「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット」
ダンスの位置づけを向上させた
EXILEのヒットを探る

キャンペーンやバラエティ番組効果で
好セールスを記録

総合4位は2005年の19thシングル「ただ…逢いたくて」。こちらは、冬の切ないバラードで、当時『au×EXILE』キャンペーンとして大々的に展開されたこともあり、当時自己最高セールスとなる累計50万枚を突破。この冬は、修二と彰「青春アミーゴ」、レミオロメン「粉雪」など、大ヒット曲が対抗馬としてあったことも、本作のセールスを伸ばしたのだろう。

総合5位は2011年の37thシングル「Rising Sun」がランクイン。同作はイントロの♪ライ、ライ、ライジンサン~と徐々に幕が開けるようにゆっくりとしたイントロ部分から一変して、本編では全パフォーマーが自らの限界と闘うように激しく動き回るというダンスナンバー。東日本大震災後初のシングルということもあって、懸命に応援する様子をありきたりの言葉ではなく、態度で示したのだろう。

また、ナイティナインの岡村隆史が彼らのLIVE中に警備員姿から突如ダンスパフォーマーとして乱入する“オカザイル”による「Rising 岡村 Sun」がテレビ番組『めちゃ×2 イケてるッ!』で放送された後も配信チャートで急上昇し、こうした硬軟織り交ぜた話題性から配信ミリオン達成に繋がったのだろう。

ちなみに本作は、9種類のジャケットのデザインが異なり、それを組み合わせると1枚の大型ジャケットが完成するというスペシャルBOXセットを発売してCDも30万枚を突破するなど、CDセールス面でもコアなファンなら所有したくなるような仕掛けが施されている。

総合6位の「道」はCDリリース後に
配信やカラオケで再浮上!

これら5作だけでも、もうヒット感が満載なのだが、カラオケではそれらを凌ぐダントツ人気の楽曲がある。それが総合6位の「道」だ。同作は、2007年の23rdシングルで、CD自体は、3週間後に発売されたアルバム『EXILE EVOLUTION』のリード曲だったことや、生産限定盤としてさほど出荷されなかったこと、さらにEXILE名義ながら「合唱 道」として、児童合唱団による混成三部合唱がカップリングに収録されてやや異端な存在だったこともあり、累計11万枚程度に留まった。

しかし、その後、毎年2月~3月になるたびにエールソングとして配信やカラオケで再浮上し、今では卒業の定番曲としてすっかり定着している。サビに出てくる「希望」「夢」「愛」「心」「勇気」「友」「笑顔」といった言葉を照れもせずに歌い上げる様子は、全国のヤンキー達の心をさぞ開いたことだろう。

そういえば、第三章以降にEXILEに加入した若手メンバーが、当時、公式サイトに加入した想いを語ってきたのだが、その誰もがファンへのメッセージよりも先に「HIROさん、有難うございます!ついていきます!」といった御礼を書いていたのが印象的で、そういった身内への忠誠心というか、舎弟感覚というか、そういうのも素直に出してしまうのもEXILEファミリーおよびEXILEファンの特徴のような気がする。

意外に低い順位と思ったのが、2003年の10thシングル「Choo Choo TRAIN」で総合9位にとどまっている。TVやイベントLIVEなどでEXILEが3~4曲歌う枠があれば、必ず歌われるし、また記念撮影や宴会芸などでイントロ部分の反時計回りのダンス(ちなみにオリジナルのZOOは時計回り)を経験した人も数多い事を考えれば、もっと上位でもおかしくない。とはいえ、1位から6位までが前述のように、有無を言わさぬヒット曲で、総合7位の「I Wish For You」も、8位の「もっと強く」もセールス最高潮だった2010年頃の作品となると、9位でも十分なヒット曲だと言えるかもしれない。

OKMusic編集部

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