【ライブレポート】大黒摩季、<47都
道府県ツアー>東京公演で「28年前の
夢が実現しました」

大黒摩季が5月7日および8日、中野サンプラザにて<Maki Ohguro 2018 Live-STEP!! 〜Higher↗↗Higher↗↗中高年よもっと熱くなれ!! Greatest Hits+〜 FINAL SEASON>の東京公演を行なった。その初日はステージ上を埋め尽くす大勢のゲストや、歓喜の声に会場が溢れたスペシャルゲストのサプライズ登場など、豪華絢爛にしてお祭りのような賑わい。雨空を吹き飛ばすエネルギーに満ちて、客席に終始笑顔が揺れていた。
全国47都道府県ツアー<~Higher↗↗Higher↗↗中年よ熱くなれ!! Greatest Hits+~>は2017年2月25日より6月まで“Season I”がスタート。同年9月から12月まで“Season II”、2018年1月から4月1日まで“Season III”、そして同年4月11日から5月26日までを“FINAL Season”として、2年超にわたって全国を廻るロングサイズのツアーとなった。さらに、それぞれの“Season”の間には、<北海道ドリーム・ツアー2017 ~>や<LUXURY + TOUR 2017>ほかイベント出演を挟むなど、継続的に精力的に駆け抜けてきた。
主要都市を中心とした“FINAL SEASON”の東京初日はトータル85公演中の81本目。結論から言えば、2年にわたるツアーが大黒摩季バンドに極上のグルーヴを育み、精度を高めて圧倒的な音像を描き出していた。つまり、最高のロックバンド。その核には当然ながら大黒摩季の生命力に溢れた力強い歌声がある。
まだファイナルの沖縄市民会館公演を残してるがゆえ、演奏曲や演出の詳細に触れることはしないが、構成の軸となっていたのはツアータイトルが示すとおり“Greatest Hits+”だ。シングルチューンの連発が会場の空気を熱く満たす一方で、カラフルで多彩なリズムがセットリストを起伏豊かでバラエティーに富んだものにしていく。たとえば「別れましょう私から消えましょうあなたから」のような誰もが知る大ヒット曲も、それを再現するというより、バンドの演奏に自在に反応しながら、その瞬間の想いをそのまま表現していくボーカルにライブならではの気迫とスリルが宿る。
さらに言えば、明治安田生命のコーポレートソングとして作った「笑顔のトビラ」をはじめ、復帰後の配信シングル「Higher↗↗Higher↗↗」、復帰後初シングルCD「Lie, Lie, Lie,」といった新しい楽曲たちがツアーの間に研ぎ澄まされ、以前からある曲と同じように消化されていたことはもちろん、ライブならではの新アレンジで披露される曲も存在するなど、立体感を持って届けられていたあたりは見事。“大黒摩季バンド”の力量の高さにただただ驚かされるばかりだ。しかしこれは、個々の持つテクニックうんぬんの話ではない。大黒摩季のボーカル同様、ドラムもベースもギターも、各楽器パートが歌っているかのような呼吸が素晴らしい。
「同級生でソウルメイトで大切な存在です、ドラムはLUNA SEAの真矢。パーカッションは還暦を迎えた私の神、スティーヴ エトウ。女子力がどんどん高まっているトシさまこと、キーボーディストの柴田敏孝。私のお兄ちゃんです、大黒摩季がお休みのときはももクロをやってるサックスの竹上良成。コーラスは私の太陽、原田由佳。そして同じくコーラスはホストNo.1、光永泰一朗。マニピュレーターは道産子、下田泰基。ベーシストは我がバンドの盛り上げ隊長、doaの徳永暁人。最後に私の大親友、かれこれ30年来の親友であり原田芳雄さんの長男でもあります、ギタリストは原田喧太。……サファリパークのようなメンバーでお届けしております(笑)」──大黒摩季
というメンバー間のやり取りを含めたMCは家族的な雰囲気すらまとって微笑ましい。事実、真矢と徳永は地元の先輩後輩にあたるそうで、なるほどリズム隊はあまりにも強靱で自在なグルーヴを作り出していた。そして大黒摩季を加えた10人編成のバンドサウンドは、攻撃的なハードチューンから、思わず身体が反応するダンスチューン、繊細さに情感を込めたミディアムチューンなど多彩な楽曲群を華麗に彩る。
「ROCKs」では大黒摩季自らエレキギターを手に屈強なハードロックを奏でたほか、「ゲンキダシテ」ではこの大所帯に2人のトランペットとトロンボーンを加えたホーンセクションが煌びやかに中野サンプラザを染め上げ、アンコールではダンサーがステージ上と客席に登場し、総勢30名以上のアクトが何とも言えぬ幸福感を描ききった。
そして、冒頭にも触れたとおり、この日のアンコールではスペシャルゲストが登場。この予期せぬサプライズに会場に歓喜の声がこだました。
「ビーイングという会社のオーディションに受かって、最初はバックコーラスの仕事をしたんですね、私。“声が気に入った。ソロアルバムを出すからツアーに参加してね”って、私を初ステージに連れ出してくれた、最初の男でございます、TUBEのギタリスト春畑道哉」──大黒摩季
大黒摩季は現在アルバムを制作しており、曰く「念願叶って、その中の1曲を春さんがプロデュースしている」とのこと。春畑道哉も「最初のツアーのことを思い出しながらアレンジしたんだ、まだデビュー前の摩季ぞうが“始めて新幹線に乗る!”って興奮しながらツアーに来てくれたこととかね(笑)。今回プロデュースさせていただいた曲は、劇的で感動的です」という春畑道哉の曲紹介から新曲の話へ。「私のステージで春さんにギターを弾いてもらいたいという28年前の夢が実現しました。今後の自分がみなさんに誓う、その誓いの言葉を書いた曲です」と紹介された「Because…you」は、バンドサウンドと歌声が美しく伸びやか。春畑道哉によるギターサウンドが大黒摩季の歌声に優しく絡み合い、絶妙のハーモニーを響かせた。
約3時間の熱演は大盛況のうちに終了した。この日、歌われた楽曲の数々は“中高年よもっと熱くなれ!!”のタイトル通り、喜怒哀楽など様々な感情が詰まっていながらポジティヴに響くエネルギッシュなもの。すべてを受け止める強さや大きさ、仲間との絆の強さという意味でもロックなステージだった。大黒摩季と音楽の旅は、このツアーが終わってもずっと続いていくことを感じさせる東京公演だった。
取材・文◎梶原靖夫(BARKS)
■<Maki Ohguro 2018 Live-STEP!! 〜Higher↗↗Higher↗↗中高年よもっと熱くなれ!! Greatest Hits+〜 FINAL SEASON>


2018年4月11日(水) 広島・ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ 大ホール

開場18:00 / 開演19:00 ※SOLD OUT

(問)リーデンローズチケットセンター 084-928-1810

2018年4月13日(金) 福岡・福岡市民会館 大ホール

開場18:30 / 開演19:00

(問)キョードー西日本 092-714-0159

2018年4月15日(日) 山口・下関市民会館 大ホール

開場17:00 / 開演17:30 ※SOLD OUT

(問)下関市文化振興財団 083-231-6401 / 夢番地(広島) 082-249-3571(平日11:00-19:00)

2018年4月21日(土) 青森・リンクステーションホール青森(青森市文化会館)

開場17:00 / 開演17:30 ※SOLD OUT

(問)キョードー東北 022-217-7788

2018年4月22日(日) 宮城・東京エレクトロンホール宮城

開場17:00 / 開演17:30 ※SOLD OUT

(問)キョードー東北 022-217-7788

2018年4月29日(祝・日) 北海道・ニトリ文化ホール(さっぽろ芸術文化の館)

開場17:00 / 開演17:30 ※SOLD OUT

(問)WESS 011-614-9999(平日11:00-18:00)

2018年5月03日(祝・木) 愛知・日本特殊陶業市民会館 フォレストホール

開場17:00 / 開演18:00 ※SOLD OUT

(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

2018年5月07日(月) 東京・中野サンプラザホール

開場17:30 / 開演18:30

(問)ディスクガレージ 050-5533-0888

2018年5月08日(火) 東京・中野サンプラザホール

開場17:30 / 開演18:30

(問)ディスクガレージ 050-5533-0888

2018年5月12日(土) 大阪・オリックス劇場

開場17:00 / 開演18:00

(問)夢番地(大阪) 06-6341-3525(平日11:00-19:00)

2018年5月13日(日) 大阪・オリックス劇場

開場15:30 / 開演16:30

(問)夢番地(大阪) 06-6341-3525(平日11:00-19:00)

2018年5月26日(土) 沖縄・沖縄市民会館

開場17:00 / 開演17:30

(問)PM AGENCY:098-898-1331

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