【H!dE インタビュー】
動画総再生数2,000万回超の
うたものがたりシンガー
軽快なバックトラックの上、耳馴染みの良いメロディーと明るく親しみやすい歌声で、数々の“うたものがたり”を綴ってきたH!dE。これまでのベスト楽曲を収めつつコンセプト化もうかがえる新作の各曲は、きっとあなたの人生の幾つかの場面と重なることだろう。
まず、どうしてシンガーソングライターになろうと?
路上ライヴに出くわしたのがきっかけでした。そこから伝える側になろうと思い立ち、曲作りやヴォイストレーニングを始めたんです。
活動当初から現在のようなバックトラックの上に歌を乗せていくスタイルだったんですか?
そうでした。当初はそれこそR&B等が好きで、それらをカバーしてましたね。オリジナルに移ってからは、よりキャッチ―さを目指し出して。そんな中、トラックメイカーの方との出会いがあって、今のかたちになっていったんです。
トラックも当初はクラブミュージック色の強いものでしたよね?
わりとリズミカルでテンポ感重視のトラックでした。当初は聴き入ってもらうよりも、自然と耳に入ってくるスタイルを目指してましたね。
その流れに伴い歌の伝え方も変化してきたように映ります。
意識が“ものがたりを伝える”方面に移行し出したんです。当初から“胸キュン”をテーマに恋愛ソングを書いてはいましたが、トラックも含め、より聴きやすさを重視するようになっていきました。
YouTubeから人気に火が付いたH!dEさんですが、動画を通してのアプローチの発想はどのような流れからだったんですか?
どれだけ良い曲を作っても届かなければ無意味ですからね。しかも、僕の場合はそんなにライヴ活動もしてなかったし。聴いてもらう可能性をと、まずはリリックビデオをアップし始めたんです。そんな中、イラストレーターのmineさんと出会い、その方のアニメに歌を乗せ始めて…。
それが今や代名詞とも言える「Pinky Ring」だったんですね。
そうです。その「Pinky Ring」を皮切りに、それらをシリーズ化してアップし始めたんです。そこから再生数もグワッと伸び出して。多い時は1日で1万再生あったり。そのおかげで全国の方に観ていただき、知っていただくことができました。それが後の全国の路上ライヴへのきっかけにもなっていったんです。
その路上ライヴ以降、人前で歌うことも前提の曲作りに移行した感もありますが、それらを経て何か自身の楽曲への変化は?
歌を伝える人がより明確になっていきました。今作にも応援ソングやバンド調の曲も入っているんですが、その辺りも路上ライヴを経たことがきっかけでしたから。歌詞もより直接的でストレートな言葉が増えたし。対面している人を思い浮かべて書く曲も増え、“うたものがたり”とは対照的にこちらも充実し出してます。
H!dEさんの楽曲はむちゃくちゃ切ない歌詞もあり、普通ならそれらはバラードで伝えそうですが、あえてそのようにはせず、逆に軽快で聴きやすく伝えていますよね?
その辺りは好みも含めて僕のスタイルです。あえてそこは崩さず、バラードだろうがアップテンポだろうが関係なく、僕なりの歌の伝え方をさせてもらってます。情報量もたくさんなのでメロウにすると物語を伝え切れない懸念もあり、メロディー、歌詞含めて流れで物語が聴けるようなトラックにしてもらっていて。
どれも非常に親しみやすいです。
基本的にどの曲も温かく、分かりやすく伝えることに重きを置いてますからね。その辺りはトラックとのマッチ感とも関係していて。僕の歌は言葉数を詰め込むタイプなので、どこかテンポ良くリズミカルにしないと、聴き手にもスッと入ってもらえないんじゃないかって。なので、歌詞にしても言葉の置き方や韻の踏み方を大切にしてるんです。
ちなみにH!dEさんが“うたものがたり”を標榜し出したのは?
先程の「Pinky Ring」からです。そこからそれを自分のスタイルや個性にし出して。
H!dEさんの思う“うたものがたり”の定義とは?
4~5曲でひとつの大きな物語にしつつ、一曲一曲でもちゃんと完結している歌。次曲への伏線があったり、全部を聴いてようやく全体像が見えたり、個々の気持ちが分かったり、それらも含めたものですね。
確かに“うたものがたり”シリーズは、どれも1曲完結ながら組曲としても成立しています。
これまで4つのシリーズを出してきましたが、どれも最初に全体像のシナリオを作り、そこから章分けのように各曲を作っていったんです。1曲目を作っている時に、2曲目、3曲目へとつながる共通したワードを入れ込んだり、伏線を張ったり。全体像を意識しながら各曲を作ってます。
連ドラみたいですね。
(笑)。もちろん全体で楽しんでほしいですが、単曲で楽しんでもらっても全然オーケーです。それだけでも成立するように作ってますから。特に今回のアルバムに関しては、“うたものがたり”がシリーズ毎でまとまっている箇所もあるので、ここから知ってもらえるのも嬉しいですね。
おっしゃる通り新曲も含め、その“うたものがたり”シリーズが各ブロックで収まってますね。しかも、全体的な物語の流れもいい!
今までH!dEがやってきたことが詰め込まれたベストな16曲かなと。選曲はもちろん、曲の並びもすごく考えたし。各“うたものがたり”も楽しめるし、新曲も散りばめているんで、流れや大きな物語性としても楽しんでほしいですね。
まさに集大成的なアルバムにしてコンセプトアルバムですね。個人的にはストーリーテラー的な部分と主観的な部分の同居も興味深かったです。。
そうですね。“うたものがたり”シリーズはどこか俯瞰的だけど、単品ソングはわりと誰かに向けて歌ってますからね。
伴侶、友人、恋人、好きな人、親等々、いろいろなタイプの人やシチュエーションですが、どれも基本ラブソングで。
タイプこそいろいろあれ、まずは“愛”を歌うことで何かしら届けられたらなと。そこは今後も変わらないでしょうね。それらを通して共感してもらったり、背中を押せたら嬉しいです。
今作には世がH!dEさんを知るきっかけとなった「Pinky Ring」の最新編でもある新曲「アイコトバ ~Pinky Ringの誓い~」も入ってますね。
ここまでの「Pinky Ring」4部作の完結編です。出会いからここまでいろいろとあったふたりが、その5年後に晴れてパートナーになる場面を歌ってみました。いわゆるプロポーズソングですね。
では、これで「Pinky Ring」シリーズも最終回と。
どこかでまた複線的に出てきたり、アナザーストーリーとして描くかもしれませんが、今はこのふたりの行先を、この歌を通して見守ってあげてください。
取材:池田スカオ和宏
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アルバム『うたものがたりコレクション』2018年5月9日発売
徳間ジャパンコミュニケーションズ
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『H!dE「うたものがたりコレクション」TOUR 2018
~響け!Song for you~』
7/21(土) 岡山・CRAZY MAMA KINGDOM
7/29(日) 愛知・名古屋ell. FITS ALL
8/04(土) 大阪・americamura FANJ twice
9/08(土) 東京・六本木morph-tokyo ※2回公演
ヒデ:岡山県倉敷市出身。映画、ドラマ、小説のような“ものがたり”をやさしい声、耳に残るメロディー、飾らない真摯な言葉で紡ぎ、嘘のない“うたものがたり”と呼ぶラブソングとして届け続ける注目のシンガーソングライター。渋谷で路上ライヴを行なうミュージシャンたちの姿に刺激を受け、自らも歌うことを決意。音楽活動をスタートさせ、YouTubeでも自作曲を発表。“うたものがたり”シリーズのMVは2,000万回以上の再生回数を記録する。2018年5月に初のベストアルバム『うたものがたりコレクション』をリリースし、7月には全国4カ所のツアーを行なった。H!dE オフィシャルHP
「アイコトバ ~Pinky Ringの誓い~」
MV(Short ver)