【インタビュー】<ルナフェス>SUG
IZO編、「ただただ音楽そのものに貢
献したい」

LUNA SEA主宰による史上最狂のロックフェス第二弾<LUNATIC FEST. 2018>が6月23日および24日の2日間、幕張メッセにて開催される。現在まで、既に多くの出演アーティストが発表されているが、ジャンルや時代の壁をぶち壊すラインナップには驚きと同時に、常に新しい風を追い求めるLUNA SEAならでのスタンスが溢れて、あまりにも刺激的だ。
そしてLUNA SEAの5人は4月某日、スペースシャワーTV『PREMIERE of LUNATIC FEST. 2018』の特番収録を実施した。BARKSはその現場に完全密着。<LUNATIC FEST.>初回を詳細に振り返りつつ、第二回目となる<LUNATIC FEST. 2018>の意図と意義、出演ラインナップとLUNA SEAとの濃厚な関係性などが赤裸々に語られた貴重なメンバー全員パーソナルインタビューの全文をここに掲載する。その第一夜は、SUGIZOから。
   ◆   ◆   ◆
■終わったときの多幸感は

■それまで感じたことがなかった
──<LUNATIC FEST. 2018>の話をうかがう前に、前回を振り返っておきたいのですが、初の<LUNATIC FEST.>はSUGIZOさんの中で、どう記憶されているのでしょうか?
SUGIZO:当初は、かなりダークで、狂気で、ドロッとした闇を表現するのが得意なバンドが集まって、いわゆる大メジャーシーンとはかけ離れたアンダーグラウンドな……そういった僕らが育ってきたダークネスが表現されればいいな、と思ってたんです。そういうつもりだったし、それを求めていたこともあって<LUNATIC FEST.>というタイトルだったわけで。しかし終わってみると、仲間同士の絆、つながり、お互いへのリスペクト、敬愛……意外にもとてもハッピーな温かいものになって“あれー?”みたいな(笑)。これはこれで素晴らしいんだけど、こんなにハッピーでいいのかしらっていう、いい誤算が図らずもありましたね。ずっと笑っていた、そんな記憶です。
──“最狂のフェス”という謳い文句がありますが、“狂気”が“驚喜”になったわけですね。でも、その誤算はなぜ起きたんだと思いますか?
SUGIZO:やっぱり各アーティスト同士が、凄くリスペクトし合ってたんですよ。たとえばイベンターや企画会社が催すようないわゆる普通のフェスシーンも素晴らしいですけど、<LUNATIC FEST.>はもっと身内ノリでしたよね。僕らがリスペクトしている人たちや、逆に僕らを慕ってくれる人たち、僕らと本当につながっている人たち。人間的な部分や音楽的な部分、シーンやジャンル。あらゆる意味で、LUNA SEAをハブにつながりのあるアーティストが集まったので、その多幸感が素晴らしかった。それは本当に予想外でした。
──その多幸感はLUNA SEAが生んだものでもあり。
SUGIZO: LUNA SEAでもほかのプロジェクトでもいつもそうなんですけど、ステージ上では楽しそうに見えて、実は楽しくないんですよ。今回のLUNA SEAのツアーも、“メンバーがとても楽しんでる”ってファンのみんなは感じてたはずだけど、楽しそうに見せてるだけで、こっちは命がけですよ。3年前の<LUNATIC FEST.>もステージ上では、常にギリギリの状態に自分の身を置いていた。それはそうですよね、LUNA SEAとX JAPANLUNACY、あと僕はDEAD ENDKA.F.KADIR EN GREYのステージにも参加したので、正直、精神的にもフィジカル的にも限界にきていた。命を張って表現しているという意味での狂気ではありましたね、確実に。でも、終わってみたときの多幸感は、それまで感じたことがなかった。
▲<LUNATIC FEST.>初日/2015年6月27日@幕張メッセ
▲<LUNATIC FEST.>2日目/2015年6月28日@幕張メッセ


──LUNA SEAの両日のステージのクライマックスで、ほとんどの出演者がステージに現れるシーンがありましたけれども、あの顔ぶれでセッションができるっていうのが、ちょっと信じがたいと思うんです。それこそ多幸感を象徴していたような気がするんですよね。
SUGIZO:そうですね。ただ実は、僕はみんなでワイワイやるのが意外と苦手なんです(笑)。どちらかというとあのときも、“頑張って”場を引っぱっている感じで。もちろんとてもありがたいんですけれど、それ以上に恐縮してしまうんです。たとえばLUNA SEAのアクトが終わった直後に、出演者のみなさんが舞台袖で待ってて拍手をしてくれたり、そういうときは涙が出るほど感動したんですけど。
──出演者間のリスペクトは客席から観ていても伝わりました。
SUGIZO:狂気の打ち上げもすごかったです(笑)。それこそ多幸感とヤンチャなエネルギーに溢れたものでした。みなさんが一堂に介す場はもちろん、僕らはすべてのアーティストの楽屋を訪ねて挨拶したり、ステージサイドでライヴを観させてもらったり、必ずコミュニケーションを取った。やはり先輩にも後輩にもリスペクトの念を伝えたかったし、そのコミュニケーションがとても心地よかったな。
──ある種の疲労は伴うでしょうけど、気持ちよさがすごくあるものだったと。先ほどハブっていう言葉が出ましたけれど、上の世代と下の世代、もしくは周辺の様々な音楽ジャンル、それを繋いでいくのは自分たち以外にいないというような、ある種の使命感めいたものも<LUNATIC FEST.>の動機にはあったんでしょうか。
SUGIZO:自分たち以外いないとは決して思わないですけど、ただそれを行動に移す人はいなかったのかもしれない、と思いましたね。ちょうどLUNA SEAは年齢的にもこのシーンの中間管理職なんですよ。上もいて下もいて。まだ上から学べることがあるし、下を育てることもできる。その年齢やキャリア的な部分の、今の自分たちの立ち位置をしっかり活かさないと、これはバチがあたるなと思って。もちろんそれは自分たちのためでもあるし、あらゆるアーティストのためでもあるんですけど、それ以上に、ただただ音楽に貢献したい。シーンとかジャンルとか、もっと言うと国のボーダーとか、それすらも超えて音楽そのものに貢献したいし、音楽そのものに感謝の念を持って活動していきたい。その気持ちの表れが<LUNATIC FEST.>だと、自分では認識しています。
──先ほどもおっしゃられたように、LUNA SEAのステージ以外も、さまざまな登場場面がありました。それこそオープニングアクトがLUNACYだったということもありましたけども。まず、一番最初に自分たちが過去の姿で出て行ったのは、どういった気持ちからだったのでしょうか?
SUGIZO:“一番ばかばかしいことってなんだろう?”みたいな。“ばかばかしい”、“意外”、でもみんなが驚喜狂乱するような、そういう仕掛けってないかな?っていうことをみんなで考えて、あそこに行き着いた。とは言え、過去の格好といっても、もう40代中盤のおっさんたちが、20歳頃の格好は痛々しいので(笑)、今ならではの過激さとか、今ならではの派手さを追求しながら過去のエッセンスをしっかりと踏襲している、そういうものにしたかったんですね。
──要するに、LUNACYがあのまま続いていたら、今の年齢ではこうなっていたかもしれないというところでもあったんですかね。
SUGIZO:かもしれないです。あのBPMの曲を今演るのは、結構自殺行為なので、そうなってはなかったと思いますけどね。ただ、今の僕らが、現在ほとんど演奏しなくなった当時の曲をステージで再現するのは、それはそれで凄く刺激的で、身体にむち打つ感じで。なによりもキツイのがあのパフォーマンスを午前中にやること。それは正直、もう二度とやりたくないと思ってました。
──しかし、二度目が(笑)。
SUGIZO:やらなきゃいけないんですよ(笑)。そもそもああいうメイクアップにひとつの美学があるから、準備に時間がかかるわけです。で、やっぱり楽曲が速いし、当日の明け方までリハーサルとかをやっていたので、朝から身体もよく動かない。<LUNATIC FEST.>の一番辛かった思い出っていうのはそこですね。睡魔との闘い(笑)。
■シーンそのものを崩壊させるような破壊力

■計らずともそれが実現するような気がしています
──朝からエンジン全開でいかないといけないわけですもんね。LUNA SEAとX JAPANのステージはもちろんですが、DIR EN GREYのステージでヴァイオリンを弾いたり、そういった飛び入りのシーンを含めて、ご自身が印象的だった場面を絞り込むとしたらどういうところでしょう?
SUGIZO:絞り込むとしたら、DIR EN GREYとDEAD ENDとKA.F.KAですかね。
──全部じゃないですか(笑)。
SUGIZO:それで全部だとしたら、本当にどれも印象に残ってます。特に、DIR EN GREYは一日ちゃんとリハーサルスタジオに行けて、一緒に練習ができたから、まだ安心感があったけど、DEAD ENDは当日の楽屋で、YOU(G)さんとMORRIE(Vo)さんと楽屋で合わせただけ。緊張したんですが、僕もRYUも本当に大好きな「SERAFINE」をMORRIEさんとYOUさんとJOE(B)さんと一緒に出来た。こんなに感無量なことはない。ぶっつけ本番でもドンと来い。で、僕は12弦のエレアコを持ってなかったのでMORRIEさんのテイラーを借りたりしたのも思い出深い。
──そして、KA.F.KA。
SUGIZO:やっぱり土屋昌巳さんは僕の恩師のなので。昌巳さんと僕のツインギターで、ジョイ・デヴィジョンを演るっていうのは最高にクールだなと思った。とても感慨深いのはあの日が、森岡(賢 / Key)さんと一緒にステージに立った最後になってしまったこと。実はそれから数ヶ月後に、僕はソロでminus(-)と対バンしているんですけど、一緒のステージで演奏したという意味では、あれが最後になっちゃった。自分の中では、とても大切な思い出です。
──そういった、感慨深い場面や忘れられない場面があった前回ですけれども、今回、開催意図や意義の部分で、前回と違うところはあるんでしょうか?
SUGIZO:今回のほうがいろいろな意味で、実はあいまいですね。前回は先輩だ、後輩だ、仲間だっていう、LUNA SEAと深い繋がりがあるが故の、LUNA SEAの歴史を総決算するような“時間軸”がとても重要だったんですけど、今回は良く言うと広い、悪く言うとあいまい。なので、もちろん僕が大好きなアーティストもいるし、共演したかったアーティストもいる、逆に会ったことのない人もいる。今回のほうが、ジャンルやカテゴリー、一般的にファンの方々が思っている常識をぶち壊すような布陣ではないかと。
──そういったラインナップが揃ってますね。
SUGIZO:おもしろいのが、近年とても仲良しな、BRAHMAN。たとえばTOSHI-LOW(Vo)くんと僕にとって、つながりはとても自然なことなんですけど、おそらく両バンドのファンからしてみたら、すごく斬新なことで。僕らが想像していた以上に、良くも悪くも盛り上がっているんですよ。もちろんシーンが違って、ファンの人たちのスタンスやライヴに対する取り組み方も違う。でも意外と、僕らステージに立つ側は、カテゴリー関係なく仲間はどんどんつながっていくし、むしろその境界線を飛び越えることが、とてもハッピーで快感ではあるんです。
──なるほど。
SUGIZO: LUNA SEAとback numberが同じステージに立つことも興味深いし、良くも悪くもファンの人たちがざわついている。GLIM SPANKYは以前、彼らのライヴを観に行って、素晴らしくてオファーさせてもらったんですけど、シーンとしてどう交差するのか、おそらく一般的にはわかりにくいはず。単純に僕がとても好きだということなんですけども、それでいいと思うんですよね。大黒摩季さんも音楽やシーンとしてまったく違う。だけど、真矢がとても深いつながりを持っている。それ故に、LUNA SEAのアルバム『LUV』レコーディングにも参加してもらって、今回出演していただくに至ったんです。そういう意味では、意外と実は媒体の方々やライターの方々、評論家の方々、そしてファンの方々のほうが、気がついたら自分たちでボーダーをつくってらっしゃるんじゃないでしょうか、と僕は思いますね。保守的というか。僕らアーティスト側は、ただ自分たちが最高だと思えるもの、自分たちが素晴らしいと思えるものを、どんどん生み出して広げていきたいだけ。
──それが今回の<LUNATIC FEST. 2018>であると。
SUGIZO:さっき“時間軸”と言いましたけど、前回の<LUNATIC FEST.>のほうが、ジャンル、カテゴリー、シーンっていうものに当てはまってる。だから、前回はシーンとしてすごくおもしろいものができたと思うんです。1990年代のこのシーン……僕は“ヴィジュアル系”っていう言葉が嫌いなのであまり使わないんですけど、そのシーンが好きだった人にとっては夢のような時間だったかもしれない。それに対して今回は、シーンそのものを崩壊させるような破壊力。計らずともそれが実現するような気がしています。でもわからない。始まってみたら全然違う弁証になるかもしれないので、現時点での自分の感覚ですけど。
──それこそ前回とは逆に、今回のほうが自由なお祭りになるかと思いきや、むしろ狂気のほうに行くかもしれないですよね。今のお話にも出てきましたけど、BRAHMANと一番共鳴できるのはどんな部分でしょう?
SUGIZO:音楽性は一見、全然違うようでいて、その音楽を生んでいる基の精神性がとても近い。とてもシンパシーを感じています。僕が思う生き方……本音で生きて、本音で音を作って、本音で言葉を紡いで。なんとかこの立場でこのシーンを生きながらえているところが似てるっていうか(笑)。アンダーグラウンドとオーバーグラウンド、その両方の重要な責務を担っていて、あらゆるシーンを行き来できるような感覚もとても近い。たとえば彼らがセックスピストルズを好きだとしたら、僕はP.I.Lが好き、みたいな。同じ場所から始まっているんだけど、表現の仕方が違う。この間のBRAHMANの武道館公演も観てきたんですけど、あの音楽、あの立場で武道館を超満員にして、そこでも一切こびを売らないステージを表現し切って、それにお客さんが熱狂する。僕が個人的に、今の日本で一番カッコいいと思っているロックバンドはBRAHMANですね。なので、参加してもらいたかった。
──GLIM SPANKYに関して、素晴らしいと思えたのはどういう部分だったのでしょう?
SUGIZO:彼らを知ったのはデビュー当時のことで、恵比寿LIQUIDROOMにライヴを観に行ったのかな。最初に聴いたときから、(松尾)レミ(Vo)ちゃんの声が信じられないくらいインパクトがあって。“こんな表現ができる女の子が日本に居るんだ!?”って、頭をガツーンとぶん殴られたような衝撃があった。どうも僕は昔から、女性ヴォーカル/男性ギターのユニットが大好きみたいで、その美学ってあるんですよね。その中でも、20代の彼らがどうしてあんなに渋くて刺さってくる表現ができるんだ?っていう。このご時世、ヤバさとかスリル、反抗とかアンチテーゼ、そういうものを感じさせる若者が少なくなっていると僕は思っているんですけど、久々にすごいトゲとアクがある人達が出てきたなって、すごく感動してね。僕の娘とあんまり歳が変わらないですからね、あの2人は。
──わかりやすい関係性でいえば、DIR EN GREYやMUCC。前回も出演したこの2バンドについてはいかがですか?
SUGIZO:もう僕の同志ですよね。DIR EN GREYもMUCCも。GLAYもそうです。僕らのシーンで一番強くつながっていて、その存在感に完全に任せられる。なので、常に一緒に交わっていたい大切な仲間です。
──そういう流れでいくと、ACE OF SPADESもSUGIZOさんから声を掛けられたのですか?
SUGIZO:僕がHISASHI(G)に声を掛けましたけど、実は「ACE OF SPADES、どうかな?」ってINORANが言い始めたような気がする。彼らがステージに立つこと自体久しぶりじゃない? <LUNATIC FEST.>で2年ぶりに再集結してもらえるっていうことが何より嬉しいですね。TAKAHIROくんをヴォーカルに、TOKIE(B)さんもMOTOKATSU(Dr)くんも僕のソロでもずっとお世話になってきた仲間が居るっていう、すごくおもしろい布陣なんですよ。しかも、MIXは小西(康司)さんが手掛けたし、TAKUROがプロデュースしていたりだとか、結局僕らのファミリーみたいな(笑)。そういう意味でもすごく安心してステージに立ってもらえる大事な仲間ですね。
──THE ORAL CIGARETTESもSUGIZOさんだという噂を聞いてますが。
SUGIZO:去年、<テレビ朝日ドリームフェスティバル2017>で共演して。それ以前から存在は知っていたんですけど、今の20代の最もカッコよくて魅力的なロックンロールを体現しているバンドだっていう印象を受けました。僕らの歳にはできないというか、僕らのボキャブラリーにはない、まったく新しい次元のことをやっている。逆に彼らがやっているような新世代の表現に、僕らはとても刺激を受けるんです。ぜひ共演したくて声を掛けさせていただきました。
■自分のキャパシティを超えたところに

■実は本当の感動や衝撃があります
──そういった意味では、3年まででは有り得なかったラインナップになっていると思います。やっぱりこの3年の間にも音楽シーン、ロックシーン、バンドシーンというものも変化していると思うんですけど、今現在のシーン全体の状況をどんなふうにご覧になってますか?
SUGIZO:僕は素晴らしいと思っています。特にロックシーンが素晴らしくイキがいい。もちろん1990年代のように、100万枚のセールスを記録するバンドがゴロゴロいるわけじゃないし、それはもう不可能だと思うんです。この間、たまたまTwitterか何かで、LUNA SEAが復活した10年ほど前の僕の発言を見たんですよね。当時僕は、「なぜLUNA SEAを復活させる必要があったのか。今の若い新しいロックシーンに対して、すごく不満や不安があって。このままじゃまずい」と思っていたらしいんですよ。「本当のロックバンドのカッコよさや生き方を体現しなければいけない。だからLUNA SEAはもう一度息を吹き返す」とかカッコつけたことを言ってるわけですよ(笑)。とんでもない。今は20代30代の最高に尖っていながら、数万人を動員できるスタジアムやアリーナクラスのバンドがゴロゴロいる。だからひと昔まえの凍り付いていたシーンとはまったく別の新しい波が今まさに起こっている。素晴らしいと思うと同時に、もう自分は用無しかなって思ったりするくらいの危機感もあったり。
──いやいや。
SUGIZO:先ほどのGLIM SPANKY、THE ORAL CIGARETTES、The BONEZ、back numberもそう。それに、僕らと結構スタッフがつながっている身近なところに、ONE OK ROCKRADWIMPSなど、そういう新しい世代のモンスターバンドがいる。1990年代のあのバブリーな、まやかしのような、大企業主体のハリウッドチックでプラスティックなロックシーンではなくて。今の若い世代が本当に求める、本音で音楽をやる、いわゆるミレニアル世代って言われているバンドのカッコよさが今のシーンを引っぱっている。素晴らしいことだと思います。
──となるとLUNA SEAの役目っていうのは、危機感で立ち上がった10年前とは違って、むしろその世代と競争もしていきたいわけですよね。
SUGIZO:いや。先ほど、THE ORAL CIGARETTESのときにお話したように、それをやろうとは思わないですよ。だって、20代のはち切れんばかりの若いエネルギーと僕らのエネルギーでは在り方が違うから。そこで勝負しても意味がない。僕が今思うのは、来年僕は50歳なので、年相応の最も輝ける50代の在り方。昔と違って、たとえば頂点にストーンズがいるとして、エアロスミス、キッス、U2がいて。上はもう70代だったり、還暦を超えた素晴らしいバンドがゴロゴロいる。あのメタリカですら還暦間近。そういうシーンの中ではロックそのものが成熟している。その中でこれから50代になろうとする僕らが、いかにこの年代のカッコいい在り方を体現できるか。そこが大事かな。20代や30代に出来ることは任せるべきで。
──それを日本で体現するというのは、ある意味、未知かもしれないですね。
SUGIZO:たとえば、今、20代前半や10代のファンの人がどんどんLUNA SEAやSUGIZOのライヴに来てくれる。自分の娘よりも全然年下の子たちが。その子たちにとっても、自分の父親よりも上の年齢の僕らの音楽を聴いて感動するわけで、いよいよ世代を超え始めたので親みたいな気持ちになってますね(笑)。新しい世代に自分たちの生き様をしっかりと見せたいし、僕らのサウンドやステージ、生き方に触れてもらって、それを自分の人生にフィードバックしてほしい。そう考えると、10年前にLUNA SEAを復活させたときの表現理由と今とはまったく違いますね。やはり<LUNATIC FEST. 2018>はとても重要なターニングポイントになるんじゃないかなと思っているけど……わからない。終わってみたら、今とは全然違うことを言うかもしれません。
──もしかすると、この先10年の在り方のヒントが見えてくるかもしれません。
SUGIZO:そうかもしれません。カッコよく歳を取りたいね。それは別に若くいたいというわけでもないんですよ、シワも増えるし白髪も増える。ただ、歳を重ねていくことが恥じゃない、負い目じゃない、得ていくものが多いんだっていうことを僕は実感していてね。それを50歳になっても……60歳まで生きているかわからないですけど、60歳になったとしても、今が一番だと思っていたい。それって、実はロックバンドのとても重要なアティテュードにつながると思うので。……ちょっと説教臭い話になりましたね(笑)。
──では、<LUNATIC FEST. 2018>に向けて意気込みを。
SUGIZO:前回もそうだったんですけど、まずは自分たちの表現を全身全霊で全うします。そして、それと同じレベルで全てのアーティストのみなさんに対しての感謝の念を表現したい。また新しい動きが始まると思うんです。3年前の<LUNATIC FEST.>で、たしかに何かが音を立てて大きく変わった実感があった。今回はその続きというよりは、全く新しいディメンションに移行すると思う。先ほども話したように、シーンやカテゴリーの壁や存在そのものが崩壊していくような。ぶち壊すことがすごく好きな身としては、とってもワクワクしているので。何が起こるかわからないですが、全霊で取り組みます。
──最後にファンへメッセージをお願いします。
SUGIZO:<LUNATIC FEST. 2018>に向かって、今全力で走っております。3年前に、衝撃的な2日間を過ごすことができて、“もうこれは二度と無理だろうな”と正直思っていました。午前11時台にあんな過激なオープニングアクトをやるなんて二度と無理……というか二度とやりたくないなと思っていました。でも、またやるハメになってしまいました(笑)。僕は朝が本当に苦手なので、ヘロヘロで頑張っていると思うので、ぜひみなさんの力を貸していただけたら幸いです。そして、僕らが本当にリスペクトする素晴らしいバンドがまた今回も多数登場してくれます。ジャンルを超えて楽しんでもらいたい。むしろ、普段自分が足を運ばないようなカテゴリーのバンドこそ、絶対楽しんでいただきたい。自分の知らないシーンとか、自分のボキャブラリーやキャパシティを超えたところに、実は本当の感動とか衝撃があります。ぜひ自分の感度を広げるために<LUNATIC FEST. 2018>を楽しんでいただけたらと思います。
文◎BARKS編集部

写真提供◎(株)LUNA SEA

協力◎スペースシャワーTV
■史上最狂のロックフェス第二弾<LUNATIC FEST. 2018>

2018年6月23日(土) 千葉・幕張メッセ

2018年6月24日(日) 千葉・幕張メッセ

OPEN 9:30 / START 11:00 / END 20:00 (予定) ※両日共通

▼23日(土)出演 ※LUNA SEAを除き50音順

LUNA SEA、ACE OF SPADES、GLIM SPANKY、GLAY、coldrain、シド、女王蜂、DIR EN GREY、back number、The BONEZ、LUNACY(Opening Act)

▼24日(日)出演 ※LUNA SEAを除き50音順

LUNA SEA 、AA=、大黒摩季、OLDCODEX、THE ORAL CIGARETTES、BRAHMAN、MUCC、lynch.、LUNACY(Opening Act) and more...

▼チケット

一般チケット料金:1日券 ¥15,500 (入場チケット¥15,000+ドリンク代¥500/税込)

各プレイガイド一般発売:6/2(土) AM10:00~

※特設サイトにてチケットオフィシャル最終先行受付中

■『生中継!LUNATIC FEST. 2018』


▼6月23日(土) DAY-1  <WOWOWライブ>

前編 午前11:00~/後編 午後3:00~

出演/LUNA SEA、 ACE OF SPADES、 GLIM SPANKY、 GLAY、 coldrain、 SID、 The BONEZ、 LUNACY(OPENING ACT)
※LUNA SEAを除くアーティスト表記は50音順にて掲載
■6月24日(日) DAY-2  <WOWOWライブ>

前編 午前11:00~/後編 午後3:00~

出演/LUNA SEA、 大黒摩季、 OLDCODEX、 THE ORAL CIGARETTES、 MUCC、 lynch.、 LUNACY(OPENING ACT)

※LUNA SEAを除くアーティスト表記は50音順にて掲載
・収録日:2018年6月23日、 24日

・収録場所:千葉 幕張メッセ国際展示場

・番組サイト http://www.wowow.co.jp/lunaticfest/

※オンデマンドでもLUNATIC FEST.2018の模様をライブ配信
<関連番組>

▼『LUNATIC FEST. 2018 生中継直前スペシャル』

6月17日(日) 夜7:30 <WOWOWプライム>

会場の幕張メッセからWOWOWで生中継されるLUNATIC FEST. 2018の見どころを紹介する直前番組。 無料放送でお届けする。

▼『LUNA SEA The Holy Night 2017』

6月23日(土) 午前7:45 <WOWOWライブ>

昨年末、 さいたまスーパーアリーナで開催したクリスマス公演をリピート放送。<LUNATIC FEST.>生中継直前にLUNA SEAのライブを堪能しよう。


■『LUNATIC FEST. 2018 スペシャルサポーター大募集』プロジェクト

募集期間:2018年5月25日(金)12:00~2018年6月30日(土)23:59

https://wizy.jp/project/104/

▼プロジェクトアイテム/価格

『LUNATIC FEST. 2018×FLYING POSTMAN PRESS特別号』(先行特典あり)

3,000円(税込・送料込)

※全16ページ(一般配布分は12ページ)

※特別号にお名前を掲載。一般配布より1週間先行でお届けします

※先行特典として、フリーペーパーと合わせて、ルナフェス会場にて展示する特大パネルにもお名前を掲載させていただきます

※サポートには、クラブレコチョク会員登録/ログインが必要です

※特大パネル展示スペースはルナフェス会場内になります。ご覧いただくには入場チケットが必要になります

※配送は2018年8月1日頃を予定(一般配布より1週間先行でお届けします)

※一般配布日は8月10日予定

https://wizy.jp/project/103/

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