米津玄師、「Lemon」が12週連続1位獲
得でback number記録に到達！乃木坂
46、TWICEの新曲もランクイン!!＜歌
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歌ネットランキングの歴史に、また新たな一歩が刻まれた。今週トップの米津玄師「Lemon」が12週連続1位を獲得。これは過去にback numberが「ハッピーエンド」で打ち立てた連続1位記録と同一である。本作の登場で、ランキングにまた新たな展開が見られるかもしれない。

＜夢ならばどれほどよかったでしょう＞から始まる「Lemon」は、切なくて苦しい恋の歌。＜溢れてやまないのは涙だけ＞＜あれから思うように 息ができない＞＜とても忘れられない それだけが確か＞など、＜あなた＞への叶わない想いが痛切に吐露される。心にぽっかり穴が開くような喪失感を確かに感じる本作。けれど、失ったことへの悲しみだけでなくわずかな光も信じさせてくれるのは「Lemon」というモチーフに他ならない。酸っぱくて苦くて強烈なインパクトを残すレモンは、同時にとても爽快なものでもある。梶井基次郎が短編『檸檬』で、レモンについてこう記している。「始終私の心を圧えつけていた不吉な塊が、それを握った瞬間からいくらか弛（ゆる）んで来たとみえて、私は街の上で非常に幸福であった」。まぶしいほどの黄色、ほんのりとした冷たさ、爽やかな香り。思わず顔がほころんでしまうほど、レモンは魅力的なフルーツだ。本作「Lemon」では、＜切り分けた果実の片方の様に 今でもあなたはわたしの光＞と締めくくられる。これは、ひたすら悲しみにくれる＜わたし＞にとって、＜レモン＞が希望の象徴であることを意味しているのではないだろうか。喪失を抱えながら、それでも光を信じて歩いていくと示唆する本作は、繊細でありながら意外とたくましい。主題歌となったドラマ『アンナチュラル』（TBS系）のストーリーとも相まって、心に深くしっとりと響く1曲である。

5位には乃木坂46の20thシングル表題曲「シンクロニシティ」がランクイン。この世の中にある不思議なシンクロ感について綴った歌詞で、例え他人同士であっても＜お互いに お互いを思いやれば いつしか心は一つになる＞と強く訴える。つい個々の世界にこもりがちな現代において、本作の歌詞でハッとさせられる人も多いのではないだろうか。

また、7位にランクインしたMONGOL800の「小さな恋のうた」にも注目したい。2001年9月リリースの楽曲ながらここ最近じわじわランクアップを続けている本作。再注目のきっかけは定額制オンデマンド型音楽配信サービス「LINE MUSIC」のCMにて、女子高生が本作を熱唱していること。気になる男子からLINEが届いたのをきっかけに、抑えきれない気持ちを＜ほら あなたにとって大事な人ほど すぐそばにいるの＞とバッグを振り回しながら歌う様子はまさに青春。キュートな姿と「小さな恋のうた」の色褪せないメロディが心に残り、思わず検索した人も多いに違いない。

その他、大阪のFM局「FM802」のキャンペーンソングであり、クリープハイプ・尾崎世界観や、あいみょんなどが参加するRadio Bestsellers「栞」が8位、TWICEの新曲「Wake Me Up」が9位と、注目曲も続々ランクインする結果となった。

文／木村桂子