月ごとにテーマを変えて、様々なひとに選曲をお願いしてきた「MIXTAPE」企画。今回のテーマは、ずばり東京。東京と名のつく曲はたくさんあるし、いろんな人が東京に対する思いを持っている。だけど、東京は広い。場所によって、聞こえてくる音も思い出す曲もちがう。東京出身のひとも、地方から出てきたひとも、いまは遠くから東京を眺めるひとまで。「東京」をテーマにどんな曲を選ぶのか。SWEET SOUL RECORDSを主宰し、世界中を飛び回る山内直己さんの東京とは。

「SWEET SOUL RECORDSのエグゼクティブプロデューサーの山内です。世界中から最高峰のアーティスト達が集まるアーバンシティ東京。普段自分が聞くプレイリストから、東京にも来日しているアーティストの楽曲や、これから来日を期待したいアーティストの楽曲をご紹介します」

1.The GREATEST / KING

Tokyoというテーマで最初に思いついたのは、なぜかこの曲。東京のコンクリートジャングルやプラスティック感にぴったりのサウンド。どこか80年代のゲーム音を感じたり、近未来を感じる奥行きのあるサウンドの新旧の混ざり合いが絶妙。今となってはLAが誇る人気女性グループですが、デビュー前からずっと動向を追っており、ライブを初めて見たのは2015年のニューオリンズ。Princeにピックアップされてジワジワと人気をあげて、一気にアメリカでブレイク。グラミーノミネートも順調にされて日本ではビルボードライブ東京に初来日でした。優しくも強いメッセージを持つ彼女達の紡ぎ出す独特な世界観に魅了されます。

2.HEAVN / Jamila Woods

Youtubeでアーティストを掘っていたところ、たまたま見つけたシカゴが生んだ天才シンガーソングライター。最新アルバムの『HEAVN』では話題のChance the Rapperも参加し、本国アメリカでも非常に注目度の高いアーティスト。今年の1月に来日を果たしましたが、彼女のキュートでアーティスティックなステージは印象的でした。トラップサウンドが席巻するR&B業界でオーガニックなサウンドを持ったまま、時代を捉えた世界観を併せ持ったシカゴサウンドは必聴です。

3.honestly / Lalah Hathaway

つい先日もブルーノート東京で新しいアルバム、『honestly』を引っさげて登場したアメリカSOUL / R&B界の至宝、Lalah Hathaway。もちろんご存知だと思うのですが、あの伝説のアーティスト、Donny Hathawayの愛娘。父譲りの深みのある歌声はまさに唯一無二。最新アルバムでは新進気鋭のアーティスト、Tiffany Gouchéによる全面的プロデュースで、よりR&B色の強い新しいスタイルが魅力的な最近のLalahです。

4.Go Thru Your Phone / PJ Morton

Maroon 5のキーボーディストも務めるニューオリンズ出身のSSW、そしてグラミー受賞プロデューサーのPJ Morton。2017年は自身の最新アルバム『Gumbo』がグラミー賞にノミネートされ、現在はアメリカ全土で人気急上昇。アルバムは自他共に認める最高傑作で、憧れのStevie Wonderを感じさせながら最新のスタイルも取り込んだ、理想のブレンドでソウルファンもR&Bファンも絶賛中です。この曲以外にもアルバム全曲が本当に秀逸。ブルーノート東京にて7月10日、11日と来日が決定しているので、マストチェックなアーティストです。

5.I Love When / Nao Yoshioka

ここで登場、私自身が手がける東京を代表するソウルシンガーNao Yoshiokaの『The Truth』に収録されるリードシングルをご紹介。5月からアメリカに拠点を移し本格的に活動開始です。ぜひご注目ください。解説はあえて短めに。

6.Let Love Rule / Ledisi

今年のグラミー賞授賞式は15年ぶりにニューヨークで行われました。幸いなことに私も今回初参加をしたのですが、印象的だったのはLedisi。圧巻のパフォーマンスは東京で何度も体験しているのですが、今回のグラミー賞でももちろんノミネートされ一部司会としても登場しました。このアルバムタイトルでもある「Let Love Rule」はモダンとトラディショナルなR&Bで織りなす珠玉の一枚。ちなみに彼女のグラミーノミネート回数はなんと12回以上。受賞には至っていませんが実力のほどを如実に表していますね。

7.Get You (feat. Kali Uchis) / Dani
el Caesar

東京でソールドアウトしていたライブが突然キャンセルになったことでも話題のトロント出身のアーティスト、Daniel Caesar。Drake、The Weekendなどトロント出身のアーティストには大注目。“Japanese Denim”という信じられないくらいディアンジェロライクな曲も衝撃でしたが、“Get You”は彼のスタイルを世に知らしめたキラーチューン。次回の来日に期待です。

8.Tokyo / Liane La Havas

ロンドンが生んだ新世代の歌姫、Liane La Havas。Corinne Bailey Raeを受け継ぐかのようにキュートなビジュアルやイギリス訛りのライブでのトークも最高の魅力ですが、力強い歌声と楽曲の空気感のマッチングが最高です。ライブは東京でもいきましたが、ニューヨークでのライブが最高でした。今回のテーマに合わせたわけではないのですが、この曲がアルバムの中でもかなりお気に入りです。

9.Easy / Mac Ayres

東京に最も個人的に呼びたいアーティスト、それがMac Ayres。NYはロングアイランド出身のSSW。彼が19歳の時に突然フリーダウンロードでサウンドクラウドに音源をアップしたものを発見したのをきっかけに知った、バークリー音大の大学生をしつつアメリカ、イギリスなどツアーをしているまさに新進気鋭のアーティスト。サウンドは限りなくメロウでチルアウト。日本のファンも間違いなくはまってしまう、中毒性のあるサウンドです。

10.Jungle / H.E.R

ついに来日が決定したアメリカで話題の謎のシンガーH.E.R.。すでに正体は明るみになってきていますが、上記でも紹介したDaniel Caesarとのデュエットなど、音楽ファンたちの話題を掻っ攫う秀逸なリリース方法はまさに今の音楽シーンを捉えた動き方。東京は赤坂ブリッツで 公演が6月4日に決定しており、必ず足を運びたいと思います。

11.In A Spriral / BIGYUKI

ニューヨークでリアルミュージックの新名所、Nubluにて開催された最新アルバム Reachin’ For Chironのリリースパーティに幸いにも参加することができました。今日本人で最も責めている衝撃のアーティストBIGYUKIRobert GlasperやQ-tipらも絶賛するライブでのスキル、サウンドに私自身もすごいインスピレーションをうけました。東京はWWWのNao Yoshiokaの渡米前の最後のライブ打ち上げにて直接話をできる機会があって、彼のアーティスト性、音楽に対しての純粋な姿勢に感銘をうけ、今最も仕事をしたいアーティストの一人です。

12.Forest Nymph / McCallaman

最後におまけ的な一曲、SWEET SOUL RECORDSから5月16日リリースのトロント出身のアーティストMcCallaman。GoldLinkの『The God Complex』に収録されたシングル“When I Die”を楽曲提供した若手プロデューサー。この楽曲はFrank Oceanもフェイバリットソングとしてピックアップするなど、今後大注目のアーティストです!ぜひこちらもチェックしてください。
SWEET SOUL RECORDS 山内直己「東京の音楽」はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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