいなのが得意だったし。
石渡 : ゆうほにとってはそういう言葉をつくることが普通だったから、『なつめきサマー』って言われた時はシンプルに「良い言葉だな」くらいの感覚でした。むしろ歌詞の「最高潮のラブが超特急で過ぎてゆくんだ」がすごく良いと思って。日常でよく使う言葉をちょっと引っかかるように書き換えるのが面白いと思った。
ペギーズらしさの根源がつまった『サマ
ラブ超特急』
――最後の曲『ちゅるりらサマフィッシュ』は、みなさんの中学高校の友人でもあるラブリーサマーちゃんがリミックスしたことで、渋谷系のような雰囲気に生まれ変わりましたね。
北澤 : これは夏を好きになろうと思って最初に書いた曲です。いまやワンマンライブでは欠かせない曲だし、ペギーズにとってすごく重要な曲。高校生の頃から演奏してきたからペギーズの曲のなかでは年配者だけど、今回のリミックスで本当に新しく生まれ変わったと思います。しかも友だちの手によって!
大貫 : デモを聴いた瞬間、ラブリーサマーちゃんにLINEしたくらい、めちゃくちゃ良いと思いました。もしラブリーサマーちゃんがリミックスしてくれなかったら、そもそもペギーズの曲を渋谷系にリミックスするという発想にならなかっただろうし、したところで良いものができるとは思えない。そういう意味でもラブリーサマーちゃんにお願いして良かったなと思います。
石渡 : わたしはラブリーサマーちゃんと元々すごく仲が良くて、ラブリーサマーちゃんの音楽も大好きだから、今回本当に嬉しかったです。『ちゅるりらサマフィッシュ』はこうあるべきだといういう固定概念が自分にはあったけど、それをラブリーサマーちゃんが崩してくれた。歌を歌い直しているわけではないのにラブリーサマーちゃんっぽさがすごく込められているし、ゆうほの歌声がラブリーサマーちゃんのテイストに乗っていることがすごく面白かった。最高です。最初に流れてくる3人の話し声も良いんですよ。
――あれはどういう意図なんでしょう?
北澤 : ラブサマちゃんが「これは絶対入れたい」って。
大貫 : 夏にみんなでゆる〜く話してる空気を入れたかったみたいです。設定としては、夏の山の別荘に4人がいるという。
石渡 : 最初にペギーズの3人で話していて、途中でラブリーサマーちゃんが「コンビニ行くけど何かいる?」って入ってくる。よく聴くとストーリーになってるんです。じつは今回のリミックスでいちばんたくさん話し合いをしたのがこの会話の部分でした。声の大きさをどうするかとか、何パターンもやり取りした(笑) 。
大貫 : わたし、ラブサマちゃんの「スイカわっしょい」コールの前の「オイ!」ってやつも好き。ラブリーサマーちゃんでしか成り立たない「オイ!」だから。
石渡 : 「ラブリーサマーちゃん〜」って思うよね。わたしたち絶対「オイ」って言わないし(笑)。
北澤 : 絶対言わない(笑)。
これからのペギーズが目指すもの
北澤 : これはバンドを結成した時から思っていることなんですけど、音楽好きの人たちだけじゃなくて、もっと幅広い層に届けたいという気持ちが強くあります。多くの人に「良い曲だな」ってシンプルに思ってもらえる曲をつくりたいし、お茶の間に行きたい。そしてそのやり方として、身内を飛ばして外に行くのではなく、バンドが好きな人、音楽が好きな人、ライブハウスが好きなキッズたちともっともっとわかり合いたい。なぜなら、わたしたちがそういうキッズだったから。
大貫 : わたしはペギーズを聴いて音楽始めようと思ったり、コピーしたりしようとする人がいたらすごく嬉しいなと思います。
石渡 : わたしたちは自分のためにも音楽をやってるけど、聴いてくれるみんなのため、外向きに音楽をつくっていると思っています。だからとにかくいろんな人に共感してもらえるように、もっといろんな人に届けられたら、と思っています。
the peggies 最新リリース情報
なつめきサマーEP
1.サマラブ超特急
2.かみさま
3.ボーイミーツガール
4.ちゅるりらサマフィッシュ~ラブリーサマーちゃんRemix~
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